ジャッキー、ディズニー、キーン夫妻、60年代の人物を描いた映画たち
(C)2016 Jackie Productions Limited
『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』が本日より公開されています。1963年を軸にした歴史を描いた映画となっています。
1960年代と言っても何ともイメージしにくい方もいらっしゃると思われます。(筆者も1986年生まれにつき何とも…)
そこで今回は2000年以降に公開された映画の中から、1960年代を描いた映画を4本をご紹介したいと思います。
まずは『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』
(C)2016 Jackie Productions Limited
まずは本日より公開されている『ジャッキー ファーストレディ 最後の使命』について。
ジョン・F・ケネディ元大統領の妻で、アメリカの一時代のファションアイコンでもあったジャクリーン・ケネディ・オナシス(ジャッキー)の物語です。
大統領暗殺後、葬儀までの4日間の出来事を中心に、その前後の物語を合わせて「真のジャッキーとは?」を描いていきます。
真のジャッキーを描きながら、極限の悲しみの中で張る意地というものを恐怖を覚えるほど見せつける映画でもあります。「ジャッキーかわいそう」よりも「ジャッキー凄まじい・・・」と思うほど鬼気迫るものがそこにはありました。
ジョン・F・ケネディ元大統領暗殺の瞬間をジャッキー視点で映像で見せてもいてかなりショッキング。これが現実だったのかと思うと何とも言えない気持ちになります。
非常に濃密な映画ですので、映画好きの方や歴史好きの方にオススメの1本です。
『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー〜』
1960年代のアメリカミシシッピが舞台で、白人女性と黒人家政婦たちの友情を描く物語です。ストーリーはフィクションですが、原作者の実体験が元となっています。1960年のアメリカの人種差別を知ることができる作品です。『ラ・ラ・ランド』のエマ・ストーンが主役の一人で出演しています。
この映画、人種差別を描きながらもまさかの大爆笑シーンを含んでいます。非常に軽やかに物語が進行し、楽しくも見れる作品になっています。「笑いもあったが、辛いこともたくさんあった」という感じで、「こういう風に生きてたんだな」を知ることができるのです。
ちなみに、ある家政婦の最後の結末は涙なしには見れないものでした。全ての人に優しさを与えてくれるとても素敵な作品です。
『ウォルト・ディズニーの約束』
トム・ハンクスがウォルト・ディズニーを演じた『ウォルト・ディズニーの約束』も1960年代のお話。
ちなみにこの映画はウォルト・ディズニーの伝記映画ではありません。ディズニー映画『メリー・ポピンズ』の映画化までの舞台裏を中心に描くもので、主人公は「メリー・ポピンズ」の原作者であるP.L.トラヴァースです。
このP.L.トラヴァースが「メリー・ポピンズ」へ込めた思いが回想と共に明らかになっていきます。ウォルト・ディズニーは素敵な人物として描かれますが、「メリー・ポピンズ」の真実を知ると「映画化しなくても良かったのでは…」と胸がざわざわしたりも。
それでも今振り返ると「これで良かったんだろうな。」「ウォルト・ディズニー凄いわ」と思いもします。この作品を見ると『メリー・ポピンズ』が違って見えること間違い無しです。
『ビッグ・アイズ』
2015年に公開されたティム・バートン監督のこの作品も1960年代を描いています。
この映画は、アメリカのポップアート界で人気を博した「ビッグ・アイズ」シリーズの真実を描いた映画です。実際に絵を描いていたのは奥さんだったのですが、商売上旦那が絵を描いていたことにして世間を騙していました。が、妻がそれを世間に公表して大騒動となります。
この映画の見どころは1960年代の世界観と、何よりも終盤の裁判シーン。アカデミー賞俳優のクリストフ・ヴァルツが映画史上最高にウザい実在した人物(私見です)を見事に演じます。
まあ口から嘘ばっかり!これがあまりに酷すぎて映画として笑ってしまうほど。イラッとしたとしてもご安心を。最後、すっきりします。
おまけ『ALI/アリ』
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ウィル・スミス主演でモハメド・アリを描いた『ALI/アリ』が松竹提供作品なのでおまけでご紹介!
ウィル・スミスがあのモハメド・アリを描いた映画で、1964年から1974年の彼を描きます。
映画はモハメド・アリのボクシングでの栄光を描きますが、それはこの映画の主軸ではありません。『ヘルプ 〜心がつなぐストーリー』の欄でも書いたように黒人差別の激しかった時代。映画にはマルコムXのシーンも含まれ、モハメド・アリがあの時代にボクシング以外でどう戦っていたのかを見ることができます。
ちなみのこの映画は音楽がかなり印象的。是非音楽にも注目して見てみてくださいね。
[『ALI/アリ』を見れる動画配信サイトはこちら!](2017年3月31日現在配信中)
(文:柳下修平)
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