映画コラム
金持ち王子が無課金で純愛する『星の王子ニューヨークへ行く』こそ至高のラブストーリー
金持ち王子が無課金で純愛する『星の王子ニューヨークへ行く』こそ至高のラブストーリー
究極のラブストーリーを1本選んでと言われたら、私は迷わず『星の王子ニューヨークへ行く』を選びます。ご存じ無い方のために一言で説明しますと、「アフリカのとある国の王子が結婚相手を探しに身分を隠してニューヨークに行く」というストーリーです。
もう一度言います。
お金持ちの王子が身分を隠してアメリカ・ニューヨークへ渡り、そこで自分にぴったりの女性を探す物語です。
王国では何一つ不自由なく暮らし、王子の歩く道には花びらがまかれるほど。そんな王子は国王が許嫁とした女性ではなく、王子という肩書に関係なく、素の自分を心から愛してくれる女性と一緒になりたいと考えたわけです。
ここまでお読みになって、どんな展開を想像されましたか?
王子は身分を隠しながら、ニューヨークのマンハッタンでビジネスマンとして働き始める。そこでキャリアウーマンの同僚との運命的な出会い、そしていつしか2人は恋に落ちる。しかし自分の正体を明かすことができない王子、しかしついに秘密がバレてしまって…
みたいな流れでしょうか?
いいえ、そんなキラキラ系ラブストーリーではありません。
無課金ユーザーとしてスタート
まず王子はビジネスマンとしてニューヨークへは行きません。アフリカから来た留学生という花嫁探しには圧倒的に不利な条件からスタートする気骨を見せてくれます。さらにニューヨークはニューヨークでも、多くの人が想像するマンハッタンのようなビジネス街ではなく、スラム街に着地します。地図を広げて名前だけで選んだ結果、夜道と背後には常に気をつけなければならないところに住むことになるのです。
「とは言え王子なのだから、お金はたくさんあるんでしょ?」
いいえ、お金は恵まれない人に寄付し、ほぼ無一文になります。もっとわかりやすく言えば、無課金ユーザーとしてフィールドに降り立つのです。
お金の力を借りずに己のステータスだけで勝負する。
ここまで来ると、王子に対して妬みや嫉みの感情など一切出るはずもなく、両手を挙げて王子を応援するしかなくなります。
これが、究極のラブストーリーとして私がおすすめする理由なのです。
さいごに
まあお金はなくても、王子は英才教育を受けているのでステータスはかなり高めです。しかしその高いステータスに慢心することも増長することなく、王子の気品とは何であるかを身をもって示してくれます。
もちろんステータスが高いがゆえに苦労することもありますが、スラム街の住人にアドバイスを求めて実践したり、とにかく王子の素直さと行動力がすばらしく、自分が女性だったら絶対に王子と結婚したいくらいです。
本作は、恋愛において大事なことはお金ではなく気骨と気品であることを教えてくれます。王子が見せてくれる究極の恋愛にぜひ酔いしれてください。
それではまた。ご存じ、ゆうせいでした。
(文:ゆうせい)
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