特撮向上委員会
東映の十八番、「刑事ドラマ」を堪能しよう。「ギャバン」と「デカレン」がスクリーンで共闘!
東映の十八番、「刑事ドラマ」を堪能しよう。「ギャバン」と「デカレン」がスクリーンで共闘!
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会 第7回】
今から挙げる作品の共通点がわかりますか?
『スターウォーズ』、『エイリアン』、『バック・トゥ・ザ・フューチャー』、『ターミネーター2』、『ジュラシックパーク』、『ロード・オブ・ザ・リング』。
名作洋画? 違います。もう少し挙げてみます。
『となりのトトロ』、『風の谷のナウシカ』、『サマーウォーズ』、『魔法少女まどか☆マギカ』、『20世紀少年』、『鋼の錬金術師』、『宇宙戦艦ヤマト』、『うる星やつら』。
ここに挙げた作品の共通点、それは優秀なSF作品に贈られる日本の賞「星雲賞」の受賞作ということです。洋画、邦画、アニメ、小説、絵画など、幅広いジャンルの作品が受賞してるんですが、なんと特撮作品も受賞しています。
「ウルトラマン」シリーズからは、1998年に『ウルトラマンティガ』が、「仮面ライダー」シリーズからは、2002年に『仮面ライダークウガ』が。
そして2006年には、「スーパー戦隊」シリーズから『特捜戦隊デカレンジャー』が受賞しています。
今回はこのデカレンジャーを紹介させてください。
「デカレンジャー」は、ファンの間では「スーパー戦隊」シリーズの傑作中の傑作として評判の作品で、今もなおファンを唸らせ、そして新しいファンを獲得しつづけています。
その理由をいくつか挙げるとするならば、ひとつに刑事ドラマとしてのクオリティの高さが挙げられます。
それもそのはず。刑事ドラマといえば、東映の十八番中の十八番で、長年に渡ってヒットし続けています。
古くは『特捜最前線』、僕が子供のころは『はぐれ刑事純情派』、そしてシリーズ開始から15年以上経っても人気がまったく衰えない『相棒』。
そこでの経験に、絶妙な割合でSFを混ぜたのが「デカレンジャー」。犯人が宇宙人なのに、日本人が慣れ親しんだ刑事ドラマがテーマだからなのか、全く違和感がありません。
また、「デカレンジャー」には、「戦隊シリーズ」お約束の悪の組織は登場しません。犯罪を犯した宇宙人や、裏で手を引いている宇宙人を相手に戦うんですが、特定の悪の組織が存在しないことで、そこにストーリーを縛られることがないのです。自由度が高い作風で幅を持たせることもでき、そのため一話一話のクオリティが尋常じゃなく高いんです。
そういったところが、最高傑作と言われる理由の一つになってるんだと思います。 デカレンジャーはテレビシリーズが終わってからもとにかく話題に尽きません。
放送終了から6年後の2011年には、「デカレンジャー」のアメリカ版、『パワーレンジャーSPD』のDVDが発売。その日本語版吹き替えで「デカレンジャー」のキャスト本人が声を担当し、ファンを喜ばせました。
そして、2015年には『デカレンジャー 10 YEARS AFTER』として、続編が制作。これだけでも大満足なのに更なるサプライズが。
なんと昨日、2017年6月17日(土)。「デカレンジャー」と、とあるヒーローが夢の共演を果たした作品『スペース・スクワッド 宇宙刑事ギャバンVS特捜戦隊デカレンジャー』が劇場公開されました。
所属する組織や仕事内容が似ていることから、以前から共演してほしいという声があったものの、まさか本当に制作されるとは夢にも思っていませんでした。
そのヒーローの名は『宇宙刑事ギャバン』。
今から35年も前のヒーローですが、全く古さを感じさせないフォルム。ギャバンを演じる大葉健二さんの男くさいキレキレのアクション。終盤で登場した、千葉真一さんの感動の演技など、魅力を挙げればキリがありません。
ちなみに、7月15日(土)公開予定のパワーレンジャー。こちらは、スーパー戦隊の「恐竜戦隊ジュウレンジャー」が1993年にアメリカに輸出されて生まれた「パワーレンジャー」の劇場版。
(C)2016 Lions Gate TM&(c) Toei & SCG P.R.
豊富な制作費でリブートされ、来月いよいよスクリーンで見られるわけですが、ハリウッドが日本発の作品に影響を受けて作ったのは「パワーレンジャー」だけではありません。
このギャバンもそうなんです。
ちょうど30年前に公開された『ロボコップ』。機械的な動きのアクションとメタリックなフォルムは強烈なインパクトを残し、いまだに根強いファンがたくさんいる作品ですが、その監督が「ギャバン」のデザインを引用させてほしいと、デザイナーに手紙で許可を求めたそう。
「ギャバン」は銀河連邦警察から地球に派遣された宇宙刑事。このSFバリバリの壮大な作風は、のちの特撮作品に多大な影響を与え、そのDNAは当然「デカレンジャー」にも受け継がれています。
ということで、この二大ヒーローの奇跡の共闘を、ぜひ劇場でご覧ください。
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
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