インタビュー

2017年05月19日

「Hey! Say! JUMP」に作る曲は年号がテーマ?「ピーチガール」音楽プロデューサー蔦谷好位置インタビュー

「Hey! Say! JUMP」に作る曲は年号がテーマ?「ピーチガール」音楽プロデューサー蔦谷好位置インタビュー



── ほかのキャラクターに当て込んだ楽曲の話も伺いたいです。

例えば、“カイリのテーマ”は、カイリ(岡安浬/演・伊野尾慧)が部屋にいるシーンとか、お父さんとの確執が描かれているシーンで流れる曲。これは、監督が父と息子の関係を『エデンの東』的なものなんだと言っていて、なるほど、と思ったんです。
ピーチガール 追加キャスト 升毅


(C)2017「ピーチガール」製作委員会 (C)上田美和/講談社


僕、『エデンの東』が大好きで。そのテーマ曲の「East of Eden」が3拍子なんですが、そこからアイディアをもらって、“カイリのテーマ”も3拍子にしました。

あと、男の子のキャラクターだと、最初は全部ピアノで作ってたんですけど、それをギターにして、楽器と曲調を変えたらキャラクターの違いが出るんじゃないか、というスタッフさんのアイディアで変えていった部分もあります。

それで、カイリはアコースティックギターで、とーじ(東寺ヶ森一矢/演・真剣佑)はエレキギターにしてみようかなと。とーじの登場シーンは、結構ハードロックめなギターサウンドに、ももちゃんは主役らしく、ピアノのほかにホーンとか色々入れて、華やかな印象にしました。

「沙絵ちゃんになら、騙されてもいい!」


ピーチガール サブ3


(C)2017「ピーチガール」製作委員会 (C)上田美和/講談社


── ちなみに、楽曲制作の時って、何度も映像を見られたと思うんですけど、どれくらい見たんですか?

同じシーンだけ何度も見ることも、もちろんありますが、全体通して見た回数でも、多分何十回も見てると思いますね。

── そんなに見られてるんですね! 特に好きなシーンってありますか?

沙絵ちゃんが「どいつもこいつもバカばっか」っていうところが一番好きですね。本当、沙絵ちゃん推しがすごいんですけど、「いやぁ、かわいいなぁ」って。彼女になら、騙されてもいいなって(笑)。
ピーチガール オフショット1


(C)2017「ピーチガール」製作委員会 (C)上田美和/講談社


沙絵ちゃんが好きっていうのはもちろんなんですけど、そのシーンで流れているのが、“沙絵のテーマ”を録音したときにおまけで録っていたピアノ曲なんです。たまたまそれを聴いた監督が、ここに入れましょう、と。

「バカばっか」っていうセリフとピアノのリズムがぴったりハマって、これは運命なんじゃないかと思って(笑)!

さっきオーケストラの話をした、ケーキが出てくるシーンもいいですよね。ネタバレになっちゃうといけないから、あまり詳しくは話せないけど。

あとは、ももとカイリの最初のシーンがすごく好き! 監督の演出力というか、キラキラしてて素晴らしいオープニングじゃないですか。音楽も、すごくいいものをつけられたと思うんですよ。もちろん、監督とスタッフの皆さんから導いてもらったものですけど、音楽プロデューサーとしていい仕事ができたんじゃないかと。

── では最後に、カイリ役の伊野尾さんは「Hey! Say! JUMP」のメンバーとしても活躍されていますけど、もし楽曲提供するとしたら、どんなイメージでしょう。

この前、たまたま音楽番組を見ていたら「Hey! Say! JUMP」が出ていて。昭和はダサいみたいな感じの曲があるじゃないですか。でも、「そろそろ平成も変わるかもしれないぞ」っていう、そこに対しての危機感のある曲を作りたいですね(笑)。「新しい年号に変わるときに、俺たちはどうなっていくんだ」みたいな。

── じゃあ、結構緊張感のある曲ですか?

年号が変わっても「Hey! Say! JUMP」は、ジャンプし続けるぞ! みたいな勢いのある曲がいいかな。今「Hey! Say! JUMP」が危惧してるのは年号、っていう感じの曲があったら、ちょっと面白いんじゃないですか(笑)。

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普段は何気なく聞いてしまいがちな映画音楽も、バックボーンを知ると、耳を傾けながら映画を見たくなりますよね。音楽に込められた想いを感じながら、映画を楽しむのもオススメです!


蔦谷好位置(つたや・こういち)
1976年生まれ。2000年、CANNABISとしてワーナーミュージックジャパンよりデビュー。2004年よりagehaspringsに加入。YUKI、Superfly、ゆず、エレファントカシマシ、 木村カエラ、Chara、JUJU、絢香、back numberなど多くのアーティストへ楽曲提供やプロデュース、アレンジを行う。近年では映画の音楽監督やCM音楽も多数手掛けるなど幅広く活躍している。

(インタビュー:大谷大、文:大谷和美)

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