あと20年はホラーをやりたい―映画『劇場霊』ティーチインイベントレポ
MC:
最初は「潜む何者か…」って感じで本が作られていましたよね。
三宅:
劇場が怖いという時に、人形のところまでにいくのは、若干時間がかかりました。
MC:
人形が襲ってくる設定を作ったあとの方向性は、三宅さんから「ちょうだい」というキーワードが出て、みんなで「これだ!」となりましたね。
三宅:
そうでしたね。スピーディーな展開、いい意味で“80年代のアメリカ映画”のような展開をやりましょうというコンセンサスがとれてたわけですけど、何かひとつ端的に言い表せるものが欲しかった。「ちょうだい」を発見するプロセスは実にシンプルで、元になった人物が、可哀想なくらい真面目な子で、彼女はとある理由で自分がしっかりしないといけない状況になり、自分をおさえて我慢していく人になったんだろうと。本当は「ちょうだい」って一言が言えたらどんなに楽だったのかと、そこからでしたね。
島崎遥香は“ネコ科の目”
ティーチイン中盤では、主演の島崎遥香さんについて、オーディションで選ばれた理由などが監督の口から語られました。
監督:
AKBグループ全体の300人からオーディションをして、これは本当にやったことなんですね。2次選考では、テレビによく出ている人もいました。
MC:
2次選考が30人でした。
監督:
その中で、4,5人はお芝居で選ぶならこの人っていうのはいたんです。ただし『劇場霊』には、若い女の子が女優として頑張っていくとうバックストーリーがあって、演技力だけで選んでいいのかという疑問があった。それで、直感に頼って選びました。島崎さんは自信なさげに不安げにいたんですが、話を聞くと本人はすごくやる気があるっていうのが分かってきて、そこが水樹沙羅という役に重なるところがあった。ただ正直、最初やってもらった時は、演技はまだまだだなと思ってました。
MC:
本人も選ばれると思ってなかったと言ってましたね。
(C)2015『劇場霊』製作委員会
監督:
「私でいいんでしょうか?」と自信なさげで、だけど演じてみたいという欲求は強くある。僕は彼女の目を「ネコ科の目」と呼んでいて、猫のような目。ただ、それが例えばラストのカットでは、ネコ科でも虎になってキリッと変化する。ホラー映画ってこの世のならざるものを相手にするので、叫ばなければならないシーンで彼女が適役だろうなと思った。もちろん、彼女の目だけで選んだわけじゃないし、僕の一存だけで決めたわけじゃないです。
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