リゼのメガネはJiNSだった!? レア展示もあった映画『東京喰種 トーキョーグール』×UUUMクリエイター試写
2017年7月15日(土)、UUUM所属のYouTuberさんをご招待して、映画『東京喰種 トーキョーグール』の限定試写イベントが開催されました。
ストーリー
(C)2017「東京喰種」製作委員会 Ⓒ石田スイ/集英社
物語の舞台は、人の姿をしながら人を喰らう怪人“喰種(グール)”が潜む東京。そこに暮らす読書好きの平凡な大学生である金木研(カネキ)は、ある事件に遭い瀕死の重症を負ってしまうが、同じく瀕死の状態で病院に運び込まれた喰種の臓器を移植されることで一命を取り留めるも、半喰種となってしまう。
人間とも喰種ともつかない立場となったカネキは悩み苦しみながらも、喰種の拠り所となっている喫茶店『あんていく』のマスターや従業員たちに助けられながら、喰種の立場や感情を知り、そして共感していく。
やがて、カネキは喰種を駆逐しようとする人間側の組織『CCG(Commision of Counter Ghoul』と喰種との熾烈な戦いに巻き込まれながら、お互いにとって、あるべき世界を模索していく。
監督らを招いてのトークイベント
映画『東京喰種 トーキョーグール』本編の試写後、ゲスト登壇者として本作の萩原健太郎監督、VFXスーパーバイザー・桑原雅志さん、松竹株式会社の永江智大プロデューサーを迎え、制作の裏話や会場のYouTuberからの質問に答えてもらいました。
萩原健太郎監督
冒頭で本作を製作するにあたって大変だったところ、やりがいを感じたところを聞かれた萩原監督は、「全部大変でしたけど、CGについて言えば、原作ではあまりディティールが描かれていない“赫子(カグネ:戦闘時には武器となる喰種の捕食器官)”を実写に置き換えた時に原作ファンの期待を裏切らずにリアリティを持たせられるか、映画を観たお客さんがどういう印象を受けるか、というところで原作をよりアップグレードできるかなと」と、振り返り、「ただのバケモノで怖いという一面しかない喰種が、カネキを通して彼らの悲しみなどを知っていくことになるので、赫子(カグネ)に関しても『(気持ち悪さ)7:(美しさ)3』ぐらいの割合にしたかった。そうすることによって喰種の違う側面が見えてきた時に美しく見える。そうした演出・観た人に与える印象を加えていくということが今までの邦画のCGであまりなかったと思う」と、苦労したCGに関しての自信も語ってくれました。
VFXスーパーバイザー・桑原雅志さん
萩原監督の話を受けて、本作のVFXスーパーバイザー・桑原さんは「監督が言ってた『(気持ち悪さ)7:(美しさ)3』というのは今回の赫子(カグネ)のデザインに関する一番のコンセプトで、気持ち悪すぎても綺麗すぎても監督からダメ出しされて、7:3のバランスがとても難しかった」と、その苦労を振り返りつつ、
「でも、僕的には、その中にも痛々しさみたいなものも入れたいと思って、実際には『(気持ち悪さ)6:(美しさ)2:(痛々しさ)2』かな。赫子ひとつにおいても色々な思いを練り込んだ上での完成形のような気がします」と、本作のCG・VFXに込めた思いを語ってくれました。
松竹株式会社・永江智大プロデューサー
また、永江プロデューサーは本作の制作にあたって「心掛けた事が2つあって、ひとつは人間であっても喰種であっても、心の葛藤といった人間ドラマという部分を大切にして作っていきたいという点、もうひとつは、映像表現として赫子やクインケといった原作やアニメでは分かりにくい部分を如何に現実に落とし込んでいくかという点。そこを非常に考えて苦労しながら生み出していった」と、本作の制作決定当初からずっと携わっている、プロデューサーならではの視点で振り返ります。
続けて、「皆さんも、同じクリエーターとして色々な制作をされていて、映画人とクリエーターの皆さんと(映像制作に対する)思いは同じなのかなと思います。そこを共有できたらイイなと思いますので、今日はどんどん質問して頂ければと思います」と、質疑応答への流れを自ら作ってくださいました。
参加したYouTuberとの質疑応答
続いて、参加者の方々からの質疑応答に。
男性クリエーターさんから「原作ではトーカちゃんの赫子が『綺麗』って言われるシーンがあるが、意識して(7:3の割合より)綺麗に見せようとしたのですか?」の質問に対し、萩原監督が回答。
「今回の映画ではそのシーンは描いていないので、特別綺麗にしようという意識はしていないです。ただ、トーカの心の痛みと赫子が繋がるように気持ち悪さより痛々しさを意識した部分はありますね」と、赫子のCGにはキャラクターの感情が込められていることを披露。
女性クリエーターさんから「撮影も含め、全体の制作期間はどのくらい掛けたのですか?」の質問に対しては、プロデューサーの永江さんが「準備は昨年2月ぐらいから4〜5ヶ月を掛けて、撮影自体はちょうど1年前の7月頭から始まって、終わったのが9月の中旬ぐらいでした。そのあとがポスプロ(ポストプロダクション:編集や音声合成、CG合成などの仕上げ作業)になりますが、今回はVFXや音響にも拘っていて、桑原さんのCG作業もそうですし、音楽は『マトリックス』シリーズのドン・デーヴィス(Don Davis)さん、効果音は『メッセージ』や『ゼログラビティ』のニコラス・ベッカー(Nicolas Becker)さんにお願いして、大体9ヶ月ぐらいを費やしています」と、映像美や音響といった部分への力の入れ具合をアピール。
また、別の男性クリエーターさんからは「アクション監督が『牙狼』シリーズの横山さんですが、(対喰種機関・CCG捜査官)亜門の衣装は『牙狼』の主人公を意識したんですか?」の質問に対し、萩原監督が「いや、それはたまたまですよ。でも、現場で桑原さんも言ってたね」とVFXスーパーバイザー・桑原さんにふると「僕も現場で見て『牙狼』だなって思いました」と答え、会場が笑いに包まれました。
(C)2017「東京喰種」製作委員会
更に、別の女性クリエーターさんからは「漫画やアニメとは違ったグロさや怖さが表現されてましたが、作ってる側でもグロいなとか苦手だなと思う事はありませんでしたか?」という質問。
萩原監督が「最初はそう思いながらやってるんですけど、何回も見てると(グロさが)足りないんじゃないかと思ってきます」と答えて会場の笑いを誘い、「そういう意味では、皆さんほど気持ち悪く感じてないです。(出演者が食べていた撮影用の人体に)バナナとかパンとか入ってるから、その方が気持ち悪く感じちゃう(笑)」と本音を吐露すると、
永江プロデューサーから「(人間を)食べるシーンがありますが、実際凄く美味しんです。目玉はカルピス味で、腕は(骨の部分に切ったバナナが入っていて)バナナ味なんです」と衝撃の裏話が飛び出し、「そういう部分を知っていると余計に麻痺して、だんだん喰種化しちゃって、危ないです(笑)」と、映画を観ているだけでは分からない裏話を披露してくれました。
最後に、男性クリエーターから「原作コミックスは14巻まで出ていますが、どこまで描くかは最初の段階から監督の中で決めていたのですか?」という質問が。
実は萩原監督が参画される前から、どこまでのストーリーか決まっていたそうで、代わって永江プロデューサーが「映画は、2時間、長くても3時間弱という中で、(原作のストーリー)全部を詰め込むことはできない。名エピソードと言われる部分を抜き出して詰め込んだ作品もありますが、『東京喰種 トーキョーグール』に関しては感情の流れが非常に重要で、特に主人公・カネキの成長していく過程といったところを考えていった時にコミックスの1〜3巻に当たる部分が彼が喰種として生きていこうと決意する節目となっています。皆さんが見たいエピソードは色々あるとは思いますが、そこをきちんと丁寧に作るというところに特化して実写化するパートを決めました」と、原作の世界観を崩さず丁寧に作られている本作への拘りは企画段階から始まっていたことを語っていただき、質疑応答は締めくくられました。
参加者プレゼントのカネキのマスクを着けて記念撮影
その後は、今回のイベントの記念として参加者に配られたカネキのマスク(ペーパークラフト)を着けて、参加者全員でゲストのお三方を囲んでの記念撮影。映画ポスターでのカネキ(窪田正孝さん)のポーズを真似てパチリ。
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