大泉洋「まだいて欲しい…」映画『駆込み女と駆出し男』完成披露試写会舞台挨拶
2015年5月16日から公開となる、映画『駆込み女と駆出し男』。現代の"2倍"も離婚があったと言われる江戸時代に、幕府公認の縁切り寺・東慶寺で起こる様々な人間模様を描いた本作。昨日3月17日に、東京・丸の内ピカデリーで初の一般完成披露試写会が実施され、主演の大泉洋さんを始めとした出演キャストと原田眞人監督による舞台挨拶が行われました。
舞台挨拶の冒頭、主役・中村信次郎を演じる大泉洋さんは
「自分の出た映画の完成披露試写会にしては天気がいいので、それだけで十分です!」と好天を喜ぶコメント。
夫の暴力から逃げ出す、じょご役の戸田恵梨香さんは「はじめての時代劇だったんですが、とても楽しくやらせていただきました」と初の時代劇に挑んだ意欲作であるとコメント。
戸賀崎ゆう役・内山理名さんは「テンポの良い時代劇で、台詞を早くいうのに必死でした」と久しぶりだという映画出演での苦労を語られました。
映画初出演だという、おゆき役・神野三鈴さんは初めての舞台挨拶に
「堤真一さんに相談したら『ただ立っておけ』と言われました」と緊張の面持ちでコメントしたところ、すかさず堀切屋三郎右衛門役・堤真一さんが「そんな冷たい言い方していません」と会場の笑いを誘っていました。
続いて堤真一さんは、映画完成後に試写をした感想を述べられ「めちゃくちゃおもしろかったです。こんな面白い時代劇は久々です。素晴らしい作品になっていると思います」と力を込めた声でコメント。
そして、本作のメガホンを握った原田眞人監督は
「とにかく感無量。時代劇をやりたいと思ってから50年くらいになります。15歳で監督になりたいと思っていた時から最初から時代劇と考えていた。でも、なかなか企画が実現しなかった。『ラストサムライ』に出演したことで最初に時代劇を体験し、そこでこの圓教寺という素晴らしい寺院と出会って、なんとかここで時代劇を撮りたいと思い、そこから考えると13年。この13年目にしてようやく撮れたこの作品です。素晴らしいキャスト、スタッフに恵まれて本当にいい夢を観させていただきました」と本作にかける思いを語られました。
まだ私達の中にいて欲しいという思いもある…
初の一般試写会となった今回、主演の大泉洋さんは
「映画は大変な思いをして作る。いよいよみなさんの前に観てもらうことで嬉しくも有り、我々の前を離れていく寂しさもあります。せっかく集まってもらいましたけど、どこか心の中では、帰ってもらってもいいんじゃなかいかなと。まだ私達の中にいて欲しいという思いもありますね」と複雑な心境を吐露する場面も。
大泉洋さんとの思い出について聞かれた堤真一さんは「1シーン一緒だけだったので無いです」と意外なコメントをされ、大泉洋さんは
「樹木希林さんもおっしゃってました。あるでしょ。結構1日撮ってましたよ」とツッコミを入れ会場の笑いを誘っていました。
さらに堤真一さんは
「大泉さんには、寒い中で水かけたり、酷いことしたんですが、やられっぷりの素晴らしさ。普通の俳優さんには『申し訳ないな』と思うんですが、全く思わなかったです」と発言され、それを受けて大泉洋さんは
「スタントマンが用意されるようなシーンだったんです。ここまでは大泉さんで、ここからは危ないからスタントマンに代わりますという。そんな危ないシーンだったんですが、何故か監督はカットかけないんですよ。結局スタント無しでやっちゃったんです。それでカットがかかって爆笑しながら『いや〜最高だったね』ってくるから、何を言ってるんだと!」と発言すると、原田眞人監督は「そういうシーンを撮った記憶がない」とコメントされ、さらに会場が笑いの渦に包まれていました。
見どころについて聞かれ原田眞人監督は「撮影は、鎌倉にある東慶寺では行わなかったのですが、圓教寺を中心として、入り口の部分は滋賀県の三井寺、階段をちょっと上がったところが百済寺、その奥が圓教寺、そしてまた奥に入っていくと京都で有名な養国寺と、4,5ヶ所色々使ってやっています。歴史的な建物の中で、そこのところを見て欲しい」とコメント。
2時間23分のよい夢を…
許せない男性、そして好感が持てる男性を聞かれ、戸田恵梨香さんは「じょごもそうなんですが、女性に手を上げる男性は許しがたい。ただ、男性って限定すると難しい…」と語った後、大泉洋さんに「女性的な男性?」と言われ、目を合わせた瞬間大爆笑してし笑いが止まらなくなる一幕も。
舞台挨拶の終盤で大泉洋さんは
「骨太な映画だけど笑える。今までにない時代劇です。このスピード感とエネルギーというのは、是非みなさんに楽しんでもらいたいという映画でございます」とコメント。
そして最後に原田眞人監督は「今我々が生きている時代というのはどんどん悪くなってきてますよね。毎日ニュースを見る度に嫌なニュースも入ってきたり。昔はそういう時に映画館に入って映画を観るというのは『逃避』だと言われたんです。時代劇というのは我々が生きているこの時代よりもっと昔、もっと酷い時代にけなげに戦って精一杯生きた人たちがいるんだっていう。そういう姿を観ることによって元気をつけてもらっって、この大変な世の中に立ち向かっていく、清々しい気持ちをもってこの映画を見終わっていただけたらと思います」とコメント。
締めくくりに「2時間23分の夢の出来事です。みなさんよい夢を」とコメントした所で、出演者全員で「よい夢を」と声を揃え挨拶は終了。
集まった満員の観客の拍手の中、大泉洋さんと原田眞人監督ががっつりと握手する場面で幕を閉じました。
終始会場から笑いが絶えなかった、楽しい舞台挨拶となった今回。監督ならびに出演者のみなさんが、楽しみながら作ってきた作品であることが伝わる素晴らしい舞台挨拶でした。
それぞれの"思い"が詰まった、映画『駆込み女と駆出し男』。公開は2015年5月16日からとなっています。ぜひ劇場に足を運んで"よい夢"をみられてください。
映画『駆込み女と駆出し男』オフィシャルサイト
(文・写真/常時系)
無料メールマガジン会員に登録すると、
続きをお読みいただけます。
無料のメールマガジン会員に登録すると、
すべての記事が制限なく閲覧でき、記事の保存機能などがご利用いただけます。