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『美女と野獣』で同性愛はいかに描かれたか?ディズニーアニメ版から変わった10のこと


6:村の保守的な価値観がより浮き彫りに?


ベルの父(モーリス)が発明家という設定も、ディズニーアニメ版のオリジナル要素です。今回の映画では父が適当な指示をしても、ベルが思い通りの部品を持ってきてくれるという描写も加わり、より父娘が深いつながりを持っていたことが示されていました。

今回の映画では、ベルが父のように“発明”をして洗濯をしていたものの、村人にタルをひっくり返されてしまったというシーンもあります。さらに、ベルは女の子に文字を教えようとしたものの、周りから疎ましく思われていたようでした。

これから見えるのは、村全体が女性の自立を反対するような、保守的な価値観で凝り固まっていることです。ディズニーアニメ版にもあった“女性への不理解”が、今回はさらに強調されていると言ってよいでしょう。そもそも、ベルが本の虫で、父が発明家というだけで変人扱いされていることも、あの村の見識の狭さを物語っていますしね。

これらの描写を踏まえ、物語は“内面の美しさ”という、男女を問わずもっとも大切にするべき価値観を訴えていきます。フェミニズムの精神に溢れていることはもちろん、今回は前述したような同性愛のシーンもあるため、さらに多角的な面でこのメッセージが説得力を持つようになっているのです。

余談ですが、村人の中には宣教師と思しき黒人の男性がいます。彼をよく見てみると、他の村人とまったく異なるリアクションをしているのが興味深いですよ。

7:図書室のシーンの“驚き”がまったく違う?


ベルが初めてお城の図書室を見るシーンも大きく異なっています。ディズニーアニメ版では野獣からの“サプライズ”として壁一面に本が並んでいる図書室がベルに紹介されたのですが、今回の映画で野獣はそのようなことをしていません。ベルは前触れ無く、あっさりと図書室に入ってしまうのです。

これはディズニーアニメ版のほうがよかった、と思う方も多いでしょう。しかし、個人的にはこの改変は肯定したいです。なぜなら、ディズニー映画版で本をまともに読めなかった野獣が、今回の映画では高度な教育を受けていたという設定に変更されていたからです。

幼い頃から父に厳格な指導を受けていた野獣は、本の面白さや素晴らしさに気づけず、本をただただ“勉強”のためのものとして認識していなかったのではないでしょうか。だからでこそ、ベルに図書館を“素晴らしい場所である”とサプライズで紹介できなかった(彼女が図書室を気に入ることがわからなかった)のではないか、と思えるのです。

この後に、野獣はベルと本について楽しく会話をすることができています。野獣は本の内容にやや偏向的な見方をしていましたが、ベルはその本の魅力をさらに拡大して教えてくれる、という2人のやり取りが大好きで仕方がありませんでした。
本を通じて2人の距離がもっともっと近づいていく恋の過程は、ディズニーアニメ版よりもさらにより深く、かわいらしく描かれているのは間違いないでしょう。



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8:パリのシーンが追加!劇中でフランス語が使われている意味は?


パリに移動するシーンもディズニーアニメ版にはない、今回の映画のオリジナルです。詳しくはネタバレになるので書きませんが、野獣とベルが似た境遇であることを示した重要なシーンになっていました。

なお、劇中ではフランス語がたびたび使われています(これはディズニーアニメ版でも共通)。冒頭のミュージカルシーンでは村のみんなが「ボンジュール」と挨拶をして、お城の家具になった家来たちもたびたびフランス語を会話に混ぜていました。これは当時のヨーロッパーの社交界で、フランス語が共通の言葉として流行していたためなのでしょう。

ちなみに、ルミエール(燭台)役のユアン・マクレガーは、もともとメキシコなまりにしか聞こえなかった英語を矯正し、フランスなまりの英語を猛特訓して習得したのだとか。その役者魂、恐れいります。

9:ミュージカルシーンの追加、そして新たな“日本語訳”も!


今回の映画は日本語吹替版も大々的に公開されています。筆者は字幕版の後に吹替版を観たのですが……その出来は控えめに言って100点満点で500億点!特にベル役の昆夏美さんの可憐さと、ルミエール役の成河(ソンハ)さんの軽妙さに感動!藤井隆さんのル・フゥもキャラのイメージにぴったりです!



ディズニーアニメ版にはない新たな楽曲も追加されただけでなく、メインテーマ「Beauty and the Beast」の日本語歌詞も新しいものに変わっていました。ディズニーアニメ版と、今回の映画のどちらの訳も“直訳”ではなく、それぞれに違った解釈が付け加えられている素晴らしいものになっています。この日本語の美しさを堪能するだけでも、ぜひ吹替版をご覧になって欲しいです。



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10:ディズニーアニメ版だけのミュージカルシーンもあった!


現在発売されているディズニーアニメ版のソフトには「スペシャル・リミテッド・エディション」が収録されています。これは2002年に再公開された時のバージョンで、1991年の初公開時にはなかった「Human Again」のミュージカルシーンが加わっています。

子どものころに『美女と野獣』のディズニーアニメ版を観た、という方もひょっとするとこの「Human Again」は聴いたことがないかもしれません。今回の映画版にもないミュージカルシーンでもあるので、「こんなに楽しい楽曲があったのか!」と嬉しい驚きでいっぱいになるかもしれませんよ!

以上に挙げた他にも、ディズニーアニメ版と今回の映画にはまだまだたくさんの違いがあるはず。観比べて確かめてみたり、それぞれの良さをぜひ味わってみてください!

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(文:ヒナタカ)
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