山田涼介の泣きの芝居が素晴らしい!『鋼の錬金術師』は劇場の大きなスクリーンで体感して
(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会
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2017年12月1日(金)から劇場上映中の『鋼の錬金術師』。荒川弘さん原作の同名漫画が、豪華キャストで実写映画化された作品です。
主演の山田涼介さんはもちろん、『鋼の錬金術師』にはイケメンが多数出演! そこで、映画のイケメンたちをフィーチャーする「シネマズ女子部」では、『鋼の錬金術師』で”THE イケメン”として活躍したキャラクターを紹介します。
エドワード・エルリック役 山田涼介
山田涼介さんは、『暗殺教室』(2015、卒業編2016年)で映画に初主演したかと思えば、3年連続で主演作が公開、あっという間に5作目の出演となりました。
その間、24時間テレビ内で放送されるドラマや、月9『カインとアベル』(2016)に主演し、2018年1月スタートの主演ドラマも決定しています。
筆者としては「いよいよ山田涼介の役者の時代が来たか!」という気持ちです。山田さんが所属するHey! Say! JUMPでは、不動のセンターながら”THE 役者”という立ち位置ではなかったからです。
というのも、山田さんは役者としてはデメリットになりかねない要素をいくつか持っています。
ひとつは、身長がそれほど高くないことです。他の男性陣や長身の女優さんと並んだ時に、身長が低く映ってしまうのは、やはりプラスになることではありません。
(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会
もうひとつは、顔がイケメンすぎる(整いすぎている)ことです。もちろん「イケメン俳優」と言われる役者さんはたくさんいますが、顔が持つ力は大きく、役の幅が限定されることもあります。
これら二つに加えて、これまで、アイドルであるということもマイナスに傾いてしまうことがあったのではないでしょうか。10代前半からドラマに出演し、お芝居の経験は豊富ですが、「山田涼介」の確固たるイメージを大きく崩すようなキャラクターは演じてこなかったように思います。
しかし今作、これらの要素を受け入れて挑んだキャラクターだったのではないでしょうか。特に役者として素晴らしい技術だと感じたのは「泣く」お芝居です。
エドは、史上最年少で国家錬金術師の称号を得た天才ですが、弟・アルをはじめ、周りの仲間を思う気持ちは人一倍強く、人間らしい部分を持っています。そのため、映画でも何度も泣く場面がありました。
そのひとつひとつに色があり、違いがあって、ただ、物理的に、泣くという範囲を超えていたのは注目すべきポイントです。エドとして、あるいは山田涼介として心が動いて泣いているのが伝わってきます。
(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会
身長が高くないというのは、鎧姿のアルの存在によってむしろ効果的に働きましたし、イケメンすぎる容姿は主役としての存在感に加担しました。さらに、「アイドル・山田涼介」を応援する人を裏切らないアイドルとして培った身のこなし、直向きな様子は一見の価値があリます。
これから役者として山田さんがどんな風に成長するかはさておき、これまで抱えてきたよい面、悪い面のすべてを引き受けたからこそ演じられたエドになっています。山田涼介としてもひとつの集大成になっているでしょうし、同世代のほかの役者を考えても、今エドを演じられたのは山田さんだからこそ、ではないでしょうか。
マスタング大佐役 ディーン・フジオカ
(C)2017 荒川弘/SQUARE ENIX (C)2017 映画「鋼の錬金術師」製作委員会
最初から最後までかっこよかったマスタング大佐。
ディーン・フジオカさんは現在もドラマ『今からあなたを脅迫します』に出演されていますが、来年公開予定の3本の映画に出演が決定しており、それに加えアーティスト活動、報道番組への不定期出演など忙殺される日々のなかで、どうしてこれだけのパワーのあるお芝居ができるのか理解が及びません。
朝ドラ『あさが来た』を始め、『探偵の探偵』、『IQ46〜華麗なる事件簿〜』などで、憧れるかっこ良い男性を演じている印象が強いですが、今回もまさに自分の正義を貫き、守るべきものを守るかっこ良いキャラクターでした。
錬金術師のなかでも、圧倒的な攻撃力を誇ることから、周りに恐れられている部分もありますが、エドや、ホークアイ中尉(演・蓮佛美沙子)との信頼関係の強さからみても、人としての強さ、正しさを伺うことができます。
何より、パチンと指をならす(それによって火炎錬成する)姿が素敵でしたし、人造人間であるホムンクルスのラスト(演・松雪泰子)に責められた場面でも、最後まで果敢に挑む姿は胸をときめかせてくれました。
エンヴィ役 本郷奏多
エンヴィはホムンクルスで、エドやマスタング大佐の“敵”です。見たことのある相手そっくりになることができる変身能力を持っているため彼によっていろいろな波乱が巻き起こりました。
本郷奏多さんは細身の体型を活かして(ほんとうに華奢!)狂気的な役を演じていましたが、さすがの安定力という印象を受けました。
エドやマスタング大佐は、人間味のある様子がお芝居で表現されていることで、実写化ならではの味を持たせることができる役どころですが、人間ではない「悪役」を演じた本郷さんは、人間が演じることによる実写化ならではのよさを、むしろ極限まで消すことでキャラクターを際立たせる必要があります。
ラストを演じた松雪泰子さん、グラトニー役の内山信二さんにも言えることですが、実写化で難しいのはこういった「悪役」の完成度なのだろうなと思わされます。人間的でないビジュアル、人間味のない冷酷さを生身の人間が演じることで失われてはいけないという点で、本郷さんはじめ3名の容姿やお芝居の質がとても高く、『鋼の錬金術師』の世界観が保たれていたように思います。
『鋼の錬金術師』は映画館で見るべき作品
本作はIMAXや4Dでも上映しているように、映画館の大きなスクリーンで観て、体感することで面白さが倍増する作品になっています。
通常の2D上映でも、壮大な音楽、CGやVFXを駆使した映像と役者のお芝居との融合を十分に楽しむことができますが、上映方法を変えて2度、3度と堪能できる作品です。
また、心奪われるキャラクターがたくさん登場しているので、ぜひ、劇場でご覧ください!
(文:kamito努)
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