映画コラム
『ワイルド・スピード ICE BREAK』吹替版で見る理由とは?でもエレナって誰?
『ワイルド・スピード ICE BREAK』吹替版で見る理由とは?でもエレナって誰?
(C)Universal Pictures
毎回観客の予想を遥かに超えた、「素晴らしく度を越したアクション」を見せてくれる、この『ワイルド・スピード』シリーズ。遂にこの『ICE BREAK』で8作目を迎える長期に渡る人気シリーズだけに、今回も期待度MAXで公開2日目の劇場に駆けつけて鑑賞してきた。
場内は幅広い観客層で満員状態、果たして今回の内容と出来はどうだったのか?
予告編
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ストーリー
ハネムーン代わりのバカンスを楽しんでいたドミニク(ヴィン・ディーゼル)とレティ(ミシェル・ロドリゲス)。そんなある日ドミニクは謎のサイバーテロリストのサイファー(シャーリーズ・セロン)と名乗る女性と出会い、彼女から自分の部下になるよう申し込まれる。最初応じる気はないドミニクだったが、彼女にスマートフォンの「ある写真」を見せられると表情が一変する・・・。
大量破壊兵器とみなされる電磁パルス砲がドイツ・ベルリンの反体制派の武器商人たちによって奪われたため、すぐさまホブス(ドウェイン・ジョンソン)はドミニクたち「ファミリー」を招集し、ベルリンの敵のアジトに乗り込む。奪還作戦は成功し電磁パルス砲を手に入れたが、敵からの闘争中にドミニクはホブスを攻撃し、電磁パルス砲を持ち去って逃走。
誰よりも仲間を愛し大切にしてきたドミニクの裏切りにより、ファミリーの結束は崩れようとしていた。だが、彼の行動にはサイファーが関与していることがわかる。レティやローマン(タイリース・ギブソン)らはドミニクを取り戻すため、最大の敵デッカート・ショウ(ジェイソン・ステイサム)と手を組むのだが……。
今回は、いつも以上に予習が必要な本作!敢えて吹き替え版で見るべき理由とは?
ちょうど鑑賞前日の夜にTV放映されていた、前作「スカイミッション」を見て予習はOK、との思いで本作を鑑賞したのだが、うーん、正直甘かった!
実は、本作に登場する、過去作のある重要な登場人物が全く思い出せなかったからだ。
「え、エレナって誰だ?」。
結局最後まで、ずっとモヤモヤした気持ちで鑑賞することに・・・。
もちろん、鑑賞後にネットで調べて理解出来たのだが、これから鑑賞する方には前作『スカイミッション』だけで無く、その前の『ユーロミッション』と、余裕があれば更にその前の『MEGA MAX』まで遡って見返すことを、強くオススメしておく。
さて、以前紹介した『ゴースト・イン・ザ・シェル』に続いて、今回本作を敢えて日本語吹替版で鑑賞した理由。
実は、あるシーンでの警察無線の日本語吹替えを、何故か柳沢慎吾!が演じているという、あまりにマニアック過ぎるこだわりのためだ。
どう考えても、殆ど宣伝には貢献しないとしか思えない起用だが、いかにもこのシリーズらしい「お前、分かってるな!」的こだわりは、シリーズのファンであればあるほど、日本語吹替版選択の大きな理由となるはず。
元々、スティーヴン・セガールの『沈黙』シリーズや、ジェイソン・ステイサム主演のアクション映画と同様に、テレビで放送していると何故かついつい見てしまう、そう、例えばテレ東の昼に家で観ているような感覚こそが、このシリーズを楽しむにはピッタリ!そう考えるファンの方にこそ、是非吹替版での鑑賞を強くオススメしたい。
(C)Universal Pictures
最後に
過去に3作目で一度は失速しながらも、4作目から現在まで尻上がりに評価と興行成績を上げ続けているこの怪物シリーズ。
しかし残念ながら、既に全10作でのシリーズ完結がアナウンスされている。実は本作はシリーズ完結編3部作のパート1に当たるのだが、全10作を持って終了することが予告されている以上、果たして残り2本でどれだけ我々観客の予想を超えてくれるか?非常に楽しみなところだ。
いよいよ残り2本という中でのこの第8作目だが、実は個人的に今回かなり方向修正が試されているのでは?と感じた。
「仲間」という意味での「ファミリー」の物語が、本作では遂に「血縁関係」「親子関係」としての「ファミリー」=「家族」が物語の重要な要素として描かれていたからだ。それを象徴するのが、今回主人公ドミニクに起こる、ある重要な出来事。
正直かなり強引な展開でもあり、実際そのために、本作での「初心者お断り」感の強さや、過去作復習の必要性がかなり高くなってしまったといえる。
ただ、今回「親子」や「家族」を描いたことで、本作ラストのあの感動が生まれたのも事実。
前作『スカイミッション』での、今は亡きポール・ウォーカーに捧げる感動的な名ラストシーンを、見事に引き継いだと言えるだろう。果たして後り2作において、ドミニク親子での活躍が見られるのかどうか?まだまだこのシリーズからは、目が離せそうにない。
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(文:滝口アキラ)
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