岡田准一主演『追憶』は「愛の物語」だった
(c)2017映画「追憶」製作委員会
岡田准一主演の映画『追憶』を観ました。
監督・降旗康夫、撮影・木村大作のヒューマンサスペンス映画として話題になっている作品です。
ラストを見逃せないヒューマンサスペンス映画
(c)2017映画「追憶」製作委員会
映画『追憶』は、じっくり観ることができる映画でした。
簡単ながら、ストーリーをご紹介。
幼少期に四方篤(岡田准一)、田所啓太(小栗旬)、川端悟(柄本佑)は共に過ごしていたが、とある事件をきっかけに会わなくなるが、事件から25年の時を経て、この3人が再会する。
しかし、それは、殺人事件によって引き起こされたものだった。
川端悟が殺人死体として発見され、刑事になった四方篤はこの事件を捜査するが、容疑者に田所啓太が浮かび上がる。
容疑者として疑われている田所啓太は、本当に川端悟を殺したのか。
なぜ、川端悟は殺されなければならなかったのか。
殺人事件の側面のサスペンスと、それぞれが抱える愛のヒューマン部分の両方が描かれている作品でした。特に殺人事件の結末を描いている終盤は本当に見逃せないです。
愛の行方をしっかりと見届けたくなる
(c)2017映画「追憶」製作委員会
なんといっても、四方篤を演じる岡田准一がすごく良かったです。近作の『海賊と呼ばれた男』で演じた国岡鐵造とは違う、かっこよさがあるのです。
豪快、男前、男気があるというかっこいいとは違い、きちんと過去に対して向き合って生きるかっこよさなのです。
特に田所啓太役の小栗旬とのシーンは、この映画の見どころでもあります。
予告編にもある、25年ぶりに四方篤と田所啓太が再開するシーンは観終わった後に振り返ると、すごくいいシーンだったと思います。
また、この映画に出てくる人々には、それぞれ背負っているものがあります。
つらい過去、誰にも言えない秘密、密かな愛。
彼らが抱えている愛について語るシーンは、どれも観ているこちらの胸に響くものばかり。事件を追うサスペンス部分も気になりますが、人間味を描いている部分も非常に見どころです。
映画の舞台となる北陸の景色も観てほしい
(c)2017映画「追憶」製作委員会
登場人物だけでなく、映画の舞台になった北陸の風景にも注目して欲しいです。
映画の序盤部分で、桜の木々のピンク色がスクリーンに広がる光景はすごくきれいでした。
そして、この映画で重要なシーンである夕日も、とてもきれいな場面の1つ。
夕日を観て、仁科涼子(安藤サクラ)が涙するシーンは、演技で泣いているのではなく、本当に泣いているようにも見えました。
真っ青な日本海、富山・金沢の町並み、山を背にした景色……どれも印象に残るものばかり。
人物だけでなく、風景にも注目して欲しいと思える作品は少ないと思います。ストーリーだけでなく、それを彩る要素にも関心を寄せてみてください。
また、『追憶』というタイトルは、映画を観終わった後、すごく納得できるものになっています。
最初から最後まで、スクリーンに映し出される全てをじっくりと観ていただきたい作品です。
(文:澤田孝志)
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