映画コラム

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2017年11月22日

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は全日本人が必見の大傑作!その素晴らしさを本気で語る!

『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は全日本人が必見の大傑作!その素晴らしさを本気で語る!


5:字幕版と日本語吹替版の両方を観て欲しい!


本作は字幕版と日本語吹替版の両方が公開されていますが、その両方が100点満点で5兆点、最高の出来であるということも強く訴えたい!

字幕版で声を担当しているのは、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』のシャーリーズ・セロン、『インターステラー』のマシュー・マコノヒー、『ハリー・ポッター』シリーズのレイフ・ファインズ、『ドラゴン・タトゥーの女』のルーニー・マーラなどの豪華布陣。特にシャーリーズ姉さん演じるサルのカッコよさは「全力で抱かれたい」と思わせるほど!

日本語吹替では、ピエール瀧の間が抜けてるかわいらしさ、川栄李奈の妖艶さ、小林幸子の圧倒的ババみ、クレヨンしんちゃんとはまったく違う矢島晶子の健気さ、『攻殻機動隊』の主人公を思い起こさせる田中敦子のカッコよさと、こちらも役に最高にマッチしていて、文句の付けようがない素晴らしさ! 特に小林幸子の上手さは「全力で孫になりたい」と思わせるほど!



そして、字幕版と日本語吹替版それぞれで、主題歌(エンディング曲)に違いがあるというのもポイントです。どちらもが「While My Guitar Gently Weeps」というビートルズの楽曲を原曲としており、しかも“三味線バージョン”になっているのです。

字幕版の主題歌のアーティストは、“ブロンクスのビョーク”と称されるシンガーソングライターのレジーナ・スペクター。その歌声は“切ない”という印象が強く、感動的なエンディングをさらに盛り上げてくれるでしょう。

吹替版の主題歌のアーティストは、津軽三味線の兄弟奏者である吉田兄弟。一部を除いてインストゥルメンタル(歌なし)になっており、その演奏は字幕版よりも切なさは控えめ、力強さのある音色が実に心地よくなっています。

映画の日本語吹替版で“テーマ曲の差し替え”をすることには賛否両論がありますが、本作『クボ』は原曲および作品そのものにリスペクトがある楽曲になっているので、誰もが納得できるのではないでしょうか。

『クボ』は字幕版と日本語吹替版の両方をおすすめできることはもちろん、余裕があれば両方のバージョンを観てほしいです。どちらも超カッコイイイ女性の声(サル)に惚れますし、エンドロールの楽曲はそれぞれのバージョンで違った“余韻”を残してくれますし、作品を2度観ることでさらに物語の奥深さと尊さがわかって号泣できるのですから!

※以下の動画は原曲の「While My Guitar Gently Weeps」です。


6:“物語”の素晴らしさを説いていた!




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本作でもう1つ重要になっているのは“物語”そのものの素晴らしさを説いていることです。

映画はもちろん、すべてのアニメや小説は、言うまでもなく物語を伝える媒体です。なぜ人はそうして物語を楽しむのか? なぜ人は物語をつくるのか? なぜその物語をまた違う誰かに伝えようとするのか? 本作『クボ』は、それに1つの答えを出している、と言っていいでしょう。

その“物語”というテーマは、尋常ではない労力を伴う作品づくりをしてきたスタジオライカそのものにも重なります。「なぜそこまでして映画を作るのかって?みんなに伝えたいことがあるからだよ!」といったような、ライカのスタッフたちからのメッセージを、映画からダイレクトに感じられるでしょう。

そして、クライマックスとラストシーンは、これまで挙げてきたようなストップモーションアニメという技術、日本文化へのリスペクトが“あってこそ”のものになっていました。すべての物語を愛する人にとって、これ以上の感動はないかもしれない……そんな涙腺決壊必死のラストを、ぜひ劇場で観てください。

まとめ:全ての日本人に観て欲しい!


繰り返すようですが、本作『クボ』は、『パシフィック・リム』や『パワーレンジャー』などと同じく、「世界で最高の技術を持った人たちが、めちゃくちゃ努力して、膨大なお金と時間を使って、日本リスペクトの映画を作ってくれた」、という大傑作です。これだけでも日本人であれば絶対に観て欲しいんですよ!(力説)

また、映画ファンやアニメファンはもちろん、『クボ』はご家族でもご覧になって欲しいです。昭和時代の古き良き冒険アニメのような楽しさが存分にあるため、40代以上の方も懐かしい気持ちに浸れるでしょうし、時代劇好きのご年配の方もニコニコできます。さらには、子どもの教育上にもとっても良いメッセージも内包されているのですから……こんなにも、幅広い(すべての)世代に観て欲しい、と思う映画は、なかなかありません。

また、『クボ』は観た人が絶賛し、Twitterでは「#一生のお願いだからクボを観て」というタグが生まれるなど、確実に口コミでじわじわとその評判が広がっています。今はまだ公開館数も少なめですが、もっともっと観る人が増えて欲しい! それが『クボ』という最高の作品への恩返しになるのであれば、筆者も全力で応援します!


おまけ:合わせて観て欲しい映画はこれだ!


最後に、スタジオライカの作品以外で、『クボ』が好きな方におすすめの映画を3本紹介します。

1:太陽の王子 ホルスの大冒険




『火垂るの墓』や『かぐや姫の物語』の高畑勲が初めて監督を手掛けた作品で、あの宮崎駿も場面設計や美術設計に参加している作品です。

製作年はなんと1968年(!)ながら、ディズニーアニメを思わせる滑らかな作画、“最初からクライマックス”な展開に驚き、過酷な運命に立ち向かう物語にも感動できると……後年のジブリ作品にも通じるワクワクが詰まった作品に仕上がっていました。『クボ』にも通ずる“冒険活劇アニメ”の面白さを存分に感じられるはず。古い映画だと敬遠せず、ぜひ一度ご覧になって欲しいです。

2:ビッグ・フィッシュ




『シザーハンズ』や『マーズ・アタック!』のティム・バートン監督作で、ホラ話ばかり吹いている父親と、それを疎ましく思っている息子との関係が描かれています。

『クボ』と共通しているのは「物語の意味」を説いているということ。父親のホラ話をファンタジックで美しい映像で語り、「人を幸せにするウソがある」というメッセージ……きっと、それは多くの人の心の琴線に触れるでしょう。

3:キングコング (1933年)




ストップモーションアニメを実写に取り入れている作品です。つまりキングコングの動きが“コマ撮り”であり、悪い言い方をすれば“カクカクと動いている”のですが……これがむしろ怖い! 不思議なことに、ストップモーションという技法でこその、怪物の恐ろしさや実在感が存分に表れているのです。話運びも洗練されており、今観ても色あせない“怪獣映画”の面白さの源流を感じさせる名作です。

この他にも、『ゴーストバスターズ』(1984年)や『ロボコップ』(1987年)などのストップモーションが使われた実写作品、不気味だけどカワイイキャラたちが織りなすミュージカル『ナイトメアー・ビフォア・クリスマス』、はたまたギョッとする不気味さがある『アリス』(ヤン・シュヴァンクマイエル監督作)などなど、ストップモーションが使われた名作は数多くあります。それらの作品を観たことがないという方も、まず『クボ』で、ストップモーションアニメの素晴らしさを知ってみてください!

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(文:ヒナタカ)

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