インタビュー

2016年03月22日

アカデミー主演女優賞受賞『ルーム』ブリー・ラーソン来日会見レポート、ジェイコブくんは愛嬌と小生意気さで記者たちを魅了

アカデミー主演女優賞受賞『ルーム』ブリー・ラーソン来日会見レポート、ジェイコブくんは愛嬌と小生意気さで記者たちを魅了

『ルーム』の来日会見が22日、都内で行われ今年度アカデミー主演女優賞に輝いたブリー・ラーソンとジェイコブ・トレンブレイが登壇し、世界で評価されている理由やジェイコブの映画の感想などを語った。

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まずブリーは「おはようございます」とぎこちなく日本語で。「おこしくださりありがとう。ルームの話をするのを楽しみにしている」と英語であいさつ。ジェイコブは「ここにきてみなさんにルームについて話すのが楽しみ。ブリーと僕でできるだけたくさんの質問に答えるよ」と小生意気な感じであいさつした。

世界で評価されてる理由を問われ、ブリーは「物語がいままでなんども語られてきたいかに人が成長してきたか、小さな世界を余すことなく生きて行くことを描いてるからだと思う。この作品は私たちの人生でも起こりえること。だからこそ心を動かされる、感動する愛が描かれているからではないか」と答えた。
ジェイコブは映画を見た感想を聞かれ「映画終わってすごくよかったよ。自分からするとカメラが何を撮っているか分からなかった。いろんなテイクを取るわけだけど、監督しかカメラの撮ったものは見てなくて、監督がベストのものを見て決めている。僕は自分の目でしか見てないのでいろいろなアングルや音楽がついた映像を見られたのはクールな体験だった」と元気よく答えた。

キャリアを早く始めたことについて聞かれると「演技を始めようと思ったのは私の選択。演技への情熱があったからこそ演技をしていた。小さい頃から演技が人のもつ感情の色彩を表現できることを知っていた」とブリー。さらに「ジェイコブもクリエイティブな力を持っってる役者だと感じた。自分の表現力を皆で支えなければと考えていた。彼の子役として求められているものを仕立てあげるのではなく、彼自身の力を発揮できるようサポートした」とジェイコブを賞賛しつつ彼を支えていたことを説明。

ジェイコブは「早くはじめて助けになったといえばいえるんだけど、僕はまだ8歳で、3歳若い5歳の役を演じる助けになってないともいえる。助けになったと思うのはハッピーな映画、ホラー映画などあるけど、全部足すとジャック役の演技になるのかなと思う」とどちらともいえない様子。ブリーは先ほどの言葉通り、ジェイコブの発言中にマイクを直すなどのサポートを実施。

監禁されていた母親という難しい役を演じたブリー。役作りについて「今回演じたままの側面は自分自身となぞられない部分があった。そのため8ヶ月準備期間を設けた。彼女の肉体精神がどんな影響を与えることを考え、性的虐待を受けていたことなど真実に向き合い真摯に向き合う必要があると思った。サバイバーや親である方に当たる演技なのでそういう方々のリスペクトがあれば嬉しい」と準備期間を長くかけたことを話す。
一方ジェイコブはというと「一番大変だったのは、5歳になること。撮影当時僕は8歳だった。3歳も若返るなんて難しいよ。もっとアクティブじゃないといけないし」と3歳若返ることの難しさを話した。

今回が初来日となる2人。ジェイコブは朝から釣りにいくなどして楽しんだ様子。日本に来るのが夢だと語るブリーは「心の中で桜の時期にあえばいいなと思っていたら、ちょうど桜の開花宣言がされてマジカルと思った」と嬉しそう。さらに「ショッピングやいろいろ体験したい。綺麗だなと思っていたら、今朝テレビで桜も入った花束をいただいた。桜をテーマにした飲み物をチェックしたい」と桜が好きな様子。

またInstagramで星野源の曲を使い写真を投稿していたジェイコブは「日本の曲を知ろうと思い、お母さんから何曲か選んでもらい、星野源が好きかなと思った。飛行機の中でもずっと聞いていた」と星野源が気に入った模様。

アカデミー授賞式の様子を聞かれると「受賞瞬間はほんとにシュールな体験だった。頭の中が真っ白になり階段をあがったことやスピーチも覚えてない。でも公の場でそこまでたどりついたことに感謝を述べられたりしてよかった。またビデオでそのシーンを見たい。ちなみにオスカーさんは受賞してからすぐに『キングコング』の撮影でベトナムにいっていたので私の帰りを待っている」と授賞式のときのことやオスカー像の現在地を語った。

ジェイコブは「オスカーにいったことはX-BOXで遊ぶより楽しい。ゲームは座って集中しなければいけないけど、オスカーは座って話を聞くことに集中しなければならない。ブリーの受賞した瞬間は僕も大好き」とブリーの受賞を気に入ってる様子。

ラストシーンについては「すごくいいアイデアだったと思うあのシーンを見て皆泣いたと思う。僕のお母さんも泣いていた。監督の再現はクールで賢いと思う。最後のシーンも受賞に価するシーンだと思う」とジェイコブは小生意気な感じで答えた。

ブリーは「このルームが特別なのは、自分の実際の人生とは懸け離れた物語が展開してオブザーバーのように見ていくんだと思う。見ていくと私たちの人生と近いと思っていくことが特別な映画だと思う。ルーム内のいろいろなものにハローといって始まり、最後にグッバイといって終わる。彼らがいってるバイバイは新しい人生の始まりだと思うこのサイクルが気に入ってる面だと思う」と最後の演出について語った。

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ブリーは華やかなワンピースで会見を魅了し、ジェイコブは年相応の子供らしさで動き回り、話し方もシュールでとてもユニーク、そして生意気なところも可愛らしく、彼が何かするたびに会場から笑いがあがる楽しげな記者会となった。

『ルーム』は4月8日から全国公開。

(取材・文:波江智)

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