『アトミック・ブロンド』美女同士の全裸と激しいSEXシーン!80年代洋楽ファンも必見!

アトミック・ブロンド ティザービジュアル


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『マッドマックス・怒りのデスロード』で一躍注目を浴びたシャーリーズ・セロン。既にアクション映画の主演作としては、『イーオン・フラックス』などが公開されている彼女だが、今回彼女主演の新作スパイアクション映画、『アトミック・ブロンド』が公開されるということで、初日の夜の回で鑑賞して来た。予告編で見せた彼女の本格的なアクションに、「これは期待出来る!」と鑑賞に臨んだ本作。果たしてその出来はどうだったのか?

予告編


ストーリー


1989年のベルリン。世界情勢に大きな危機を及ぼす極秘リストが奪われ、イギリス秘密情報部の凄腕女性エージェント、ローレン・ブロートン(シャーリーズ・セロン)にリスト奪回の指令が下る。リストを巡って繰り広げられる裏切りと奪い合いの中、果たして彼女は任務を成功させられるのか?


ガチで強い!痛い!タフな女が見せるアクションに注目!


細身で長身のシャーリーズ・セロンが本作で見せるアクションは、カット割りや編集に頼ること無く本気で強い!

特に映画の終盤で披露される、ビルの階段で延々続く1シーン1カットの長回しによるアクションはスゴ過ぎ!おそらく途中で何回かカットを割っていると思われるが、驚いたことにこの長回し、ビルを出てからのカーチェイスまで延々続くのだ。しかも撮影カメラが一緒に車に乗り込んで走り出す、という驚きの展開に!

これだけ延々続く肉弾戦の中、当然彼女も殴られ投げられボロボロになるのだが、その変貌をも1カットで捉えた緊張感と臨場感は正に必見!



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通常、女性が素手の肉弾線で男と対等に渡り合うには、観客を納得させるだけの説得力が必要になるが、その点本作は実に良く考えられている。

例えば打撃に自分の肘を使ったり、相手の膝を蹴りで狙うなど、男にはパワーで劣る点を補うための工夫とテクニックが、ちゃんと表現されているのだ。つまりパワーで押さえるのでは無く、的確に急所を狙ったり相手の力を利用して投げるなど、攻撃に無駄が無い点が戦闘に慣れたプロの動きを感じさせて、非常にリアルなアクションシーンが生まれることになる。

思えば、過去に多くの映画がこの部分を、主人公にプロの女性格闘家を起用したり、男に負けない体格のキャラにすることで越えようとしたのとは、対照的なアプローチだと言えるだろう。



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それに加え、なぜこの主人公がこれほど強いのか?が、観客に判るように表現されているのも実に上手い。

彼女がこれ程に強い理由、それは危険な状況下で暴力を振るうことにためらいや躊躇が無い点と、危機察知能力と危機回避のための判断力、そして周りの物を使って生き延びる応用力の高さ!

特に、狭い車内でピンヒールのかかとを武器に危機を脱するシーンは、彼女のサバイバル能力の高さを証明する見せ場となっている。

ただ、本編中では殆ど彼女の背景が語られないため、下手をすると単なる『不死身のターミネーター』的なキャラになってしまいかねないのだが、保護対象を守って全身青あざだらけになりながら闘い続けるその姿だけで、彼女の中のプロ意識と女性の部分をも表現する演出は実に見事!

実は世の中に多く存在する「強い女に蹴られたい!」願望を持つ男性たち。彼らにとって、正に理想の「蹴られたガール」と言える、本作の主人公ローレン・ブロートン。その誕生の瞬間を是非お見逃し無く!



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80年代洋楽ファンも喜ぶ、その選曲に注目!


本作最大の問題点。それは予告編で流れていたクイーンの名曲「キラー・クイーン」が、残念ながら本編では流れないこと・・・。

期待して見に行った方は、ちょっとがっかりされたと思うが、いやいや、実はそれ以外にも80年代の懐かしい洋楽が楽しめる本作!なにしろ本作の時代設定が1989年なので、ネーナの「ロックバルーンは99」を筆頭に、懐かしの80年代洋楽が続々と流れるのだ。

中でも映画の中盤、主人公が一人でバーに入り、フランスの女情報部員に会うシーンで流れる曲には注目!このシーンで流れるのが、イギリスのグループ「アフター・ザ・ファイヤー」の83年のヒット曲「秘密警察」だ。時期的にはファルコの「ロック・ミー・アマデウス」とほぼ同時期の曲であり、初期の白人ラップの名作とされているこの曲。
恐らくは、タイトルと詩の内容が映画にピッタリということで選ばれたのだろうが、最近の映画に良くある「日本語の訳詩が出ない問題」のお陰で、せっかくの歌詞の内容が観客に伝わらないのが非常に残念!

イントロ部分が長いためか、映画ではいきなりボーカル部分から使われているのだが、実はそのシーンのルックと雰囲気が、「秘密警察」のPVに結構似ていたりもする。これからご覧になる方は、是非このシーンにも注目して頂ければと思う。



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最後に


物語の構成上、既に決着した事件の詳細を主人公が後から証言する、という形で話が進むため、せっかくアクションで盛り上がった直後に、現在進行中の尋問シーンが入ってくるなど、観客の興味が度々中断されるのは残念!

その他にも、終盤かなり駆け足で「実はこうでした」的説明が連続するのも、観客の「え、結局この人は何だったの?」との混乱を招く要因となっている。しかも今回の人間関係がかなり複雑で、おまけに舞台となる国も度々移動するので、脇役の名前と顔が一致しないと、かなり理解が困難になるかも?



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とは言え、シャーリーズ・セロンのアクションと演技の両面での大活躍は本当に見事!それに加えて全く予想外に登場する、シャーリーズ・セロンとフランスの女情報部員役のソフィア・プテラ、二人の美女同士の濃厚なSEXシーンは必見!

複雑な人物関係を把握するため、出来れば鑑賞前にパンフを購入して、熟読されてからの鑑賞がオススメです!

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(文:滝口アキラ)

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