インタビュー

2016年03月25日

『ズートピア』監督が語った、この世界観を思いついた「きっかけ」とは?

『ズートピア』監督が語った、この世界観を思いついた「きっかけ」とは?

4月23日(土)に全国公開されるアニメーション映画『ズートピア』の来日記者会見が行われました。



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『ズートピア』は批評サイトRotten Tomatoesで99%を記録する超高評価。全米では3週連続1位を記録する大ヒット。評価面でも興行面でも『アナと雪の女王』を超えるほどの作品となっています。

記者は一足先に本作観賞させていただいたのですが、これがもう2015年ベストどころか、オールタイム(生涯)ベスト級の大傑作でした! とくに “差別に根付いている問題”を描ききった作品としては完璧である、と思えたほどです。

ここでは、本作の監督であるパイロン・ハワード氏とリッチ・ムーア氏、そしてプロデューサーであるクラーク・スペンサー氏によるトークの模様をお届けします。なお、以下のインタビューにはネタバレはいっさいないので、安心してお読みください。

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水飲み場を見て思いついた“共存ができる世界”


——『ズートピア』の作品を手がけたきっかけを教えてください。

パイロン・ハワード氏(以下、バイロン) 5年前に『塔の上のラプンツェル』という作品を仕上げた後、ジョン・ラセターに「言葉を話す、2本足で歩く動物が出てくる映画を作りたい」と申し出たんです。そのとき、ジョンは「ディズニーでは、長い間そうした“動物もの”はなかったんだよ!素晴らしい案だ!」と大興奮して、僕を抱きしめるどころか両手で持ち上げてくれたんです(笑)。ジョンはそれくらい力持ちなんですよ。

——『ズートピア』の世界はさまざまな動物がいっしょに暮らすことができる、誰もが夢を叶えられる、とてもユニークな場所になっています。この世界は、どのようにして思いつかれたのでしょうか。

バイロン 私たちはフロリダのディズニー・アニマルキングダムへ出かけるなどして、1年以上かけて動物の調査を行いました。ケニアに訪問したときは、水飲み場でライオンとガゼルとシマウマがそばにいて、いっしょ水を飲んでいるという光景を目の当たりにしました。“捕食する側”と“捕食される側”が共存できる社会がそこにあったんです。そこから、“意見が合わなかったとしても、いっしょにいることができる世界とはどういうものか”と考えて、この『ズートピア』の世界が出来上がりました。

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——ネズミがとても小さかったり、ライオンが大きかったりなど、動物たちが実際の縮尺そのままであることに驚きました。なぜこのような描きかたになったのでしょうか。

リッチ・ムーア氏(以下、リッチ) この映画に出てくる動物を“人間のコスチュームを被ったようなもの”にはしたくなかったんです。そこで、私たちは小さい動物、大きな動物、それぞれの見た目やしぐさのひとつひとつを丁寧に創っていくことにこだわりました。
『ズートピア』は、“まるで人間のような感情を持つ動物”と、“自然界のありのままの動物の姿”というふたつを描いているという意味でも、とても野心的な作品であると思います。

03



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