第29回東京国際映画祭を振り返り:アニメーション特集「映画監督 細田守の世界」



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『おおかみこどもの雨と雪』上映終了後のトークショーは、細田守監督と是枝裕和監督。
話題の中心は、両監督の作品性に共通する「父親の不在」。
それぞれの生い立ちから語る「父親」という概念は非常に興味深く、またそれが個々の作品に大きな影を落としているというのも、面白いトコロ。
「細田監督の作品は、不在の“父親”をほかの存在が埋めているというのも面白い」という、是枝監督ならではの分析が印象的でした。

 

 

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さて気になるのは、お二人の次回作。
細田監督は「脚本が決定稿となったところ」。
一方の是枝監督は、現在脚本を執筆中。
「それも“父親不在”の話ですか?」という細田監督の問いかけに、「違う話を書こうと思ったんだけど、書いてみたら結局、父親のいない話で…」と、苦笑いの是枝監督。
「また同じタイミングで海外の映画祭に参加出来るといいですね」と、新作を交えた交流を心待ちしている様子のお二人でした。

 

 

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続いては、「細田守監督×堤大介監督 スペシャルトーク&『ダム・キーパー』『ムーム』上映」。
こちらは、2014年に短編アニメーション『ダム・キーパー』がアカデミー短編アニメーション賞にノミネートされた、堤大介監督とのスペシャルセッション。
「お世辞抜きで一番好きなアニメーション監督」(堤監督)、「堤さんの映画は素晴らしい!」(細田監督)と、お互いをリスペクトし合う仲ですが、細田監督は堤監督の人生に大きな転機を与えた人物なのだとか。

 

 

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堤監督がピクサー・アニメーション・スタジオに在籍していた時代から交流があったというお二人。
「僕がピクサーを辞めるきっかけになったのは、細田さんなんです!」と、堤監督が衝撃の告白。
ピクサー社内で『おおかみこどもの雨と雪』の上映会が行われたことが二人の出会いなのですが「その上映会後の食事会で細田さんと話しているときに、細田さんが『堤さんはアートディレクターじゃなくて監督向きだね』と言ったんです。細田さんにそんなことを言われたら!!!」と、当時を回想する堤監督。
その数年後、堤監督はピクサーを退社。
自らプロダクションを立ち上げ、現在もハリウッド制作活動を続ける堤監督の活躍ぶりを受けて「僕は先見の明があるね」と飄々と話す細田監督に、満員のお客様も大爆笑でした。

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