『青空エール』土屋太鳳VS『四月は君の嘘』広瀬すず!元気溌剌健康優等生か?直感優先野性的美少女か?
少女漫画の映画化は「好き♡」を言うタイミングが勝負
(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
先輩 旬の女優ふたりの、どっちがチャーミングか?という話なんだけど。
女の後輩 いやあ、女の私から見ても、ふたりとも眩しい存在ですよ。
先輩 しかしまあ、ふたりとも主演作品がまたしても少女漫画の映画版かいな。もういい加減飽きてきたなあ。
女の後輩 「四月は君の嘘」は月刊少年マガジン連載ですから、少女漫画ではありませんけどね。
先輩 今や少年漫画も少女漫画も一緒くたになっているのか。
女の後輩 制作関係者から聞いた話ですが、この種の映画で一番気を使うのは、女の子が男の子に「好き♡」というタイミングだそうです。なのでホン打ち合わせの時は、プロデューサー、監督、脚本家が「このぐらいのタイミングで・・」「いや、まだ早い!!」「もっと早くしたほうが」と、いつ「好き♡」というのが良いのか、もめにもめるらしいですよ(笑)。
土屋太鳳の真骨頂はアクション!!
(C)2016 映画「青空エール」製作委員会(C)河原和音/集英社
先輩 なんか・・・平和だなあ。それはそうと、「青空エール」の土屋太鳳は、目下映画にテレビに大活躍なんだけど、21歳という年齢の割に下積みが長くて、一時期は「これにも土屋太鳳が出ている!!」と驚くぐらい、あちこちの作品に出ていた。
女の後輩 主役をやるようになったのは、ここ数年のことですよね。
先輩 3年ぐらい前の正月に帰郷したら、土屋太鳳主演の「果てぬ村のミナ」という映画を上映していて、え?何この映画?東京ではやってないぞ!!と地元の映画館で見たら、それが初の主演映画だったらしい。
女の後輩 彼女のイメージは、とにかく明るく元気。溌剌とした印象が強いですよね。「青空エール」もまた、そうした“はつらつ太鳳ちゃん”のイメージが、原作コミックとうまくリンクしている。
先輩 ただ、個人的な見解を言わせてもらえば、土屋太鳳の真骨頂はアクション!!
女の後輩 ああ・・・「るろうに剣心/京都大火編」でしたっけ?あの映画で見せた、彼女のアクションは、確かに凄かった!!
先輩 なにせ現役の女子体育大学生だし、「体を動かすことが大好き」と、日頃から豪語するだけのことはあるなあ。あの凄い蹴り技!!ここまで動ける女優なんだ!!と、とにかくびっくりした。
女の後輩 しかも彼女、自分がどう動いたら効果的に見えるか、それを画に描いてきたらしいですよ。
先輩 いや、だから土屋太鳳にはアクション映画をやってもらいたたい!!今だったら豪快なアクションが見られるだろうから。暴れろ!!土屋太鳳!!
女の後輩 うーん・・・それはどうですかねえ?
先輩 はあ?なに? オレの言ってること、おかしい?
女の後輩 今、日本映画の中でアクション女優がどれだけニーズがあるかといえば、それは疑問ですよ。それよりも今の太鳳ちゃんには、演技力を磨いてもらいたい。たくさんの映画やテレビに出て色んなタイプの役を演じて、色んな監督と組んでもらいたい。今の彼女は優等生的なイメージですが、それで良いんだと思いますよ。アクションをやるのは、まだ先でも大丈夫。むしろ優等生役を極めて欲しい。
先輩 なるほど。そういう現実は、確かにあるわなあ。じゃあ、優等生を極めろ!!土屋太鳳!! 30才になってもセーラー服が似合う女優を目指せ(笑)!!
「青空エール」上野樹里の強烈な存在感
(C)2016映画「青空エール」製作委員会 (C)河原和音/集英社
女の後輩 何か変なこと言ってるような気もしますが(笑)。「青空エール」での彼女と竹内涼真クンのやりとりも、初々しくて、なんつーか、もだもだしちゃいますけど(笑)、驚いたのは上野樹里の女教師!!
先輩 上野樹里と言えば、「のだめカンタービレ」ののだめ役のイメージが強いんだけど、今回は吹奏楽部の顧問で、劇中ほとんど笑わない。ひたすら吹奏楽の指導を鬼のように行うといった、ちょっとこれまでの彼女にない役。
女の後輩 良い台詞がありますよねえ。「泣いていいのは、3年間すべてかけてきた人だけ。奇跡は起こらない。まぐれもない。でも練習は裏切らない」。グッときちゃいました。
先輩 いつの日か、土屋太鳳も、こんな役を演じる日が来るのかな。
女の後輩 その前に優等生役を極め、その後豪快なアクション映画をやって欲しいですけどね。
自由なバイオリニストに扮した、広瀬すずの開放感
(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
先輩 かたや「四月は君の嘘」の広瀬すずは、今年「ちはやふる・上の句」「同・下の句」、公開は「四月・・」の1週後になるけど「怒り」と、今年4本目の映画。売れっ子だなあ。
女の後輩 昨年の「海街diary」が良かったんでしょうね。
先輩 ちょうど昨日、「海街diary」の写真集を見ていたんだけど、もう表情がまったく違うんだよ。「海街・・」の頃はふっくらしていて垢抜けない感じ。それなのに「ちはやふる」「四月は君の嘘」と、ぐんぐんキレイになってきた。まだ「海街・・」から1年ちょっとしか経ってないのに、女の子の成長って早いなあ。
女の後輩 ほとんど父親目線ですよ、その発言は(笑)。
先輩 「四月は君の嘘」の広瀬すずは、今までで最もアクティヴな少女の役じゃないかな?
女の後輩 そうですね。バイオリンを天才的に弾きこなすんですが、自由奔放なキャラゆえ、コンクールでは評価されないけど、本人は音楽を心から楽しんでいる。
先輩 分かるなあ。それ・・・。
女の後輩 はあ?
先輩 いや、実はオレも昔、ピアノを習っていて・・・。
女の後輩 えええええ・・・・!!!!!(びっくり)
先輩 と言っても、すぐにやめたから・・その・・・バイエルの15番ぐらいまでで・・。
女の後輩 ぶはははははははははは(爆笑!!)バイエルの15番って、それお子ちゃまのレベルですよ(さらに爆笑)!!
先輩 う、うるさいなあ!! とにかくその時思ったの。ピアノで曲を弾くのに、音符を完コピするのが上手とされているのは、なんだかなあって。自分としてはもっと思うがままに、楽しく弾きたいのに。
女の後輩 バイエルの15番までしか出来ない人が、どう思うがままに弾くってんですか!? ぶははは・・・・(まだ爆笑)!!
コミック映画化クィーン?
(C)2016フジテレビジョン 講談社 東宝 (C)新川直司/講談社
先輩 まあとにかく、「四月は君の嘘」の広瀬すずは、直感優先で生きているような少女で、とにかく自由に行動する。その野性的とも言える開放感が見ていて心地よい。
女の後輩 でも、時々あれっ?というシーンがあって。
先輩 それ、ダメだよ言っちゃ。ラストに明かされる、彼女の秘密に絡んでるから。
女の後輩 つまるところ彼女の生命力溢れる自由さが、山﨑賢人扮する弾けなくなったピアニストを蘇生させるという話なんですよね、これって。「君は自由そのものだね」「違うよ。音楽が自由なの!」って、あの台詞は良かったなあ。
先輩 気になるのは、彼女の出演作が「怒り」を除いて「海街diary」「ちはやふる」、そして「四月は君の嘘」と、すべてコミック原作なこと。
女の後輩 コミック映画化クィーン(笑)。
先輩 いやいや、もっと違う題材を与えて、どんどん演技力を磨いて欲しいよ。そのあたり、土屋太鳳の貪欲さには目を見張る。「ウルトラマンゼロ」から「青空エール」まで。しかもアクションも出来る。この娘は行けそうだね。
女の後輩 だからさっきから、視点がお父さんなんですってば。もう。
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(企画・文:斉藤守彦)
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