この衝撃のエンディングを見破れますか?初級・中級・上級編
ストリーミングで観られる映画を毎週紹介する“金曜映画ナビ”。少しずつ暑いと感じる日も増えてきた最近、非日常なサスペンス映画を見てヒヤッとしてみませんか。
今回紹介いたしますのは、スペイン産のサスペンス映画『ロスト・アイズ』『ロスト・ボディ』『ロスト・フロア』の三作品です。3作ともスペインのトップ女優ベレン・ルエダ出演作というのも注目です。
真相を見抜きたい?それとも騙されたい?
日本公開時はホラー映画のような予告になっていた映画もありますが、どれも上質のサスペンス映画です。それぞれ最後の解答編がしっかり用意されていて、見抜けるものから、驚くものまでラインナップされています。知的刺激を受けること間違い無しです。
恥ずかしながらこのうち何本かは見抜けませんでした。どれが見抜けなかったかは恥ずかしいので秘密です。ただ、こういう作品というのは必ずしも真相がわかることが面白いわけではなく、騙される快感ってのもありますよね。
視力を無くす『ロスト・アイズ』
角膜移植の手術を行った直後に姉が自殺したことに疑問を感じた双子の妹・フリアは夫と一緒に調査へ赴く。調べていくうちに、姉には恋人がいたようだが誰も姿を見たことがないという。さらにフリアの周りにも不審な影が付きまとうようになり……。
当時、予告がとてもホラー映画風でした。で、ホラー映画を期待してみたわけなんですが〜決してホラー映画ではありませんでした。ちらつく人影の見せ方はホラー映画っぽくもあるのと、少し刺激が強めのシーンがあるくらい。
ちなみに製作にギレルモ・デル・トロが入ってたりします。でもあくまで製作なために彼らしいクリーチャーとかはでてきません。あくまで人間のお話です。雰囲気は一番ホラーっぽくはあります。
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『ロスト・アイズ』| 2010年 | スペイン | 117分 | (C) Rodar y Rodar Cine y Television, S.L /A3 Films, 2010 | 監督:ギリエム・モラリス | ベレン・ルエダ/ルイス・オマール/パブロ・デルクイ |
遺体が無くなる『ロスト・ボディ』
死体安置所から亡くなったばかりの女性マイカの遺体が消える。事件を担当することになったハイメ警部はマイカの夫アレックスを怪しむ。調べていくと彼には愛人がいることや、マイカを殺害しようとしていたことが明らかになっていき、マイカもまたそれを察していた節があり……アレックスはマイカの死が偽りではないかと思い始める。
鍵となるマイカの死については比較的すぐ明らかになります。問題はやはり死体のありかと、消えた理由ですね。これはミステリーよりのサスペンスです。
ラストへの展開がとても秀逸で面白く見せてくれました。なるほど、そういうことだったのか!という感じで。これは真相を見抜ける人ほとんどいないのでは……。ぜひとも制作側に挑んでみてください。
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『ロスト・ボディ』| 2012年 | スペイン | 111分 | (C) 2012 Rodar y Rodar Cine y Television/A3 Films. All Rights Reserved | 監督:オリオル・パウロ | ベレン・ルエダ/ウーゴ・シルバ/ホセ・コロナド/アウラ・ガリード |
子供が消える『ロスト・フロア』
弁護士のセバスチャンは2人の子供を学校へ送るため、アパートで別居中の妻の部屋へやってきた。子供たちと7階の部屋から1階までエレベーターと階段で競争し、1階で待つものの子供たちはいつまで経っても現れない。管理人や同じアパートに住む警視の力を借りて子供を探し始めるが……。
アパートを舞台にしたある種の密室ミステリー。子供がどこにいったのかも面白いところですが、やはりこれは意外すぎる犯人というところですか。ただ、これはよく考えれば真相にたどり着ける人もいそうな気がします。惨殺体とかでてこないので、一番平和なミステリー作品で、ホラー要素は皆無です。
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『ロスト・ボディ』| 2013年 | スペイン/アルゼンチン | 88分 | (C) 2013 Cepa Audiovisual SRL / El Toro Pictures SL / Ikiru Films SL / Capital Intelectual S.A. /Telecinco Cinema SAU | 監督:パトクシ・アメズカ | リカルド・ダリン/ベレン・ルエダ |
ホラーよりか、人の死なないサスペンスかどれが好み?
視力をなくすのも、子供をなくすのも、身内の遺体をなくすのもどれもキツいテーマではあります。しかしダメと言われたらやりたくなったり、怖いもの見たさというのがあったりします。
多少怖い方が好きという方は『ロスト・アイズ』、怖いのは勘弁、でもミステリーは好きという方は『ロスト・フロア』。その中間点に位置する作品が『ロスト・ボディ』となります。好みのものを見るのもよし、全部見るのもよし。
一つ言えるのは、どれもミステリー要素はかなり面白いということです。
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(文:波江智)
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