映画館で働いていた時に出会ったちょっと変わったお客様
Photo credit: blondinrikard via Visual Hunt / CC BY
映画館で働いていたことがあるライター、ゆうせいです。本日は、映画館で働いていたときに出会った、ちょっと変わった人をご紹介したいと思います。
みなさんも映画館で映画を見る際、いろんな人と出会うと思います。マクドナルドを劇場内に持ち込んで臭いで映画の邪魔をしてくる人。ポップコーンを開始1分で盛大にひっくり返してしまう人、さらには上映中にスマホをチェックする人など。
いわゆる「あるある」ですね。しかし、今回ご紹介する2人はもう少し変わっています。映画館スタッフでないと出会えない人と言ってもよいかもしれません。それではさっそくご紹介します。
予告だけをはしごして帰る人
見出しで全部言ってしまいましたが、本編を見ずに予告だけを見て帰ってしまう人のことです。正確に言えば、一度は本編を見るのですが、そのあと本編前の予告だけを見に来る人がいたのです。
まあ気持ちはわかります。本編上映前の予告ってドキドキ、ワクワクしますからね。
「うおおお!来年公開って待ちきれないぃ!」
「これ絶対見る!」
「予告で泣ける…」
なんてことはよくある話で。その興奮を何度も楽しみたいのか、本編は見ずに予告だけをはしごする。洋画も邦画もアニメも関係なく、とにかく予告を見て帰ってしまう人。スタッフの間では「予告王」として丁重にご案内することを心がけていました。
今ではYouTubeで予告を好きなだけ見ることができますので、きっと王様もご隠居なされ、自宅でご鑑賞されていることと存じます。
Photo credit: _Krikke_ via VisualHunt / CC BY-NC-ND
映画館を託児所だと思っている人
続いて二人目ですが、これも見出しでバレバレですね。映画館を託児所のように使う人がいたのです。映画を見させておけば、その間に好きなことができると考えたのでしょう。
しかし、そんなに上手くことが運べは誰も苦労しません。ほぼ失敗します。
少し考えればわかることなのですが、いくら好きなアニメだろうと、真っ暗な空間で巨大スクリーンと大音量で見せられたら恐怖を感じるものです。特に幼児ならなおさらです。
でも、とにかく子どもを預けて遊びに行きたい気持ちが先行していますので、それに気づくことができない。座席まで案内し、お菓子とジュースをセットしたら大丈夫だと思っている。
怖くなって出てきてしまうお子さんがいると説明しても「うちの子は大丈夫ですから〜」と言って置いていく。本当に大丈夫な子もたくさんいるので何とも判断しにくいことでもあります。
「では、よろしくおねがいします〜」と立ち去っていきますが、ほぼ次のパターンで子どもが出てきて、半泣きで親の帰りを待つことになります。
- 暗くなった時点で飛び出してくる
- 予告でびっくりして飛び出してくる
- 本編の迫力に負けて飛び出してくる
- トイレに行きたいと出て来る
- お菓子とジュースがなくなったと言って出て来る
半数以上が1~3のパターンです。怖くなって出てきてしまうんですね。
ただ、予告でびっくりするパターンに関して言えば、ホラー、サスペンス作品の予告が入るときがあるので、劇場側の責任もかなりあります。そんなときは本編が始まったときに一緒に再入場して座らせると大丈夫なことが多いです。
どうしようもないのが、本編の迫力に負けて飛び出してくるパターンです。本編が怖いので再入場を促しても無理です。スタッフの横でポップコーンを食べながら、親の帰りを待つ姿は切なすぎます。
トイレに関しては喜んで案内しますが、お菓子とジュースに関してはどうすることもできません。むしろ知らねぇよと言いたくなる気持ちを抑えることで精一杯です。
そして、1番恐ろしいのが帰ってきた親です。子どもの様子を見て、叱りつける人もいれば、ひたすら謝り倒す人もいます。さらに、「見てないので返金してください」という方もいます。まあ確かに見てはいないですよ、でも、「私たちがあなたの子どもを見ていましたから」とやんわり伝えることでご納得いただいておりました。
いずれにせよ、1番の被害者は子どもです。何もなかった2時間を過ごした背中はより小さく見えて、その後は丁重にお断りするようにしました。
写真はイメージです。
Photo credit: Upsilon Andromedae via Visualhunt.com / CC BY
さいごに
映画館で働いているといろんなお客様に会うことができます。鑑賞後にスタッフを捕まえてミニ感想会を開く方や、毎回決まって同じ席を購入する方など。
実は深夜に1人でホラー作品のテスト上映をしたときに、ちょっとした体験をしたことがあるのですが、それはまた別の機会にお話できたらと思います。
それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。
(文:ゆうせい)
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