丸の内朝大学『「今、幸せかい。」 寅さんに学ぶ、幸せな生き方』レポート(第3回)
今回のテーマは、ずばり寅さんの“ファッション”。女性ファッション誌「DOMANI」の編集長井亀真紀さんをゲストにお迎えし、講師の鈴木敏夫さんとともにいろんな話が飛び出しました。
井亀編集長はこの夏、「DOMANI」(9月号)で1冊まるごと寅さん特集を企画された仕掛け人。その名も、「いつも心に寅さんを」というタイトルで、モデルの知花くららさんが寅さんファッションに身を包み表紙を飾ったことで話題になりました。
ご覧になった方もいるかもしれません。30代の働く女性のためのファッション誌がなぜ、フーテンの寅さん?!と驚かれた方もいるでしょう。その辺りを、いろいろと伺いました。
今日は、教室も丸の内にあるCAFE GARBというレストラン。生徒のみなさんも、心持ちおしゃれだったような?華やかな雰囲気でスタートしました。寅さんなら、恥ずかしくて照れてしまいそうです(笑)
寅さんといえば、トレードマークの帽子に腹まき、サックスブルーのダボシャツにベージュのジャケットを羽織り、冬でも雪駄。小物といえば、トランクに首から下げたお守り、時計、指輪が一つ。年がら年中、シリーズを通してほぼ同じ格好。
そんな寅さんから、ファッション誌が特集を組もうと思っていきさつは?という質問から授業は開始したのです。
(以下敬称略)
井亀:寅さんの服装って、実はシンプルでトラッドでとても格好がいいんでよ。たとえば、色。ベージュにブルーの組み合わせは、イタリアでは“マローネ・アズーロ(栗とブルーの意味)”といって、伊達男の定番です。
寅さんが来ているブルーのシャツも、もともと下着ですよね。実は、Tシャツももとはと言えば、肌着。究極のぬけと、風通しの良さがある、これって寅さんらしい格好の良さですよね。はい。日本の足袋も、海外でクールだと言われてます。ステテコも流行ってますよね。いろんなデザインのものがでていますし、観点をかえると、(ファッションも)見え方が変わります。
鈴木:なるほど。実は、(寅さんを演じた)渥美清さんは、ジャケットを肩にかけたり、襟元をちょっとたてたり、帽子をどう被るかなど、最後に鏡を見てすべてご自身で決めていました。そこは、渥美さんが(寅さんのスタイルを)決めていらっしゃったんです。
井亀:私の好きな言葉に、4代目チェスターフィールド伯爵の「一旦服を着たら、その後は服のことは忘れることだ。」という言葉があります。渥美さんも、直前まではどんな風に着こなすかをチェックして、役になるともう服のことは忘れて演じられていたんではないでしょうか。服と寅次郎の境界線がない、これって究極のファッションだと思います。
映像を交えながら、寅さんのファッションについて様々な視点からお話しを頂けた授業となりました。
最後の井亀編集長のコメントで授業が締めくくられました。
井亀:究極的には気持ちよくいられる自分のスタイルをもっている人が一番格好いい。だから、寅さんは格好いい!
自分のスタイルを見つける。シンプルだけど非常に難しい。
寅さんはそれが確立されているから、今でも『粋』だと思われるのかもしれないですね。
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