女装対決!あなたはどちらが好み?『トッツィー』VS『ミセス・ダウト』
シネマズ公式ライターの田下愛です。
さて、今回は、ハリウッドを代表する名優二人が女装に挑んだ2本をご紹介したいと思います。
1本は、ダスティン・ホフマン主演の『トッツィー』、対するもう1本はロビン・ウィリアムズ主演の『ミセス・ダウト』。この2本に登場した華麗なる女性(?)のプロフィールとともに作品を振り返ってみたいと思います。
型にはまらない女優ドロシーにスカッとする快作『トッツィー』
アカデミー賞主演男優賞に二度輝いた名優・ダスティン・ホフマンがまさかの女装で世間をびっくりさせた快作。それが『トッツィー』です。
主人公マイケル・ドーシーは、芝居への情熱が人一倍強いがゆえに、演出家と喧嘩をするなどトラブル続きで開店休業状態。そんな中、教え子のサンディが落ちてしまったドラマのオーディションにみずから女装して挑む賭けに出て、見事合格します。
いざドラマの収録が始まると、ドロシーはその型にはまらない演技で一躍人気者になり、共演女優たちからも慕われるようになります。ただ、問題は、彼が共演者の一人・ジュリーに恋してしまったこと。
ジュリーと親友付き合いを続けながらも、彼女に惹かれる気持ちを抑えられないドロシーことマイケル。そこへ、ドロシーに想いを寄せる男性も現れて、ますます厄介な展開に――
筆者はこの作品でダスティン・ホフマンのファンになりました。彼が女装したドロシー・マイケルズがとにかく魅力的。ドラマのセリフに納得がいかなければ、平気でアドリブを連発し、「かわい子ちゃん」呼ばわりする男に、「私の名前はドロシー。かわい子ちゃんじゃない」とぴしゃりと一括。男性の言いなりになることを嫌い、自分を貫いていく彼女の力強さが本当にスカッとします。
マイケルとジュリーの恋を描くラブ・コメディであると同時に、女性たちに「自分らしく輝いて!」と応援賛歌を贈っているような作品。強くてかっこいいドロシーを生き生きと演じるダスティン・ホフマンの演技には脱帽の一言です。
【『トッツィー』出演 ドロシー・マイケルズのプロフィール】
職業:女優
中の人:マイケル・ドーシー(才能はあるが喧嘩っ早い役者)
女装をした理由:舞台公演の資金を得るため
女装をしてよかったこと:ドラマに出演 演技が評価され、スターに
女装して悪かったこと:まさかのモテ期到来(複数の男性から言い寄られる) 好きな彼女と女同士の親友になってしまう
家族のために奮闘するミセス・ダウトファイアの愛情がこもった良作『ミセス・ダウト』
2014年にこの世を去ったロビン・ウィリアムズ。コメディもシリアスな作品もこなしたかの名優のコメディ代表作がこの『ミセス・ダウト』です。
売れない役者のダニエルは、人一倍子煩悩のやさしい父親。しかし、きちんとした稼ぎもなく、子供たちと羽目をはずして遊んでいる彼に、妻のミランダは我慢できなくなり、離婚を言い渡します。
子供たちと離れることに耐えられないダニエルは、ミランダが家政婦を探していると知り、兄に特殊メイクを施してもらい、大柄な老婦人・ミセス・ダウトファイアに変身。ヒラード家のお手伝いさんとして働くことになります。
お料理やお掃除に苦戦しながらも、ミセス・ダウトファイアことダニエルは、家政婦として奮闘し、その甲斐あってミランダからも信頼を得ることに。しかし、ミランダがイケメンのスチューと親しくする場面を目にするようになり、なんとも面白くなく――
公開された当時、『トッツィー』の二番煎じではとあちこちでいわれたこの作品ですが、『トッツィー』とはまったく違う感動がある物語。
一度はこじれてまったダニエルとミランダの間に新たな存在、ミセス・ダウトファイア(ダニエル本人ではありますが)がやってくることで、二人は改めて家族の大切さに気づいていきます。親子の愛情や絆をまっすぐていねいに描いたハートウォーミングな作品です。
ロビン・ウィリアムズの演技はいつ見ても本当に秀逸。ちょっとした仕草やなにげない表情一つでも、とても繊細に丹念に演じていて、父親ダニエル&家政婦ミセス・ダウトファイアという二つの顔を行き来しつつも、変わらない家族への愛情が彼及び彼女のまなざしから伝わってきます。
【『ミセス・ダウト』出演 ミセス・ダウトファイアのプロフィール】
職業:家政婦
中の人:ダニエル・ヒラード(才能はあるが、生活力に欠ける役者)
女装した理由:離婚で引き離された家族に会うため
女装をしてよかったこと:家族とふれあう時間が増えた 料理・家事全般の腕が著しく向上
女装して悪かったこと:妻と別の男性の親密さを間近で見せつけられることに
女優のドロシー・マイケルズと家政婦のミセス・ダウトファイア。タイプは違えど、二人とも強くてやさしくて愛情にあふれた、とても素敵な女性(?)たちです。
どちらが好みのタイプかは、やはり人によって違うと思いますので、ぜひ映画を見て、自身の目で彼女たちの魅力を確かめてほしいと思います。
(文:田下愛)
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