映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』制作発表レポ

荒木飛呂彦の人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」が2017年夏に実写映画として公開されることが発表された。メガホンをとるのは三池崇史監督、主演は山﨑賢人がつとめる。

「ジョジョの奇妙な冒険」実写映画化!監督は三池崇史


シリーズ117巻で累計売上9,000万部を記録する、荒木飛呂彦の人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」が、東宝株式会社とワーナー ブラザース ジャパン合同会社による初めての共同製作・配給にて実写映画化される。19世紀末のイギリスを舞台にした第1部から始まる“ジョジョ”と呼ばれる“ジョースター家”の代々の戦いを描く大河ストーリーから、今回映画化されるのは第4部の「ダイヤモンドは砕けない」だ。

昨日9月28日には、作品の情報を知らされていない200人以上の報道関係者が集まり、会見開始前から緊張感が漂う会場に、プロデューサーの平野隆、東宝株式会社取締役の市川南、ワーナー ブラザース ジャパン合同会社 社長兼日本代表の高橋雅美が登場。プロデューサーの平野によって本作のタイトルが『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』であることが発表された。

誕生から30年を迎える2017年の公開に向けて始動する本作についてプロデューサーの平野隆は「色々な原作があると思いますが、普通は100~200万部という部数でもびっくりされる。この『ジョジョの奇妙な冒険』シリーズは累計9000万部で今も売れ続けていて、いずれ1億部に到達すると思う。そういったすごい作品を自分が手掛けることになるのに、身が引き締まる思い」とコメント。

続いて、市川南は「夏の大ヒットではなく、年間合わせて洋画、邦画のナンバーワンの大ヒット作品となるようにしたい」、高橋雅美は「素晴らしい作品が映画化されるということで一映画ファンとしてゾクゾクしている。映画化することが難しいと言われている作品をこの映画化までたどり着けてくれたプロデューサーの平野さんをはじめ、関係者の皆様に御礼をまず申し上げたいと思います。素晴らしいキャストによって素晴らしい作品として世界に出ていけると思う」と挨拶を述べた。

ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章



そしてキャスト陣も発表。主人公・東方仗助役を山﨑賢人、仗助の同級生・広瀬康一役を神木隆之介、同じく同級生の山岸由花子役を小松菜奈、仗助と対立する虹村形兆役を岡田将生、形兆の弟・虹村億泰役を真剣佑、町の平和をおびやかす殺人犯・片桐安十郎役を山田孝之、仗助を導く空条承太郎役を伊勢谷友介が演じることが一挙に解禁された。

さらにMCによって主人公・仗助の母親・東方朋子役に観月ありさ、仗助の祖父・東方良平役に國村隼さんの出演が決定していることも発表された。

山﨑賢人:東方仗助を演じます山﨑賢人です。どうぞよろしくお願いします!

神木隆之介:本当に素晴らしい作品、キャラクターを務めさせて頂くことを光栄に思います。緊張していますがよろしくお願いいたします。

小松菜奈:今日はありがとうございます。よろしくお願いいたします。

岡田将生:僕自身「ジョジョ」のファンなので虹村形兆を一生懸命やらせていただこうと思います。よろしくお願いいたします。

真剣佑:皆さんの足を引っ張らないように全力でやりますのでよろしくお願いいたします。

山田孝之:「ジョジョ」なのでいつもより気合を入れてやろうと思います(笑)

伊勢谷友介:僕自身中学校、高校時代に読みあさっていた作品の1つです。特にこのキャラクターのセリフ「オラオラ」を真似していたぐらいなので、山田君に負けないように頑張ります。

荒木飛呂彦からのコメントも到着した。

荒木飛呂彦先生からのコメント:
満を持してというか、ついに実写映画化する運びとなりました事は原作者として誠に光栄な事です。豪華で素晴らしいキャストとスタッフの皆様に集まって頂き、十分すぎる製作体制で作られるとのこと、とても期待しております。10年前なら不可能だった映画表現や技術をもって、どう作られるのか。私も完成を楽しみにしております。

Q.来年で誕生から30年を迎える人気作品の映画化です。この実写化に挑むにあたり今の率直な心境をお聞かせください。

山﨑賢人:30年という自分の生きてきた時間より長く愛され続けている作品を実写化するということで…とにかく頑張るしかないなと思っています。豪華なキャストの皆さんと三池監督とこれからスペインで撮影です。不安がたくさんある分、楽しみで仕方がないです。頑張っていきます。

神木隆之介:緊張しますね。プレッシャーも大きいですし緊張します。頑張るしかないなという気持ちでいっぱいです。役作りでどういう風に見せていくか慎重に作っていきたいなと思っています。僕もとにかく、頑張ります!

小松菜奈:個性的なキャラクターが楽しみもありつつ、超人気漫画の緊張感もあり……良い緊張感に変えて、全力で頑張っていきたいです。

岡田将生:同様に緊張していて、楽しみという気持ちもありつつ、ファンの方々が納得する作品にしたい。形兆という役を大切にやっていきたいです。

真剣佑:大好きな先輩とできるので嬉しい気持ちもある。偉大な作品をスペインで撮影していくということを楽しみにしている。

山田孝之:「ジョジョ」という大きな作品。東宝ワーナー組んで一大プロジェクトですし、本当ならば気負いしそうなんですが、片桐安十郎は史上最低の殺人鬼で割と素に近いと思うので、役作りは大変ではないのでリラックスしてやれると思う(笑)そこまで緊張してないです(笑)

伊勢谷友介:僕にとっては当時、どんな漫画よりも映像化しているものを見たい作品。グラフィックでもですし、奇想天外な設定もそうですし、まさか映画として成立していくというお話を聞いたときに、自分がその作品にいるということを考えると不安でしかたないというのが最初の印象。実際に中にいさせていただけることになったので、何とかしてあのグラフィックに近しいものを感じさせることのできるようなものを監督がどのように作っていくのかを、ほとんど観客と同じ気持ちで楽しんでいけるものにしたい。

三池崇史監督:原作の舞台は、仙台の町が舞台。日本だけでなく、世界中から“杜王町”を探すことから始めた。スペインのバルセロナから1時間程離れたところにシッチェスという町がある。ほぼ映画のシーンに近い場所を見つけた。エキストラをどうするんだという問題も今あるんですが(笑)。非常に美しく歴史のある街で徐々にぴったりな場所です。

Q.今回は第1章ということですが、今後続編の製作は視野に入れていますか?

平野プロデューサー:「ジョジョ」のシリーズは30年前の大学時代に話を聞いたと話をしましたが、現在8部まで連載している。第4部を切り取り、映画化するときに日本人が主人公、日本人が舞台を日本にしている、話も面白いと思うので四部をやりたいと思った。第4部自体、大変長いものです。本作は、もちろんこれだけを見ても楽しめるものにしたいと思っていますが、出来ればその先の第4部をすべてやっていきたいなという気持ちで"第一章"というタイトルをつけました。

Q.個性的で濃いキャラクターばかりですが、皆様が演じるにあたってご準備はいかがですか?

山﨑賢人:まず、体格の良い東方仗助に近づけるべく、筋トレをしている。東方仗助は髪型をけなされるとものすごくキレてしまうところや、口癖である「グレートだぜ」という特徴的なセリフをどのように見せていくか考えてます。

神木隆之介:キャラクターの中では唯一喧嘩慣れしていない平和なキャラクターだなという印象があるんですが、康一の中に、人一倍大きな勇気と根性があるので、普段の立ち振る舞いの中で優しそうな雰囲気と、いざというときの勇気のギャップの部分をどのように作っていこうか考えています。

小松菜奈:髪の毛を伸ばしています。ワカメをいっぱい食べています。今回アクションがあるかは、映画を楽しみにしていただけたら嬉しいです。

岡田将生:漫画を読み返してしていたり、今回悪役として初めてやらせていくので、冷酷ではありますが、信念のあるキャラクターなので戦えるように精神を整えています。

真剣佑:兄の形兆を愛している役なので、岡田さんを撮影の前に愛していますと言えるようにしたいです。

岡田将生:あえるかな(笑)。がんばってね。

真剣佑:憎めない、ちょっと抜けている役なので、そういった億泰を演じたいと思います。

山田孝之:僕は変わらず、こういった役なので変わらずに、夜道を歩くときは誰かを狙う(笑)。一応大きな組織に属しているので、本当にはしないですが精神的に狙います(笑)。

伊勢谷友介:山田君の後はどうしたら・・・(笑)。岡田さんと同様に漫画を読み返したりしています。全シリーズでは、時間とパワーが最強になっているのでそうなったらいいなと思っています。

Q.今回ワーナーと東宝が配給なので、外国人が主人公であったり、今後海外を巻き込んで考えているんでしょうか?今後の提携の形の可能性を模索されているかお教えください。

平野隆プロデューサー:まさに第四部を完結させていきたい。完結するにはあと数本必要です。既に監督と構想はありますが、素晴らしいシリーズがあり、日本人が主人公じゃないストーリーもあるので、日本映画が世界に羽ばたいていけるチャンスがあれば何年後かはわかりませんがそういった夢は持っています。監督も持っていると思うのでいい作品を作らなければいけないですが、このシリーズを盛り上げていけたら最高だと思います。

市川南:共同配給をいただいたときは素晴らしいアイディアだと思いました。あらゆるヒット作は新しい試みがあるので、配給の組み合わせが面白いと思った。東宝は劇場営業とTOHOシネマズがあり強みを最大限に生かして、ワーナーさんは洋画の宣伝のダイナミックさを邦画に組み合わせるのは面白い。

高橋雅美:新しい試みは良いと思います。日本で沢山のファンの作品を愛してもらえるようにお互いに協力して新しいことにチャレンジして大ヒットにつなげたいと思う。ファンが世界中にいる。アメリカの同僚と話すが、彼らや彼女たちの子供たちも日本のアニメが大好きだと話している。具体的なことは決まっていないですが、新しい試みを行っていきたいと思います。

Q.30年続く作品読んだことは?

山﨑賢人:この作品をいただいてから読ませていただいた。ジョジョの世界観と、世界観にどっぷりはまり、1部から8部まで漫画を買いました。今、7部を読んでいます(笑)セリフだったり、絵だったり、観たくなる部分が沢山あって、仗助は正義感があって優しくて、でもめちゃめちゃ強くて……人間としてかっこいいなと思うので仗助を演じることが出来ることに誇りをもってやりたい。

Q.ジョジョと言えば「オラオラ」が特徴。スタンドの存在が胆となるかと思います。実写ではどのように表現されるのでしょうか?

三池崇史監督:基本的に実写との区別はない。デジタル技術も進んでいるので、基本的には表現としては原作を踏襲しています。非常に漫画ならでは表現なので、スペインロケもですが、ジョジョをジョジョらしくするために、どこまでやるかということは、我々現場で決めていきます。スタンドが登場しない第4部はないので、実験をしています。

Q.スペインで撮影とのことですが、日本が舞台でありながら、なぜ撮影地にスペインを選んだのでしょうか?

三池崇史監督:原作では歴史ある街であり、新興住宅地で住みたい街でもありますが、事件が色々と起こっていきます。(スペイン・シッチェスの街は)美しいビーチがあって、心地の良い人が多い。映画文化としては成熟した街なので良い関係で現場を構築できる。立ってみて、ここに住んでみたいというのがポイントです。

Q.映画化にあたり、原作者の荒木飛呂彦先生はどの程度関わっているのでしょうか?

平野プロデューサー:勿論、我々もお聞きしたいことも沢山あって沢山お話しをお聞きしましたし、その都度お聞きして、クランクインをまもなくしますが、長い年月をかけて企画をしてきたので、先生とキャッチボールをさせていただいて、先生の想いも頂いて作っていきました。先生にコメントいていただきましたが、脚本も荒木先生と作ったものです。

そして最後に三池崇史監督が「ビビることなく、このメンバーでがっちり直球で勝負をかけたいと思いますので完成を楽しみにお待ちください」とコメントし、記者会見は終了となった。

映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は2017年夏、全国ロードショー。

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