(C) 2017 Paramount Pictures. All Rights Reserved.

2006年に公開され、第79回アカデミー賞で2部門受賞し、ノーベル平和賞を授与されたアル・ゴア元・米副大統領の伝説的ドキュメンタリー『不都合な真実』。その続編であり、2020年にオリンピック・パラリンピックを控え、“環境にやさしい大会”、“環境都市”の実現を目指す東京で開かれる第30回東京国際映画祭のクロージング作品にも選ばれた『不都合な真実２：放置された地球』が11月17日（金）から公開される。

そんなアル・ゴア、実際どんな人生を歩んできたのだろうか。



アル・ゴアは父がアメリカ下院議員、上院議員を務めた政治家という、生まれながらにして政界と関わりのある人生を歩んできました。ベトナムでの軍務を終えた後、調査ジャーナリストとしてのキャリアを歩み始めたゴアは28歳のときにテネシー州より下院議員に当選し、後に上院議員に就任。44歳になると当時のビル・クリントン大統領から副大統領に選出され、8年間任務を果たす。

クリントン大統領が任期を終えた2000年には、大統領選に出馬し、元・アメリカ大統領ジョージ・ブッシュと一進一退の攻防戦の末、法廷にまでもつれ込む展開に。結果は、ゴアが全投票数の約0．03パーセントの僅差で惜しくも敗戦となる歴史上に残る劇的な大接戦を繰り広げた。

しかし、政治の世界から抜けた彼の歩みが止まることはなかった。学生時代より関心を寄せていた環境問題に着手。当時はまだ温暖化などの環境問題が広く認知されていない中で、自らの足で影響が及んでいる各地を赴き、この問題がもたらす危険性を目の当たりにしたゴアは啓発活動を開始。前作『不都合な真実』が公開されると、アル・ゴアが語る地球の真実は世界中の人々を驚嘆させ、各地で議論や賞賛、批判を生むことになり、世界的なムーブメントへと発展。

2007年には「気候変動による危険に関する情報を世界に提供した」としてノーベル平和賞を受賞した。そして、前作から11年の歳月を経てもなお変わらず、現在も環境活動家として精力的に活動を続けるゴアだが、本作では地球の今と共にそんなゴアの姿が収められている。

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本作で共同監督を務めたジョン・シェンクは、ゴアについて「彼は世界で唯一無二の存在。アメリカの歴史の中でも変わった例外的存在だ。大統領選に敗北し、自身の人生と将来を考え直す。政治は人々の生活を良くできるという信念のもと育てられ、彼もそれを実現したかったが、別の独自の方法を取ることとなった」と語るが、その言葉の通り、公職を退いたのちに、無所属で世界的活動の代表者となった者はゴアを除いて他にはいないはず。

続けて「大統領になるよりも今の方が強く刺激を与える人物になったと思う」と自身の見解を明かすシェンクですが、撮影を通して目にしたゴアの姿には大変感動したそうで「『細かな人生計画があったが、その通りには行かなかった』と彼は話すのだ。人生何が待ち受けるか分からないが、それを強く活かしたらいい。これを映画のテーマの１つにした」と明かしており、ゴア自身もまた、自身の波乱に満ちた人生を振り返り「アメリカ大統領ほど世界を変えられる地位はないという考えに陥って苦しんだことはないが、大統領という地位を勝ち取れなかったからこそ他の方法を見つけることができたと嬉しく思っている」と語っている。

当時アル・ゴアが大統領に当選していたら、今アメリカは、世界はどうなっていたのか…といった考えをもつ人々も少なからず存在する中で、大統領にも勝るような影響力と行動力で世界に影響を与え続けているゴア。

どんな苦境に立たされても運命を受け入れて立ち向かっていくゴアの姿は、観る者に勇気と感動を与えるはず。本作で新たに語る環境問題の真実とともに、アル・ゴアという一人の人間が戦う姿に注目をしたい。

『不都合な真実２：放置された地球』は11月17日（金）より全国公開。