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やりたいことリストには続きがある―モーガン・フリーマン単独インタビュー
やりたいことリストには続きがある―モーガン・フリーマン単独インタビュー
2016年1月30日より公開となる映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』で、ダイアン・キートンとともに主人公夫婦役を演じたモーガン・フリーマンの単独インタビューがシネマズに到着した。
映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』
モーガン・フリーマン単独インタビュー
映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』は、ロサンゼルス・タイムズ紙から「ほとんど完璧な小説」と評されたジル・シメントのロングセラー小説「眺めのいい部屋売ります」を原作に描く、ニューヨークで1番ホットな場所と言われている、ブルックリンを舞台にしたハートフル・コメディ。モーガン・フリーマンとダイアン・キートンが初共演にして主人公夫婦役を演じる。メガホンをとるのは『ジュリア・幽霊と遊ぶ女』や『リチャード三世』などで数々の映画賞を受賞しているリチャード・ロンクレイン監督。
ハリウッドも新しい観客の存在に注目し始めた
――本作では製作総指揮をつとめられていますが、制作にいたった経緯についてお聞かせください。
どうだったか、詳しくは覚えていないんだが、向こうから話が来たんだ。空から落ちてきたわけではないが、実際どうだったか詳しいことは覚えてない。どこかのエージェンシーが映画化を提案してくれたんだろうね。とにかくそれを見てすぐに、これは僕らにぴったりだと思ったよ。ぜひともうちの会社で手がけたい作品だとね。僕らはいつも作品を探しているから、その中で自分の好きなものに出会えたというわけだ。その後は出資者を探して、やりたいことを伝えればいいんだよ、空飛ぶヒーローではなく老夫婦の物語を作りたいんだとね。
――どうして老夫婦の物語だったのでしょうか?
以前は若い観客が大半だったが今は必ずしもそうではない。団塊の世代が年を取ったからね。それはかなりの数だよ。年寄りが主役の小さな映画でも見る人はいる。ハリウッドも新しい観客の存在に注目し始めた。年寄りの映画を見に来る年配の観客たちだ。
2人が出会った頃からずっと変わってない
――妻役をダイアン・キートンに選ばれた理由は?
僕は昔からダイアン・キートンのファンだったんだ。尊敬する人で、昔から大好きだった人だ。僕の“やりたいことリスト”にも彼女との共演が入っていた。この映画の話が決まった時、リストを見て、この役にはダイアンがぴったりだと思った。それでお願いをしたら、彼女も“イエス”と言ってくれたんだよ。
――これまで面識はありながらも共演は初めてだそうですね。
2008年に僕がブロードウェイの舞台「カントリー・ガール」に出た時に彼女が見に来てくれて、楽屋にも顔を出してくれた。その後 僕から彼女に「一緒に仕事をしよう」と声かけたんだ。映画出演を依頼したのさ。この映画の原作の主人公はユダヤ人の夫婦なんだけど、僕自身が出るために異人種の夫婦にしたんだ。
実を言うと当初僕らはユダヤ人の夫婦を演じるつもりだったんだ。僕がユダヤ人になれるようにちゃんと背景も考えてあった。母親がユダヤ人でない人も改宗すればユダヤ人になれる。彼が改宗して妻の姓を名乗ったとすれば、僕の役名も原作のとおりアレックス・コーエンだ。でも結局それはやめようということになった。
――初共演してみていかがでしたか?
最初から ダイアンと僕、2人の相性はバッチリだった。そこから始まっていい関係はずっと続いたよ。僕自身も俳優だからずっと思っていた、“ダイアンと共演したい、彼女とダンスしたい”とね。今回やっとそれが叶ったわけなんだが、一緒に仕事してみたら実際思い描いていた通りだったよ。最高に楽しかった。それは最初から変わってないよ、2人が出会った頃からずっとね。彼女はこの映画にたくさんのものをもたらしてくれた。
僕の“やりたいことリスト”にはまだ続きがある
――今回演じた画家のアレックスは、どんな役ですか?
僕が演じたアレックスは、当時新進気鋭の若手画家だった。ダイアンが演じたルースはそこに絵のモデルとしてやってきたんだ。ルースは若いころから勇敢で芯の強い女性だった。結婚を反対する自分の家族に立ち向かったんだよ、アレックスと結婚するためにね。そして 本当に結婚し2度と過去を振り返らなかった。アレックスは、アーティストだから、すごく敏感なんだ。自分が評価されていないと感じたら“もうダメだ”となってしまう。それでも長年絵を描き続けられたのは妻の励ましがあったからだろう。
――ご自身と照らしあわせてみていかがですか?
僕とアレックスはまったく畑違いの世界にいるからね。僕自身はショービズの世界にいるから観客を喜ばせるのが仕事だし、人の意見を無視して好き勝手にやるわけにはいかない。アーティストの中でも画家や音楽家もある程度はそうかもしれないが、とにかく 絵やビジュアルを扱うアーティストは客の要求に応えられないと思う。客だって要求のしようがないよ。ゴッホに「星月夜」が売れる」なんて教えられる人はいない、誰にも予期できないからね。思いついたままを描くしかない。彼女が色の配置に口出しするシーンは とても良かったよ。彼女が正しいよ(笑)
――特に印象深いシーンは?
今回はアパートの中でのシーンがほとんどだったが、特に難しいと思うことはなかったよ。実際にはあのアパートの3階で撮影していたんだ、5階ではなくてね。アレックスが犬のドロシーをルースに贈るシーンがあったね。彼女にとってはとても大事な犬なんだ、この夫婦は子供を持てなかったからね。動物病院でのシーンは面白かったよ、アレックスは犬のための高額な手術に乗り気じゃない。それで“蘇生しない”という紙を手にするけれど、妻の反応を見て“何でもしてくれ”と一気に態度を変えるんだ。犬ではなく彼女のためにね。
――最後に今後の展望をお聞かせください。
僕の“やりたいことリスト”にはまだ続きがあって、あと3本ほどプロデュースしたい作品があるんだ。それには僕自身は出演しないで若い人を使うことになると思うが、自分の会社があるから実現は可能だし、するつもりだ。西部劇に戦争映画に宇宙映画だ。
映画『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』は2016年1月30日より、シネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、109シネマズ二子玉川ほか全国順次公開。
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