漫画原作の実写映画化に見事成功した 『バクマン。』


見逃し厳禁の
エンド・タイトルの見事な仕掛け


漫画家という仕事を実際に画にしていく上で、動きの少なさなども含めて映画の題材になりえないのではないかといった危惧も鑑賞前にはありましたが、大根仁監督はそのあたりのこともきちんと計算ずくのようで、CGやアニメを効果的に用いながら、エンタテインメントとしての見せ場たる漫画執筆シーンの数々を見事に具現化しているのも見逃せないところです。

漫画やアニメの実写化は、何よりも原作に対するリスペクトなり批評精神なりの想いをもって取り組むことが肝要ですが、そこにどれだけ作り手の意思を盛り込むのかもキモになっていて、そこを勘違いしたり慢心したりすると原作ファンからそっぽを向かれることになります。
バクマン。 映画 実写


その点、今回の大根仁監督は原作に対するリスペクトを基軸に、いかに映画的な面白さへ転換させるかを慎重に腐心していますので、少なくとも原作ファンの想いを踏みにじるような行為など微塵もなく、映画ファンも納得できる青春映画としても屹立させています。

サカナクションによる音楽も従来の日本映画とは一味違う効果を醸し出しており、また特筆すべきは彼らの主題歌が流れるエンド・タイトルの画面!

ぼーっとしてると見逃しかねないくらい自然に、その実なんともいえないほどにとてつもない行為をやらかしています!

エンドタイトルを見ないで途中で退席する観客は今も多いですが、これに関しては最後の最後までちゃんと凝視しておかないと、入場料のもとをすべてとれたとは言えないほどに優れた仕上がりとなっています。
バクマン。 映画 実写


個人的には、今年でいうと『暗殺教室』『ピース・オブ・ケイク』『合葬』『先輩と彼女』などと並ぶ、よくできた漫画原作の実写映画でした。

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(文:増當竜也)

『バクマン。』
公式サイト http://bakuman-movie.com/
https://www.youtube.com/watch?t=17&v=aSAlJQvfNs0
(C)2015 映画「バクマン。」製作委員会

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