いい濡れ場は馬鹿な濡れ場。田舎セックスが“すげー良い!!”映画『ローリング』
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映画の中に「濡れ場」があるというのを先に知ってるのと、観てる最中に知るのと2タイプある。
もちろん前者は期待からくるハードルが生まれるし、後者は急にお金拾ったかのような幸福感にあふれる。
「うっわ!! チェック不足!!」なんて言いながら目がギンギン。
そのお宝濡れ場の中身がいいものであれば、もうはっきり言ってその映画自体に1億点つけたくなる。
理想は『アベンジャーズ』観てたら、急にヨハンソンの濃厚濡れ場30分。それあったら最高。(『アベンジャーズ』のエロパロで『ハメンジャーズ』っての思い出しましたがそれはまた別に機会に…)
そんな前知識なく、急に到来した濡れ場の作品がこれ(つまり僕の単純なチェック不足なんですけど…)
『ローリング』
『パビリオン山椒魚』『乱暴と待機』の冨永昌敬監督が、盗撮事件で地元を追われた元教師が東京から女を連れて地元に帰ってきたことから巻き起こる人間模様を、全編水戸ロケを敢行し描いた作品。
茨城県・水戸のおしぼり業者で働く貫一(三浦貴大)は、盗撮事件を起こし行方をくらましていた元高校教師の権藤(川瀬陽太)と再会する。かつての教え子たちにつかまり、糾弾され面目を失う権藤。さらに、権藤が東京から連れて来ていたキャバクラ嬢のみはり(柳英里紗)に貫一が一目ぼれし、貫一は権藤から彼女を奪ってしまう。
一方、かつて権藤の盗撮した動画に録画されたある人物に目を付けた貫一の悪友たちによって、芸能事務所を巻き込んだ思わぬ騒動が巻き起こる。
これほどまでに出てくる人、男も女も皆馬鹿な映画あったろうか。
この映画全体をまとってる絶妙な田舎加減が、出てくるキャラクターの馬鹿さ加減を強めるけど、何となく憎めない。
皆かわいらしい馬鹿。
ストーリーも、入りがシュールながら流れはわかりやすい内容なので非常に観やすい。
そして肝心の濡れ場。前知識無しに観た、濡れ場。
言わせてください。
良い!
すげー良い!!
食レポで下手な感想言う人よりも、太った人の「うまい!!」これで全て伝わる事あるじゃないですか?
まさにそれ!
めちゃ良い!!
まず田舎具合が良い。『そこのみにて光輝く』でもあったんですけど、田舎の閉塞感からくる「する事ないからHしよ」みたいな感じがダイレクトに画面から出てくる。
「田舎の女は、すぐさせてくれる」そんな偏見さえも真実味が帯びてくる。(ま、ほんまやと思ってるけど。)
流れを簡単に言うと、クソ元教師が連れてきたキャバ嬢の女を、元教え子役の三浦さんが寝取るわけなんですが、基本出てくる人全員馬鹿だから、濡れ場も馬鹿なんですよ。
僕はその濡れ場に、思想も当然説教じみたメッセージも感じなかった。
ただ田舎に来た馬鹿なキャバ嬢が、何となくええなと思った人に抱かれる。暖かいなぁ〜。そんな時間が流れる。
これくらいの照明だよね、これくらいの会話だよね、こんな感じの体位だよね。そんな田舎セックスを通して『セックスなんて馬鹿の方が幸せっしょ!』と、シンプルなアゲアゲメッセージにも思えてくる。
そんないい事だらけの映画…気になる事ひとつ…
ただひとつ。
僕みたいなモンが苦言なんていう程の事でもないんですけど。
ここは濡れ場芸人として聞かねばなりせん。
柳さん、すげーいい女優さんだし、濡れ場も本当しっかりと映画史に刻みました。
川瀬さんと柳さんの濡れ場は撮らなかったんですか?
いや何となく…
三浦さんと柳さんはありましたけど、川瀬さんとのガッツリ絡みはあんまりなかったでしたよね?
川瀬さんの顔、僕好きなんです。
あの感じ。凶悪犯にも馬鹿にもなれる。今回は盗撮して教師クビになったダメクズ男。
浅黒くて怪しくて、俳優もいいんですが男優という肩書きだって似合いそう。
この人との絡みがあっても良いじゃないか…いやあった方が良い。最悪な男に抱かれるなんて、馬鹿の色が濃くなって絶対良い!
その方が三浦さんとの濡れ場が映えるし。なんやったらこれが最大の理由だけど、僕がシンプルに観たい!!
まあね…大人の事情なのか、監督の判断なのか…そりゃあそんなシーンないよね…
是非その辺りも御覧ください。
(文:南川聡史)
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