化学反応おきまくりヒーロー!『仮面ライダー電王』【篠宮暁の特撮辞典・第2回】
仮面ライダーが電車に乗る『仮面ライダー電王』
放送前に特撮ファンは皆口々にこう言ってました。
これ大丈夫なんかいなと。
しかし、放送されるとたちまち人気に火がつき、週を追うごとにその人気に拍車がかかっていきました。
その人気はなんと放送が終わってからも勢いが衰えず、異例の放送終了後に「電王」の映画が作られたり、その後のライダーとコラボしたりと、計10本の映画に登場する事態にまで発展しました。
化学反応がおきまくった「電王」
その人気の理由を僕なりに分析すると、まずは“魅力的な味方のイマジン”。
イマジンというのは時間の流れを乱そうとする敵のことなんですが、イマジンなのに主人公に味方することになるモモタロス、ウラタロス、キンタロス、リュウタロス。
この4人のイマジンが四者四様に個性があり、戦闘シーンはもちろん、デンライナーという時を越えて移動できる列車内でのやりとりで、作品を大いに盛り上げてくれます。
戦闘シーンでは、電王に各イマジンが憑依して戦闘スタイルを変えるという画期的なシステムが取り入れられ、毎回どのフォームに変わるかというワクワク感も例年以上に。
そして、この4人のイマジンに息を吹き込んでくれたのが関俊彦さん、遊佐浩二さん、てらそままさきさん、鈴村健一さんという豪華声優陣の方々。この方々のおかげでアニメファンの方も特撮ファンになり、「電王」のイベントでは黄色い声援が会場に響き渡りました。その人気は、AAAが歌ってた主題歌「Climax Jump」が途中から、この四方が歌うバージョンに変わる程でした。
声援さん人気もさることながら、イマジンのスーツを着てアクションするスーツアクターさんも、この作品でさらに脚光をあびることになります。特にモモタロスのスーツアクター、高岩成二さんは電王の各フォームも1人で演じわけられ、その凄技は10年近く経った今でもファンの語り草となっています。
佐藤健、始発の姿
あと、何と言っても人気の要因となったのは“佐藤健の類い稀なる名演”。
いまや日本トップクラスの若手俳優ですが、出世作はこの「電王」。ひ弱で運の悪い主人公・野上良太郎を演じるんですが、先ほど触れた電王に憑依するイマジン達は、なんと変身前の良太郎にも憑依するんです。
レギュラーのイマジンに加え、映画のイマジンも含めると計7人のイマジンが良太郎に憑依。佐藤健さんは、それを見事に演じ分けるという荒業をこの作品でやってのけたんです。なので佐藤健さんがブレイクされた時、特撮ファンはこう思ったはず。
そらそやろと。
映画『るろうに剣心』のアクション見て驚いてる人がいた時も、「何ビックリしてんの? タケルは昔から出来るねんで」と偉そうに話し、怒られたことも今となってはいい思い出。
佐藤健さんの伝説の始まり、いや始発の姿を是非確認してみてください!
ちなみに第41話で僕、ちょっとだけ出させてもらってます。
その時の気持ちはまさに…
うっひょひょーい うっひょ憑依!
(文:オジンオズボーン・篠宮暁)
※この記事は、WEBサイト「WB」にて以前連載していたものを、再編集したものです
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】も連載中!
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