山田裕貴「ハイロー」シリーズを振り返るー「役柄とはいえ、本当に悔しかった」【短期連載・第1回】



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2017年は12作の映画、5本のドラマに出演し、ブレイク中の俳優・山田裕貴。11月11日(土)には『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』、12月2日(土)には『デメキン』が公開となり、11月18日には2nd写真集「歩」が発売されます。

そこで、2017年もまだまだ目が離せない彼にインタビューを実施。全4回の連載で彼の魅力に迫ってみたいと思います。



(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会


連載第1回となる今回は、『HiGH&LOW THE MOVIE 3 / FINAL MISSION』がテーマ。

拮抗する各チームの頭文字をとって名付けられた“SWORD”の「O」、鬼邪(おや)高校の村山良樹役の山田さん。“漆黒の凶悪高校”と名高く、全国の札付きの粗暴者が集まってくる鬼邪高校を統一した、不死身の番長という役どころを演じています。

2015年にスタートしたドラマシリーズのクランクインから数えると、3年も演じている村山良樹への思いや、本作の見どころなどを語ります。

自分の化身と思える役・村山良樹との出会い




(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会


最初に台本を読んで思ったのは、このまま素直に演じてしまうと、村山という役で何のインパクトも残せないということ。他のチームのヘッドには、岩ちゃん(岩田剛典)、啓司さん(黒木啓司)、窪田くん(窪田正孝)、遣都くん(林遣都)など、みんな知られている方ばかりで、「山田裕貴って誰?」と思う人はすごく多かったと思うし、自分でもそれを感じていました。

”100発殴られて、それに耐えたら番長になれる”という設定などを踏まえると、この学校のてっぺんに立つほどの男はよほどクレイジーなヤツだろうと考えて。そこで、ドラマのSEASON1からアドリブもバンバン入れて演じました。「コブラちゃん」って呼んだのもアドリブなんですよ。

コブラ(演・岩田剛典)と闘って村山は負けるんですが、人気でも知名度でも勝てない俳優が、役でも負ける。そういう役柄とはいえ、本当に悔しかった。だから、初めて人に負けるということを知って「何が違うんだよ!」と叫んだ村山の思いに、完全に僕の思いもシンクロしていました。



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僕は、現場ではムードメーカーって言われたりもするけれど、本当は「負けたくない」という思いがすごく強い人間なんです。昔はピリピリしていた時期もあって、「あいつが出てるなら見ない」って、テレビを消すこともあったくらい。

そういうフラストレーションをいい意味で発揮できたのが村山。のちのち、早乙女太一くんとご飯を食べにいく機会があって「村山の叫びは、狂気とかじゃなくて儚く見える。なんか寂しく見えるんだよね」って、言われたことがあるんです。それがすごくうれしかった。



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多分、喧嘩しか取り柄がなくて、そこにすがっていた村山は寂しかったんだろうなって。僕もすがるものは、芝居しかないと思っているので。そういうところで役の思いと自分の思いが重なる瞬間が多くて、村山のことは化身みたいに感じていますね。

そう思える役との出会いって、なかなかない。だから自分が作り上げた役という気持ちが強かったし、そんな村山についてきてくれる古屋と関を演じる、鈴木貴之さん、一ノ瀬ワタルさんという、いい仲間にも出会えたことも大きな財産です。集まったら「鬼邪高校をもっとよくしていこう」という話ばかりしていましたね。3人ともエキストラ出身の俳優で、雑草魂みたいなものがある。それがいい形で作用していたと思います。



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そういえば、これは完全に妄想ですけど、いつか鬼邪高校の卒業式みたいなことができたらいいなって、3人で話したことがあるんです。何かの騒動が終わったあとに、全日・定時の生徒たちの前で「俺たち卒業だから、お前らかかってこいよ」って宣言して、わーっとやりあって。轟(演・前田公輝)は倒れずに立ってるのかな? でも、他の生徒たちはみんな潰れてるなか、村山たち3人はピンピンしてて、あっかんべーして帰るっていう(笑)。

僕にとって、この作品は多くの人に存在を知ってもらえるチャンスになると思ったし、実際ツイッターのフォロワーも増えたし、いろんなことが変わったんです。そういうことも含めて、「俺、やれるじゃん。俳優として闘えるじゃん」って思って、自分を奮い立たせるきっかけにもなりました。

スモーキー役・窪田正孝とは相容れない!?


岩ちゃんとはよくSNSでやりとりしたり、ライブに誘ってもらったり。亜嵐(白濱亜嵐)とかノブ(鈴木伸之)はドラマ「GTO」で共演していたので、現場で会えば話すし、亜嵐は家にも行ったことがあります。玲於(佐野玲於)もホテルの部屋で話したりとか。チームの垣根なく、付き合いはありますね。

多分、「ハイロー」で山田裕貴を知った方は、僕が「GTO」に出てたことを知らない人も多いと思うんですけど、その頃からライブに行かせてもらってたし、AKIRAさんや映画『ホットロード』で共演した登坂くん(登坂広臣)とも交流があります。



(C)2017「HiGH&LOW」製作委員会


窪田くんと共演したドラマ「僕たちがやりました」は「ハイロー3」の撮影のあとだったんですけど、「また敵か!」って思いましたね(笑)。「ガチバン」、「Nのために」、「ハイロー」、「僕やり」と、4作ずっと対立してるんですよ。どんだけ相容れないんだろう(笑)。

「ハイロー3」では、スモーキー(窪田正孝)のシーンもすごくグッときましたね。空を見上げてる姿、かっこよかったなぁ。

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