音楽

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2017年02月20日

世界で活躍するサムライギタリスト。ハリウッドからも愛されるMIYAVIとは?

世界で活躍するサムライギタリスト。ハリウッドからも愛されるMIYAVIとは?

■「映画音楽の世界」

みなさん、こんにちは。

先日、完成報告会見が行われた三池崇史監督、木村拓哉主演の映画『無限の住人』。最新予告編が登場すると同時に、映画の主題歌をミュージシャンのMIYAVI(雅)が務めていることが発表されました。

無限の住人 MIYAVI 主題歌


(C)沙村広明/講談社 (C)2017映画「無限の住人」製作委員会



最近映画に関連してよく名前を目にするようになったと思いますが、では「MIYAVIとはいったいどんな人?」となる人もまだみえるかと思います。もともとビジュアル系バンドからキャリアをスタートさせ、ボーカル、作詞作曲、ギタリストとして幅広い活動を展開し、これまでにSMAPなど楽曲提供やギタリストとしてのコラボレートも行ってきたMIYAVI。実は映画界でも活躍するミュージシャンでもあります。
今回の「映画音楽の世界」ではそんなミュージシャン、MIYAVIを紹介したいと思います。

俳優としての顔


北米やヨーロッパなどでもライブツアーを行い、ワールドワイドな活躍を見せるMIYAVI。エレキギターをピックを使わず指で弾く、独自の“スラップル奏法”で演奏するそのスタイルとロックセンスにサムライ・ギタリストとも呼ばれています。

そんなMIYAVIが映画界隈で話題となったのが、アンジェリーナ・ジョリーが監督した2014年のハリウッド映画『不屈の男 アンブロークン』への出演でした。監督のネームバリューに加え脚本にコーエン兄弟が参加するなど話題の作品でしたが、その内容から日本公開中止を求める署名活動にまで発展。米公開から1年弱を経て、規模を大幅に縮小しての公開となりました。MIYAVIはこの映画で日本側の主要キャスト・渡邊伍長を演じ、日本軍の捕虜となった元五輪選手の主人公ルイ(ジャック・オコンネル)を収容所で徹底的なまでに痛めつけるなど主要キャストとして強烈な印象を残しています。

そして、つい先日発表されたのが『キングコング:髑髏島の巨神』へのカメオ出演。新鋭ジョーダン・ボート・ロバーツ監督の同作にはトム・ヒドルストンと、『ルーム』でアカデミー主演女優賞を獲得したブリー・ラーソンが主演し、サミュエル・L・ジャクソン、ジョン・C・ライリー、ジョン・グッドマンが共演しています。MIYAVIは本作の序盤に登場する日本軍パイロット、グンペイ・イカリ役。第二次世界大戦時にある米軍パイロットとドッグ・ファイトを展開、しかしともに髑髏島に不時着し……という展開でカメオ出演とは言いながらもアクションシーンも用意されているそう。これは日本好きを公言するロバーツ監督らしいキャスティングなのかもしれません。

音楽家としての顔



MIYAVIが初めて映画音楽のジャンルで注目されたのが2015年8月に公開されたクリストファー・マッカリー監督の『ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』でした。MIYAVIは同作で日本版テーマ曲を担当。ミッション:インポッシブルシリーズの音楽といえば、原点となる「スパイ大作戦」でラロ・シフリンが作曲したテーマ曲があまりにも有名。これを映画ごとにU2(シリーズ1作目)、リンプ・ビズキット(同2)、カニエ・ウエスト(同3)らがテーマ曲化。、劇伴としてもダニー・エルフマン(同1)、ハンス・ジマー(同2)、マイケル・ジアッキーノ(同3、4)ら錚々たる顔ぶれがアレンジを施してきました。前作ゴースト・プロトコルでは日本版テーマ曲を同じくギタリストの布袋寅泰が担当しましたが、同作ではMIYAVIが2の作曲を担当したハンス・ジマーのスタジオで彼のスタッフとともにオーケストラも交えての本格的なレコーディングを行い、キレのあるギターサウンドとリズミックなパーカッションサウンドのロックチューンを響かせました。

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再び映画音楽に携わることになったのが、4月29日から公開となる『無限の住人』。本作でMIYAVIは主題歌「Live toDie Another Day -存在証明-」を担当、既に映画公式サイト内の予告編でそのアグレッシブなサウンドを聴くことも出来ます。

映画公式サイト
http://wwws.warnerbros.co.jp/mugen
映画『無限の住人』は沙村広明の同名漫画が原作の時代劇アクション。主演の木村拓哉以外にも杉咲花、福士蒼汰、戸田恵梨香、市川海老蔵ら邦画界を代表するキャストが集合していて、バイオレンス描写に定評のある三池崇史監督のもとで激しい戦闘シーンが展開していきます。
もともと楽曲提供やNHK紅白でのコラボレートで木村と親交のあったMIYAVI。邦画主題歌への書き下ろしは初めてのことですが、「刀の代わりにギターで、ともに戦わせてもらったという感覚です」と覚悟のほどを見せ、木村も「楽曲を聴いて、彼にしか出せないリズムと彼にしか浮かんでこないリフが聴こえてきたときに『お、きたきた!』と興奮しました」「MIYAVIがアーティストとして『無限の住人』に真剣に向き合ってくれていることが100%感じられました」と絶賛。映画公開に向けて期待を高まらせています。
「Live to Die Another Day -存在証明-」は4月5日発売のMIYAVIのベストアルバム「ALL TIME BEST “DAY2”」に収録予定。

まとめ


これまでのワールドワイドな展開やM:I-5のテーマ曲、『無限の住人』の主題歌を聴いてみてもそのキレと情熱のプレイスタイルで、なるほど確かにサムライギタリストと呼ばれるのも納得の活躍ぶり。俳優としての出演、そしてテーマ曲の作曲など映画界にも定期的に繋がりがあり今後もジョー・シル監督の『Stray(原題)』への出演が決まっているなどスクリーンでMIYAVIの姿や音楽を楽しむ機会がさらに増えていくかもしれません。いずれは主演を務めたり劇伴そのものを担当、なんて日も来るのではないかという期待も込めつつ、まずは『キング・コング:髑髏島の巨神』と『無限の住人』の公開を楽しみに待ちましょう。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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(文:葦見川和哉)

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