ベビレ・傳谷英里香『恋する女たち』に感じる10代の恋愛の違い
ベイビーレイズJAPANのニワカ自己見 6限目
アイドル「ベイビーレイズJAPAN」と映画情報サイト「シネマズ by 松竹」が強力タッグ!映画とアイドルがコラボした“名作”を振り返る企画「ベイビーレイズJAPANのニワカ自己見」
この企画は、ベイビーレイズJAPANのメンバーから1人、先生役を担い、彼女たちが触れることが無かった、アイドル×映画の名作を鑑賞。“にわか仕込み”な先生=にわか先生になり、メンバーの1人を生徒役として、その作品の魅力について語るもの。
6回目となる今回は、ベイビーレイズJAPANのメンバーから“にわか先生”になるのは、“でんちゃん”こと傳谷英里香。そして、“リコピン”こと大矢梨華子が生徒役になります。果たして、今回のにわか先生の授業はどうなるのか?
※本記事は、ネタバレを多く含みます。ご注意ください。
現代と当時の高校生たちの違い
傳谷:今回、私が見たのは、斉藤由貴さん主演の『恋する女たち』です。
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傳谷:この作品は、斉藤由貴さんのほかに、当時おニャン子クラブのメンバーとして絶頂の人気を誇っていた高井麻巳子さん、そして女優の相楽晴子さんの3人の女の子の、恋と友情の物語なの。
大矢:3人の恋と友情って、面白そうだね!
傳谷:この3人は全然性格が違って、恋の仕方もそれぞれバラバラなの。この作品で、まず衝撃的だったのが、トップアイドルたちが出ているのに、昼間からお酒を呑んだり、喫煙したりするシーンがあること!
大矢:えー!それすごい。何歳の話なの?
傳谷:それが、役柄は高校生なの。
大矢:えー(笑)
傳谷:私も最初は高校生というのがわからなかったの。学校に私服で行くしね。今となっては珍しいよね。
大矢:珍しいかも。高校生は、オシャレに制服を着られるのを楽しむみたいなのがあるから、私服というのは珍しく思うね。
傳谷:この時代は携帯電話が無いから、恋に悩んだ時も、友達にLINEするとかじゃなくて、とにかく走って泣いちゃうとかって感じなんだよね。そこにピュアさを感じたんだけど、逆に今の時代の高校生と比べると、大人っぽさも感じたんだよね。
大矢:そうだね、今は恋のことで悩みがあったら、SNSに「カレシと喧嘩した。なぐさめて」って、すぐに書き込むみたいな感じだしね。
傳谷:電話して、すぐに会って話を聞いてみたいなになるしね。この映画を観てわかったのは、今はとにかく“友達に相談する”という行為が、とても身近なんだなって。それが、現代の解決方法なんだっていうのが、わかった。
大矢;そんな風に考えたことなかったなー。
共感ではなく、個性を尊重する繋がり
傳谷:この映画で描かれている3人の女の子は、自分で解決じゃないけど、割りと仲が良いのに、お互いがあまり自分のことを話さないんだよね。
大矢:女の子3人集まっていても、「テラスハウス」みたいな感じじゃないんだ。今だと集まって、ガールズトークするのが“青春”って感じはあるけど。
傳谷:自分のことを話したがる子もいるんだろうけど、特にこの3人は違うって感じかな。今の子は、何でも話して“共感を得る”じゃん。女の子って共感して欲しい生き物みたいなのがあるから。
大矢:共感されたいから、相談するという感じだよね。
傳谷:だけど、この作品では一人ひとりが、自分の足で立っていて、共感というより、各々自分の意見をしっかりと持っていて、それを大事にしているという感じなんだよね。
大矢:それなのに、仲が良いの?
傳谷:今の私たちからしたら、特別に仲良しと感じるような描写は無いの。だけど、それでもちゃんと3人が仲良しだなというのは分かる。今は学校帰りに一緒に行動して、一緒に買物行くみたいな、いつでも一緒みたいなのが仲良しでしょ?
大矢:LINEグループで、常に会話してね。
傳谷:常に身近にいることが仲良しだって感じだけど、この作品はそういう物理的な距離みたいなことでつながっているわけでのは無いの。その代わりっていうわけじゃないけど、3人にとっての繋がりのひとつが、3人で一緒に行う「お葬式」なの。
お葬式で感じる3人の絆
大矢:恋の話なのに、なんでお葬式なの?!
傳谷:しかも、映画の最初のシーンがお葬式なの。
大矢:なんで??
傳谷:高井麻巳子さんが演じる緑子は、恋多き女の子なんだけど、彼女が失恋したり嫌なことがあったりするたびに、山に十字架を建てにいくの。それがお葬式。赤点を取ってもお葬式。
大矢:どんな大きさの十字架?
それがね……かなり大きいの!腰ぐらいまであるかな。
大矢:かなりおおきいね(笑)本気の十字架だ。というか、それが当時の流行だったとかじゃないの?
傳谷:そうじゃないね(笑)それは、緑子だけの特殊な行為なの。なんかちょっと面倒くさいでしょ?でも、他の2人はそのたびに、ちゃんと喪服で来るの。
大矢:お葬式だから?
傳谷:そうそう(笑)いつも一緒にいるわけじゃないけど、そういう時にはちゃんと喪服でくる。言葉にはしないけど、心で通じ合っているみたいな感じかな。そこに絆みたいなものを感じたよね。
意外なアノ人も高校生役で出演
傳谷:それでね、恋の話とは言ったけど、結局恋は実らないんだ。
大矢:え?!ハッピーエンドじゃないの?!
傳谷:そうじゃない。だけど、清々しい気持ちで観終えることができるのが、この作品の特徴。恋は実ってないけれど、恋ってこういうことだよねと思える。ちゃんと、それぞれの想いは完結しているんだよね。
大矢:それって、なんか大人な感じだね。
傳谷:大人だなーと思うんだけど、3人は高校生らしい可愛いさがしっかりあるんだよね。私的には、やっぱり斉藤由貴さんが可愛いと思っちゃった。それにプラスして、可愛く撮るというか、カメラワークも素晴らしかった。それぞれの可愛さが、さらに際立たせているなと思った。
大矢:カメラワーク大事だよね。
傳谷:あとね、斉藤由貴さんが高校生というのも、新鮮に感じたのはあるけど、他にも柳葉敏郎さんや、小林聡美さんも高校生役で出ているの。
大矢:それは、私たちにとっては新鮮だよね!
傳谷:今だと、お母さんやお父さんの役をするみなさんが、青春ど真ん中を演じているのは本当に新鮮だった。
リアルな10代が描かれいる良作
傳谷:印象的なシーンのひとつが、心の声を字で表すところ。
大矢:どんな風に?
傳谷:心の声って、ナレーションで足しちゃう感じが普通かなと思うんだけど、それを文字にすることで、よりリアルに感じるようになっているの。女の子って、本心が中々言えないところあるじゃん?
大矢:うん、言えないよね。
傳谷:その感じが、文字と表現されていて、それがオシャレで良かった。
大矢:なんだか、ミュージックビデオっぽいね。
傳谷:そうだね!全体的に、そういうオシャレさが漂っていたと思う。だからかも、最初から最後までさらっと観ることができたのかなと。とにかく、今には無い純情さを感じる作品。高校生なのに、お姉ちゃんのタバコを吸ってみるとか、若さゆえのいけないことをやってみるみたいなところも、逆に良かった。
大矢:盗んだバイクで走り出すみたいな?
傳谷:そうそう、まさにそれだね。
大矢:今って、映画でやってもすぐに炎上だよね(笑)
傳谷:そうだよね。だけど、それってある意味リアルだと思うんだよね。恋愛モノって、少しファンタジーなものが多いから、もしかしたら恋愛物が苦手な人でも、すんなりと観られる作品なんじゃないかなと。色々な人に観てもらいたい作品だと思いました。今回の授業はこれまで!
大矢:ありがとうございました!
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『恋する女たち』ちょびっと補足
『恋する女たち』は1986年12月13日より、東宝の87年正月映画として『タッチ2 さよならの贈り物』と2本立てで公開され、配収9億5,000万円を計上したヒット作品です。
原作は氷室冴子の同名小説で、監督は自主映画から商業映画の世界へ参入する先駆け的存在となった大森一樹。ハリウッド映画などの軽やかで粋なタッチを踏襲する彼は、主演の斉藤由貴を「和製ゴールディ・ホーン」と称し、少女たちの青春群像を明るく軽やかに活写していきました。
それまでTVドラマ『スケバン刑事』(1985)や映画デビュー作『雪の断章―情熱―』(1985)と憂いのある役柄を演じることが多かった斉藤由貴は、本作でフワフワとした個性を醸し出すことに成功。以後『トットチャンネル』(1987)『「さよなら」の女たち』(1987)と、大森監督とコンビを組んで、80年代アイドル映画を牽引する“青春3部作”を発表していきました。
傳谷先生の指摘には、言われて初めてこちらも気づかされることが多くてびっくり。
確かにこの時期のアイドル映画は煙草だ酒だと、やたら主人公らを背伸びさせたがる傾向がありましたが、それは当時の作り手たちの「お子ちゃまでいるより、大人になったほうが楽しいぞ」とでもいったメッセージが込められていたのかもしれません。また当時は管理教育の反動もあってか、制服ではなく私服の自由さに憧れる学生のほうが多かったと記憶しています。
一方で今のSNSを先取りした文字演出は、字幕入り洋画で育った大森監督ならではの卓抜したセンスなのでした。
(by増當竜也)
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出演:ベイビーレイズJAPAN 傳谷英里香&大矢梨華子
企画・構成 黒宮丈治/写真・HIRO SATO/監修・増當竜也
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http://www.lespros.co.jp/special/babyraids/yaon/2017/
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