特撮向上委員会
半世紀ぶりに東映が放つ渾身の怪獣作品『シリーズ怪獣区 ギャラス』を要チェック!
半世紀ぶりに東映が放つ渾身の怪獣作品『シリーズ怪獣区 ギャラス』を要チェック!
東映で怪獣作品が!!と話題の「東映特撮ファンクラブ」(「TTFC」)配信作品『シリーズ怪獣区 ギャラス』。
「ギャラス」が配信されると初めて耳にしたときは、とても驚きました。
なぜなら東映に怪獣のイメージがなかったからです。
1960年代、ウルトラマンに登場する怪獣達の人気に火がつき、怪獣ブームが起こりました。
すると各社が怪獣映画を続々と制作。
すでに人気を不動のものにしていた東宝の「ゴジラ」シリーズを始め、大映は「ガメラ」を、松竹は「ギララ」を、というなか、東映が世に送り出した怪獣作品が『怪竜大決戦』。
若き日の松方弘樹さんが主演を務める、時代劇忍者もの。
一見怪獣作品ではないと思いきや、松方弘樹さんが演じる殺された殿様の息子・自雷也とその殿様を殺した犯人・大蛇丸がそれぞれ大ガマガエルと竜を呼び出して闘う、クライマックスのシーンは紛れもない怪獣映画。
ゴジラやガメラにはない、むしろ仮面ライダーやスーパー戦隊が少し匂ってくる東映感のある作品になっています。公開されてから50年以上経った今見ても存分に楽しめる作品なのですが、この『怪竜大決戦』、実は東映の最初で最後の怪獣映画として知られています。
スーパー戦隊では、もう40年近く巨大戦が行われていますが、「怪獣作品か?」と聞かれれば確かにそんな風に見たことはありませんし、スーパー戦隊ロボの見せ場として僕は楽しませてもらっています。
こういったこともあり「ギャラス」の発表は多くの特撮ファン、特に東映ファンを驚かせたのです。
「ギャラス」は約17分の短編作品。その17分の間に怪獣特撮の魅力が集約。
精巧なミニチュア、オープンセット、そしてCGを使わずに躍動する着ぐるみのギャラス。
スーパー戦隊の巨大戦とは違う魅力を感じることができます。
出演は『仮面ライダーウィザード』のコヨミでおなじみの奥仲麻琴さんと『宇宙戦隊キュウレンジャー』の追加戦士・ホウオウソルジャー役でまさしく伝説となった南圭介さん。
お二人が出演されてるからなのかはわかりませんが、仮面ライダーやスーパー戦隊とテイストは全然違うのに『怪竜大決戦』と同じく、やっぱり何故だか感じる東映感。
安心のハイクオリティ。
見終わると「ギャラス」に愛着心が沸いてることに気づきます。
等身大のヒーローを作らせたら右に出るものはいない東映。
その東映が何故、今 怪獣なのか。
それはハリケンイエロー/尾藤吼太を演じていた山本康平さんによる「TTFC」配信番組の『忍び道』を見ていただくと明らかに。
元々はオリジナルの等身大ヒーローを制作することを目標に進んでいたこの番組。
ところが『忍風戦隊ハリケンジャー』のプロデューサーも担当していた、「ギャラス」プロデューサー・塚田英明さんのとある一言で急展開。
果たして、どこで怪獣に舵を切ったのか。
その瞬間がしっかりと映像に収められていますので、是非「ギャラス」と共に見ていただきたいんですが、そんなこんなで超強力なスタッフ陣まで揃ったこの作品。
ここまでこぎつけた山本康平さんの熱量も相当熱いんですが、塚田プロデューサーはじめ怪獣作品に飢えてた東映チームがここぞとばかりにこだわりを詰め込んでいるからか、作品の熱も相当高いです。
塚田プロデューサーといえば「ハリケンジャー」を始め『特捜戦隊デカレンジャー』や『魔法戦隊マジレンジャー』、仮面ライダーでいえば「W(ダブル)」や「フォーゼ」のイメージが強いですが、元は早稲田大学の超有名サークル、怪獣同盟のご出身。
熱が入らないわけがありません。
『怪竜大決戦』から半世紀経った今、ようやく東映が放つ渾身の怪獣作品。
続編への期待も持ちつつ、まずはこの「ギャラス」を擦り切れるまで見て、怪獣特撮への愛もさらに深めていきたいと思います。
■『シリーズ怪獣区 ギャラス』の特報はこちらの記事から
(文:篠宮暁)
【オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会】
第92回:『快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー』最終回!この1年を振り返る
第91回:スーパー戦隊に欠かせない巨大ロボ。三体合体ロボの魅力や法則とは?
第90回:万丈を堪能できる『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』の魅力を力説
以前の記事はこちらから
【オジンオズボーン・篠宮暁の特撮辞典】も公開中!
(C)東映特撮ファンクラブ
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