映画コラム

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2017年06月26日

『ハクソー・リッジ』に胸が震えた!デズモンドの揺るがない信念に感動!

『ハクソー・リッジ』に胸が震えた!デズモンドの揺るがない信念に感動!



(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016



2017年6月24日に公開された映画『ハクソー・リッジ』を観ました。
今回はその映画の感想をお届けしたいと思います。

たった1人で激戦地の中、多くの兵士の命を救った実話


『ハクソー・リッジ』は第2次世界大戦に実在した衛生兵のデズモンド・ドスの史実に基づいた作品となっています。

このデズモンドは武器を持たずして、激戦地の中たった1人で75人の兵士の命を救ったと言われています。

映画のタイトルである『ハクソー・リッジ』は第2次世界大戦の激戦地・沖縄の前田高地のこと。
当然のことながら、映画ではキーとなる場所となっています。

まずはあらすじからご紹介したいと思います。



ヴァージニア州に済むデズモンド(アンドリュー・ガーフィールド)は元気に野山を駆けまわる少年。

しかし、幼少期の苦い経験から「汝、殺すことなかれ」という教えを大切にしてきた。

そんな彼は「衛生兵であれば人を殺さずに自分も国に尽くすことができる」と思い、軍隊に志願する。

部隊に配属されたデズモンドは厳しい訓練を受けるが、体力に自信はあり、難なく何の苦もなかった。

だが、ライフルの射撃訓練になるとデズモンドは教えをもとに銃の訓練はおろか、銃に触れる事さえ拒否する。

軍服や軍務には影響はないが、そのことが原因で軍曹や同じ部隊の兵士たちから嫌がらせが始まる。

さらには結婚を約束したドロシー(テリーサ・パーマー)との結婚式当日には命令拒否として軍報会議にかけられ軍を除名されそうになるが、、、




目を背けたくなるほどのリアルさがある戦場シーン


ハクソー・リッジを観終わった後には大きな爪痕が心に残っていました。
あまりにも強烈な映像がどんどん飛び込んでくるのです。

映画は前半と後半に分かれています。
前半部分はデズモンドが戦争に赴く前。そして後半は戦争に赴き、ハクソー・リッジでの戦いの場面。

強烈というのは当然この後半のこと。
銃撃戦が始まりを皮切りに戦争の恐ろしさと惨さが決壊したダムの水のように一気に流れ込んできます。

PG12の観覧年齢制限があるほど戦場のシーンはリアルに思えるほど描ききっているといっても過言ではありません。

銃に倒れる人が次々と画面に映し出され、手榴弾の爆発で足を失う人も。
目を背けてしまうほどにリアルに描いています。

それをさらにリアルだと感じさせるのは映像だけでなく、音響。

銃弾が飛び交う音や、静けさの中から突然現れる爆発の音。
まさに戦争の中に自分がいるかのような感覚にさえ感じます。

そんな中でデズモンドとその仲間たちが「どうか無事でいてほしい」という気持ちが高まるのは必然的。

こんなことが起こってはいけないと心に固く思いました。



(C)Cosmos Filmed Entertainment Pty Ltd 2016



デズモンドは世界一の臆病者?いや、彼こそ世界一勇敢な兵士だ


映画のポスターのキャッチコピーでは「世界一の臆病者」とデズモンドを表現していますが、私は彼を臆病者だとは一つも思いませんでした。
劇中でのデズモンドを観ればわかるのですが、彼の目には何一つ迷うものはなく、怯える表情すらありません。

彼が軍隊に志願し、軍曹や同じ部隊の兵士たちからの嫌がらせに何一つ屈することもなく、戦場から逃げるどころか自らの死を恐れずに傷付いた兵士を戦場で探すために足を戦場に向けています。

それは彼が持つ信念があったからだと思います。

「汝、殺すことなかれ」
「生涯、銃には触れない」

生死の狭間である戦場でこの信念を一度も曲げず、さらにはこの信念を信じて多くの兵士を救おうとする彼の行動には感動します。

こんな彼の事を臆病者と呼ぶ人はいるでしょうか。
いや、彼こそ世界一勇敢な兵士としてふさわしいのではないでしょうか。

信じるものがあるからこそ人は強く、勇敢にもなれる。
そういう風に思わせてくれる作品でした。

(文:澤田孝志)

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