映画コラム
ワンダーウーマンに続け! 続々と公開されるアメコミ映画音楽の重要性!
ワンダーウーマンに続け! 続々と公開されるアメコミ映画音楽の重要性!
みなさん、こんにちは。
『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』の興奮冷めやらぬ中、今年の話題作の一本でもある『シビル・ウォー:キャプテン・アメリカ』の公開が先週より始まりました。
「今年アメコミ映画の公開多くない?」と思ったあなた。その通りです。
今年は近年まれにみるほどのアメコミ映画イヤー。そしてヒーロー映画には血沸き肉躍るような音楽も必要不可欠だということが、今回ワンダーウーマンの登場曲ではっきりしたのではないでしょうか。
と、いうことで。今回の「映画音楽の世界」では、今年これから公開されるアメコミ映画の音楽について、現時点で判明している情報をご紹介したいと思います。
ライアン・レイノルズ主演『デッドプール』
公開を6月に控え、次に映画ファンが大きな注目を向けているのが『デッドプール』ではないでしょうか。
無責任ヒーローという型破りなキャラクター、R15指定を受けるような過激な描写で既にアメリカでは3億ドルを超える大ヒットという、まさにイベントムービーの状況に。
そんな作品の音楽を担当しているのが、『マッド・マックス 怒りのデス・ロード』『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』のジャンキーXLとくれば、期待も大きくなってしまうもの。さらには通常のサウンドトラック盤に加え、『DEADPOOL RELOADED』と題されたサントラ第二集の発売が発表され、この時点で既に本作の音楽が存分に盛り上がるものという証明になっているのではないでしょうか。
公開まで待ち切れない! という方には、既に輸入盤ではサントラ盤が発売されているので(第二集は間もなく)そちらをチェックされてみては。
ジェームズ・マカヴォイ主演『X-MEN:アポカリプス』
ブライアン・シンガー監督がシリーズ復帰を果たしたと同時に作曲担当に戻ってきたのがジョン・オットマン。シンガー監督の盟友でもあるオットマンは実は今までのシリーズ担当作と同様に、今作でも作曲だけにとどまらず本編の編集まで担当しています。映像、ストーリーのテンポをオットマン自身が司っているので、それに合わせてベストの作曲が出来るという、まさに才人。
今作ではX-メン最大の敵であるミュータント、アポカリプスが登場し、災害シーンにより重きを置いた作品になっているということで、ヒーロー映画でもあり、よりサスペンスフルな音楽を聴かせてくれるのではないでしょうか。日本では8月公開予定。
ウィル・スミス主演『スーサイド・スクワッド』
DCコミックスのヴィラン集合映画である『スーサイド・スクワッド』の音楽を担当するのは『ゼロ・グラビティ』でアカデミー作曲賞を受賞したスティーブン・プライス。もうこれだけで強力な援軍ですね。
監督のデヴィッド・エアーとは前作『フューリー』に続いてのタッグ。悪役キャラたちが活き活きとした活躍を見せ、一方でジャレッド・レト演じるジョーカーの見せる不穏な動き、そしてあのヒーローも参戦と、これもまた新しいアメコミ映画の形を見せてくれそうな大作に仕上がりそうです。
そんな作品でプライスがどういった音楽を充てるのか。『ゼロ・グラビティ』では受賞も納得の電子サウンドとオーケストラの融合が見事だっただけに、こちらも期待が高まります。日本公開は9月予定。
ベネディクト・カンバーバッチ主演『Dr.ストレンジ』
先日ようやく本国で予告編が解禁された本作ですが、実はまだ音楽担当が発表されていません。アメリカでの公開が11月なのでまだ半年あるとはいえ、予告編公開時にアナウンスされないとなると作曲家選びが難航しているのか、それともサプライズ的な人選があるのか。
いずれにせよ、今までのマーヴェル作品とはキャラクター的にも映像表現的にも異質な雰囲気を醸し出すニューヒーローにどのようなテーマが与えられるのか楽しみでもあります(個人的には魔法つながりでハリー・ポッター最終章などを手掛けたアレクサンドル・デスプラが起用されたら面白いかな、と)。こちらでは12月公開予定。
※原稿を書き上げたタイミングで『カールじいさんの空飛ぶ家』『ミッション・インポッシブル:ゴースト・プロトコル』のマイケル・ジアッキーノの起用が決定しました。
ミーガン・フォックス主演『ミュータント・ニンジャ・タートルズ:影<シャドウズ>』
こちらもアメコミ作品として話題の一本。
前作では『ワイルド・スピード』シリーズのブライアン・タイラーがお得意のヒロイックかつ壮大なオーケストラで映画を盛り上げていましたが、今作では監督のバトンタッチとともに音楽もスティーヴ・ジャブロンスキーに交代しています。
1では監督の意向が尊重された作曲家の起用となりましたが、今回はプロデュースを担当するマイケル・ベイ御用達で、ベイ作品の多くを手掛けるジャブロンスキーの登板という事で二人のコンビ作、『トランスフォーマー』シリーズのような、やたらとカッコいいメロディが聴けるのではないでしょうか。
コメディ要素が強く、予告編から既にはっきりしているように、アクションがさらにバージョンアップしているだけあって期待大です。こちらも8月の公開予定。
まとめ
さて、今回は劇伴(スコア)をメインとした記事ではありますが、今後主題歌や挿入歌なども続々と発表されると思われます。それらも含めて。これからのアメコミイヤー、存分に楽しみましょう!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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(文:葦見川和哉)
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