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2014年08月22日

原作 角田光代氏の大絶賛に宮沢りえも思わず「やったー♪」映画『紙の月』完成報告会見レポート!

原作 角田光代氏の大絶賛に宮沢りえも思わず「やったー♪」映画『紙の月』完成報告会見レポート!

映画『紙の月』公式サイト
本作は、2011年に映画化され絶賛を浴びた『八日目の蝉』をはじめ、女性層に抜群の信頼と人気を誇る直木賞作家 角田光代さんのベストセラー長編小説「紙の月」を原作に、昨年日本アカデミー最優秀作品賞ほか各賞を受賞した傑作『桐島、部活やめるってよ』を世に送り出した吉田大八監督がメガホンを取り“満を持して”の映画化!

ご登壇の皆さまからご挨拶


銀行で働く平凡な主婦から横領犯へと変貌していく、衝撃的な主人公 梅澤梨花 役
宮沢りえさん


紙の月


宮沢さん「こんにちは♪皆さま、今日はお集まり頂きましてありがとうございます。さっき、私もパンフレットを見させて頂いて、改めて(映画の主演は)7年ぶりだったんだなぁ…という驚きがあります。今回、その7年間の間にフツフツと溜めておいたものを本当に“出しきった”という感じがあります。」

「今までに演じたことのない役ですし、とても戸惑いもあったんですけど、吉田大八監督のリードによって梨花という役の輪郭がハッキリとしていく撮影現場で…楽しい!というだけの現場では無かったですけど、すごく濃密な撮影でした。」

梨花の先輩社員で、次第に梨花を追い詰めていく厳格な事務員 隅より子 役
小林聡美さん


紙の月

小林さん「私と宮沢さん、ふたりともキャリアは相当なトコロまで来てしまったんですが(笑)今回初めて共演させて頂いて、とても刺激的な楽しい現場でした。」
「今回ステキな原作とともに、吉田大八監督、ステキなキャストの方たちと一緒に、緊張感ありながら楽しく演じることが出来ました。ぜひ、たくさんの方に観ていただきたいと思います♪」

梨花の同僚で、したたかな銀行の窓口係 相川恵子 役
大島優子さん


紙の月

大島さん「こんばんわ♪相川を演じました大島優子です。今回は、先輩方のお芝居を間近で見ることができて、その空気とか、芝居への取り組み方・姿勢なども勉強させていただきました。」
「私もその空気に感化されるように、監督に言われたことを受けとめて「繊細にやってみよう!」と思って、緊張しつつ…つねに自分を“緊張させながら”お芝居させて頂きました。」


「(原作にはいない)オリジナルキャラクターとして監督が創られた相川という役にキャスティングして頂いた事をとても嬉しく思っていますし、その役が、宮沢さん演じる梅澤梨花を“どう左右していくか”というところをポイントとして、観ていただけたら嬉しいです♪」

本作原作者 角田光代さん


角田さん「はじめまして、角田です。映画に関しては私は何もしてないので…今日ここに居るのが申し訳ないんですけど(笑)」「こんなに素晴らしい映画にして頂いて、私が一番嬉しいと思います。ぜひご覧になってください。」

本作メガホンをとられました 吉田大八監督


吉田監督「こんばんは、監督の吉田大八です。これから、この映画を一人でも多くの方に観て頂けるように、よろしくお願いいたします!」

紙の月


登壇者の皆さまに質問


宮沢りえさんへの質問
7年ぶりの映画主演で、ふつうの主婦が“横領犯”になるという、とてもセンセーショナルな役でしたが、オファーがあった時には、どう思われましたか?


紙の月

宮沢さん「そうですね…7年間サボっていたわけではなくて(笑)舞台を中心に仕事をしていんです。」
「私はいつもタイミングって大事だな、って思っているんです。今回「そろそろ映画やりたいな…」って心のなかで思いながら過ごしている時に、この話を頂いて。」


「台本を読ませて頂いて、衝撃的なシーンもありますし、やっぱり自分が演じたことのない役という事もあって、すぐ「やる!」って気持ちにはなれなくて始めるのに“ちょっと”時間がかかったんです。」「でも、吉田大八監督と仕事がしてみたい!という思いと、見たことがない自分に出会いたい!という思いで、この役を受けさせて頂きました。」
「案の定、画面には“本当に見たことがない”自分の姿があって(笑)…衝撃的でしたね!」

小林聡美さんへの質問
梨花とは対照的に、とっても厳格でストイックな先輩社員の役どころでしたが、どんなところを意識して演じられましたか?


紙の月

小林さん「そうですね・・・わたし普段は“親しみやすい”庶民的なキャラクターなので(笑)」
「はじめに台本を読んだときは、勤続20年以上のキャリアを持つ仕事のできる銀行員という事で、本当に厳格な“大局”というイメージで。ちょっと取っつきにくい人に見えるように、(自分の)親しみやすさがパッと見で感じられないように“恐い”感じでやってみたんですけど…想像以上に恐くなってしまって(笑)」
「自分で見ても恐かったです、ハイ!」

大島さん「恐かったです(笑)!」

大島さんへの質問
吉田大八監督のもと、大先輩である宮沢さん・小林さんと一緒の現場は如何でしたか?


紙の月

大島さん「今回一つ一つのシーンを創っていくのを間近で見ることが出来て。(自分と同じように)宮沢さん、小林さんも監督から的確なコメントをもらって、その言葉を聞いて、それを体に一度入れて、ちょっと自分で噛み砕いて、それを次のテイクでまた演じる…お二人も、そうされている姿を見る事が出来ました。」
「それを見て「あ!こんな大先輩でも、自分の中で考えて、調理して、そして提出するんだな!」って知る事ができて…すごく良い経験になりましたし、これからも私自身こうやっていこうと思いました。」


「それを、わざわざ隠したりせず、素直に見せてもいいんだって…私の言ってること分かりますかね(笑)?!」
吉田監督「よく分かりますよ。」
大島さん「それを間近で見れて、とても光栄に思いました♪」

角田さんへの質問
自身の小説が映画になった気持ち、映画をご覧になった感想を教えてください。


角田さん「映画になるのは、いつも嬉しいですね。今回もとても嬉しかったんですけど、実際に映画を見せて頂いて、本当に“ものすごい映画”なんです!本当にビックリして度肝を抜かれるというか…素晴らしい♪」

「小説は、どうしても“言い訳”を書いてしまいがちなんですが、この映画には“言い訳”や“個人の正義”というものが、まったく入っていないんです。それを入れずに作品を創りあげた事が、まず素晴らしいと思います。」
「そして、観た後とても爽快な気分になる、何一つ“良いこと”は起きてないんですが(笑)観終わった後、そんな非常に不思議な感想を持ちました。」


「本当に観て欲しいです…私には、とても“書けない”ですね!」(会場の記者からも「オォッ!」とどよめきが!)
宮沢さん「書いてください(笑)♪」

吉田大八監督への質問
原作にはない映画オリジナルのキャラクターを登場させるなど、大胆に原作を脚色されていますが、映画化にあたり、どのような思いで望まれましたか?


吉田監督「ハイ。角田さんは「書けない!」って仰ってましたが、原作を読んで、僕はすごく世の中の色々のモノに“キバを剥いている”…挑戦している作品だと思いました。」

「その読後感を映画で表現しようと思った時に、映画でも色々挑戦しなければと思ったし、原作に対しても挑戦する姿勢を見せなければ失礼になると思ったんです!」
「それを映画の表現として色々考えていった時に、小説にはいない登場人物…隅より子や相川恵子が、その答えとして自然に出てきた感じでした。」

記者からの登壇者への質問


宮沢さんへの質問
「描写が非常にリアルで、一歩間違えると自分も梨花のようになってしまうのでは…という気持ちを抱きましたが、宮沢さんがこの役に共感できる部分や、思いを教えてください。」


紙の月

宮沢さん「(梨花に)共感できちゃうと、ココにはいられない気もするんですが(笑)」

「そうですね…ある事を“キッカケ”に何かが大きく動き出すという事は、誰にでもある事ですよね。梨花にとっては、それが(平林との)不倫だった。」「梨花は“狂気”というタンクをドンドン満タンにしながら、悪に手を染めているのに、その手が“まっ黒”じゃないっていうのが…自分でも映画を観てすごく不思議でした。」

「共感できると言ったら…到達点を脇目に見ながら、それでもまだまだ進もうとする生命力…と言ったらおかしいかもしれないけど(笑)。彼女の生きる事、進む事への貪欲さは、もしかしたら自分の中にもある気がします!」

宮沢さん、小林さんへの質問
「映画のクライマックス、二人が対峙して言葉を応酬するシーンがありますが、そのシーンに挑んだ気持ちを教えてください。」


紙の月

宮沢さん「先輩からどうぞ♪」
小林さん「(笑)そーですね…やっぱり自分の中でも、あのシーンは他とは違う、さらに緊張感が強まるシーンでした。」「(撮影前から)なんとなく、いつも気になっていて、現場のスタッフ全員が、そういう私たちの気持ちを感じていてくれて静かに現場の雰囲気を作ってくださったんです。」

「このシーンは、二人が“戦っている”ように見えるんですが、その中でも共感しあう部分…それは、私と宮沢さんも、それぞれの想いを持ちながら、それぞれ違うところで芝居を続けてきて…役柄ではなく自分達自身も感じるところがあったんです。」
「そういう意味では、役以上に宮沢さんと心が通じあって、お芝居できたシーンじゃないかな、と思います。」


宮沢さん「今回の撮影は完全な順撮りではなかったんですが、あのシーンは最後の方に撮って頂いたんです。自分の気持も“悪”や色々なものが監督の手によって(笑)ドンドン培養されて膨らんでいる、本当にピークの時でした。」
「とてつもない緊張感ではあったんですけど、そのことに恐怖を感じたりはしなかった…それはきっと(撮影期間中)ずっと私の中に梨花がこびり着いていたんで、あのシーンだけ特別っていう事は無かったんです。」

「私は聡美さんのファンなので、いつかご一緒したいとは思ってたんですが「あぁ…もっと穏やかなシーンで共演したかったなぁ」って(笑)ちょっと愚痴を言ったりはしましたけど、あのシーンは、お互い興奮もマックスでいながら、静かなエネルギーも出しあう…そんな素晴らしい時間でした。」

大島さんへの質問
「吉田監督の現場、演出はいかがでしたか?」


紙の月

大島さん「本当に“繊細”だと思いました♪」
「目線や姿勢、手の動作ひとつにしても…そのひとつ々を伝えに来てくださるんです。監督はモニターからトトトッと走ってきて、普通の声よりも小さくボソボソッっとしゃべるんですけど、それが、言葉がスッと入ってきて心にトーンって落ちるんですよね。」
「その加減を意図してやっているのか、それとも本能的にやっているのか…ズルい男性だな!って思いながら(笑)♪」


「監督のスタイルが繊細だからこそ創りあげた映像にも繊細さが現れている、この『紙の月』をご覧いただければ、それがよく分かると思います。」

吉田監督への質問
「今回、宮沢さん・小林さん・大島さん、豪華な三人の女性を演出されて如何でしたか?」


紙の月


吉田監督「宮沢さんと小林さんが初共演だということは、僕もキャスティングが決まってから聞いて、すごく意外でした!なんで今まで無かったんだろう…っていう。」

「宮沢さん・小林さんがいて、そこに大島さんまでいる…これは、ちょっと褒めて欲しいな(笑)!」(会場も大笑い)
「これを実現しただけで、僕の仕事は相当果たしたんじゃないかと。現場で、この三人がいいるのを見て「オレけっこう凄い事したよな!」って自己満足していたのを憶えていますね、ハイ(笑)」

原作者 角田さんへの質問
「原作とは少し違う主人公 梨花を演じた宮沢さんの印象は?」


紙の月

角田さん「すごい迫力で…恐かったですね!」「どんどん悪くなっていく(笑)のに比例して、すごく透明な美しさが出てきて…本当に恐かったです。」
「素晴らしかったですね♪」


宮沢さん「正直「やったーッ♪」って気分です。」


日本映画界最高峰のコラボレーションで仕掛けるノンストップ・サスペンス映画『紙の月』は11月15日(土)全国ロードショー!

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