「試写を観た後に、お互いを褒めあった(笑)」、阿部サダヲインタビュー『殿、利息でござる!』

本日5月14日から公開の『殿、利息でござる!』で主演を務める阿部サダヲさんにインタビューを行いました。インタビューでは、オファーを受けた時の感想や、プレッシャー、また阿部さんが所属する大人計画で掟のようなものがあるかなどの質問をさせていただきました。

阿部サダオ 写真1 20160514

──オファーを受けた時の感想を

阿部サダヲ(以下:阿部)中村義洋監督と『奇跡のリンゴ』を撮り終わったときに、またやりたいと言っていただいていて、嬉しかったです。何年か経ってお声をかけていただいて、今回はどんなお話しなのかと聞いたら時代劇と言われ、馬に乗る役なのかなと思っていたら、馬に乗らない役でいい人で、さらに実話だったから驚きました。原作をうまく膨らませた脚本で、中村監督の脚本力には本当に驚きました。



──豪華キャスティングだったが、プレッシャーはありましたか?

阿部 僕の演じた役十三郎は主役だけど、出ずっぱりというわけではないんです。登場人物のそれぞれが活躍していますし、プレッシャーはなかったです。また演技で引っ張っていく感じでもなく、たくさんの先輩方も出演されていますので、全員にお任せという感じでした。大きい声のきたろうさんたちが羨ましかったです(笑)。



──劇中「つつしみの掟」というのがでてきますが、大人計画の中で「掟」はありますか?

阿部 松尾(スズキ)さんがいっていたのは「頑張りすぎないこと」、どこか脱力して芝居する方がいいということ。それを頭に置いて演じています。ある意味努力を見せないことだと思います。



──十三郎と阿部さんは似ている?

阿部 全然似てないと思います。本当にこんなカッコいい人がいたのかと思いました。同じような生き方はできないけど、違うから演じやすいと思いました。



──撮影を振り返って

阿部 9人の役者が集まり、皆で作ってる感じがしました。全員がすごく良かったんです。1号最初に観る試写では自分の芝居のチェックだけしてることが多いのですが、今回はそんなことがなかった。客観的に見られる映画でした。試写を観た後に、お互いを褒めあったくらいです(笑)。



──羽生くんの演技は?

阿部 上手かったです。所作も綺麗で。向上心のある方で、演技がうまくいかなかったときも、上手くいくまで何度でも「もう一度やらせて下さい!」と言ってやり直す事もありました。



──中村監督の指導や演出は?

阿部 撮影はほとんど順撮りで訴状のシーンから始まりました。目で芝居をするように「生きる」という映画の志村喬のイメージでと言われました。また、もっと目を見開いて欲しいといわれたことも。妻夫木くんが目を動かさない芝居だったので、それと対照的な動きになったと思います。

瑛太君は真面目な演技もできるけど、今回は少し外していたと思います。十三郎と瑛太君の篤平治のズレや真剣すぎてズレていく笑いの部分ができてよかったです。



──原作には笑いの要素がないですね?

阿部 感動の中に笑いを入れるのは大事。原作にはなかったけど、脚本には笑いがあり、より人間らしさがでるようになっていると思います。ポスターも面白いけど、映画の内容はあまりふざけていない。このギャップ感がいいと思う。ちなみに、ポスターの撮影の時「未来を見通すような表情で」といわれ、そんな顔イメージで撮影したのですが、ポスターになるとができたら、ちょんまげが銭になってました。そんな話は聞いていなかったのですが(笑)。



──貧乏な生活をされたことは?

阿部 お金がなかったことはあったけど、貧乏と感じたことはありませんでした。人のお金でのんだこともありました(笑)。今より仕事もなかったですが、特に苦労もなかったように思います。劇団に入ってからすぐに公演があり、それからは公演の連続で次は何をやろうかという感じでした。だから辛いとか考える時間が無かったのが良かったのかもしれません。



──最後に撮影時で思い出に残っていることは?

阿部 毎日のように殿様役は誰か?と考えていたことですね。正解かどうか監督にお伺いをたてていたのはきたろうさんでした。きたろうさんの予想の中には羽生君もあったのですが、監督の演技がうまく、見事に騙されましたね(笑)。

阿部サダオ 写真2 20160514

インタビュー後記

腰が低くて、誰にでも優しそうでシャイそうなイメージでしたが、実際お話をお伺いするととてもよく話してくださり、とてもいいインタビューとなりました。

また劇中水浴びをするシーンがあるのですが、そのシーンのために断食を決行されたとか。しかし短いシーンになってしまったので少し残念だそうです。阿部さんの努力の結果割れた腹筋がチラ見できるチャンスですので、ぜひ注目を。

『殿、利息でござる!』は本日5月14日から全国公開です。

(取材・文:波江智

    ライタープロフィール

    波江智

    1978年生まれ。映画ライター。シネマトゥデイややcinema Ala Carteなどに寄稿。ジョージ・ルーカスとガイ・リッチーを敬愛。ベストムービーは『ロックストック&トゥースモーキングバレルズ」。

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