『映像研には手を出すな!』5つの見どころ|乃木坂映画の達人が最高の世界を目指す!
(C)2020 「映像研」実写映画化作戦会議
(C)2016 大童澄瞳/小学館
アニメ化もされた大童澄瞳のベストセラーコミック『映像研には手を出すな!』が春のドラマ放映を経て、待望の映画化です。
乃木坂46がメインキャストを務めた、薙刀に青春を捧げる女子高生の姿を描いた『あさひなぐ』の監督・スタッフが再結集して、最高の世界を目指すマイナー部活“映像研”の大逆襲を描きます。
今回は映画『映像研には手を出すな!』の見どころを紹介します。
ストーリーは??
ドラマでは
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芝浜高校に入学した浅草みどりと金森さやかはアニメ制作を目指してアニメ研究会に入ろうとしますが、極度のコミュ障の浅草みどりにとっては研究会への入会はあまりにも高い壁でした。
それを横で見ている金森さやかは徹底した資本主義の人。アニメ制作には興味がないもののお金の臭いを感じた金森は新たに新部活“映像研究会”を立ち上げを画策します。
ここにカリスマ読者モデルの水崎ツバメが加わります。両親が俳優という芸能一家に生まれたツバメは両親から同じように芸能の道を歩むように求められていますが、本人はアニメ制作を志しています。堂々とアニメに関われないツバメは隠れ蓑になる“映像研”に参加することになります。
最初の難関は予算審議委員会、アニメ研究会とは別の存在感を見せなくてはいけない映像研はクリエイター魂を暴走させる浅草&ツバメとその手綱を握る金森の活躍(暗躍)もあって、映像作品を芝浜高校の大・生徒会に見せて、その存在意義を(半ば強引に)認めさせました。
映画では
すっかり映像研にペースを乱され、さらにほかの部活たちにも自己主張を見せるようになってきた中で、芝浜高校の大・生徒会は類似する部活動をまとめ直す、部活動の統廃合を推し進めていきます。
アニメ研究会との統合を迫られる映像研でしたが、金森はなんとロボット研究会と共同で活動することに活路を見出します。
ロボット研究会が作っているロボット・ターロスをメインに据えたアニメを制作することになった映像研。
果たして、映像研は作品を創り上げることができるのか?大・生徒会からの引き締めから逃れることができる。
マイナー部活にだって青春はある
高校時代の青春と言えば甲子園を目指す野球、国立を目指すサッカー、花園を目指すラグビーという感じですが、何も部活動はそれだけではなく文科系の部活にもそれ相応の青春があります。
『桐島、部活やめるってよ』の映画部や『ちはやふる』の競技かるたなどなど、映画のテーマになっているものも少なくありません。
『映像研には手を出すな!』の舞台芝浜高校では、生徒は必ず部活に所属しなくてはいけないという名目のもと、主役の映像研はもちろん、429の部活と81の倶楽部・同好会がひしめいています。
そんな細分化された部活動の彼らが予算と活動の場を求めて、大・生徒会の管理と対峙します。
細分化され過ぎたために、どうしても少人数になりがちの各部活ですが、わずか3名の映像研が登場し、ありとあらゆる手段で大・生徒会を手玉に取ることから、知らず知らずのうちに各部活も刺激を受けていきます。
監督は乃木坂46映画の達人
(C)2020 「映像研」実写映画化作戦会議
(C)2016 大童澄瞳/小学館
監督の英勉は、今年2020年には新作が4本も公開される勢いに乗っている監督の一人です。
2017年に『あさひなぐ』を監督して乃木坂46とタッグを組み、その後も2019年の『映画 賭ケグルイ』で松村沙友理、今年の『ぐらんぶる』で与田祐希などの乃木坂46メンバーを起用しています。ちなみに、『映画 賭ケグルイ』は来年2021年に続編が待機中です。
そんな乃木坂46と映画の橋渡しをたびたび務めてきた英勉監督が本作も手掛けています。
今回の乃木坂46のメンバー(齋藤飛鳥、山下美月、梅澤美波)とは組むのは初めてですが、英勉監督はドラマ版の時から演出に参加していることもあるのでしょう、メンバーとの連携感を築いていることが分かります。
メンバーからのコメントからも監督・スタッフへの信頼感を感じさせます。
魅力たっぷり主役の乃木坂メンバー
(C)2020 「映像研」実写映画化作戦会議
(C)2016 大童澄瞳/小学館
主役の映像研のメンバーを演じるのは乃木坂46一期生の齋藤飛鳥と三期生の山下美月と梅澤美波。
齋藤飛鳥は映画『あの頃、君を追いかけた』以来の映画主演となります。『あさひなぐ』の舞台版では主役を張るなど若手のエース格で、最近では楽曲のセンターを務めることも多くあります。ドラマ『リモートで殺される』も話題になりましたね。
共演の三期生山下美月は2018年の映画『日日是好日』で樹木希林や黒木華、多部未華子と共演してスクリーンデビュー。短い出番でしたが印象を残しました。
モデルとしても活躍する梅澤美波は舞台などでの演技経験を積み、本作で待望の映画デビューを飾りました。
期別で見ると先輩・後輩の関係がありますが、年齢的に近い部分こともあって息の合ったやりとりを展開します(身長的な並びも効果的に映ります)。
乃木坂だけじゃない、主演級若手俳優がずらり
共演者の若手俳優にも主演級がずらりと並んでいます。
大・生徒会のメンバーには『初恋』『ファンシー』などで今年本格スクリーンデビューを飾った小西桜子や『屍人荘の殺人』や『思い、思われ、ふり、ふられ』など話題作が続く東宝シンデレラ出身の福本莉子がいます。
またロボット研究会には板垣瑞生や赤楚衛二が、音響部の百目鬼にはドラマ『24Japan』も控える桜田ひよりが出演しています。
さらにドラマではわずかな出番だった浜辺美波が映画ではカギを握る気象研究部員を演じています。
浜辺美波と英勉監督は『映画 賭ケグルイ』でも組んでいます。
アイドル×映画を正面から
今、日本である程度の規模感で映画を作るときには人気の原作とアイドル(的存在)を用意しないと成り立たないと嘆く声が多く聞こえてきます。
実際、その通りの部分もあるのですが、それで嘆くだけで映画を諦めたり、放棄するのはどこか無いものねだりをしているような気もします。
映画『映像研には手を出すな!』はそういう風に嘆いている人から見るとある意味“嘆かわしい日本映画の今を象徴する一本”として見られるでしょう。
しかし、何事も徹底して、突き詰めるとやはり形になるもので、『映像研には手を出すな!』は熱量のある映画に仕上がっています。
乃木坂46のメンバーが主役になっていますが、乃木坂の知識は全く必要ありません、コミック原作でドラマから続く形になっていますが、映画の冒頭にそれまでの流れが挿入されているので、そこまで苦になりません。
映画『映像研には手を出すな!』は青春時代って後から大人の目線で見ると、何でもないようなことに夢中になってたなぁと言うことを思い出させてくれました。
「こういう作りの映画はちょっと・・・・」という方にこそ、見て欲しい一本であります。
(文:村松健太郎)
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