ライダーベルトってどうやって出来上がる?特撮ファンが気になる疑問を、篠宮暁がバンダイに直撃!


技術の進歩でパワーアップするアイテム




篠宮:技術の進化の面ではどうですか? 昔はベルトに音声が入っていなかったですし、LEDもなかったですよね?

井上:それは、大人向けグッズのパートで詳しくお話しましょうか。まさに技術の進化に合わせて、昔のアイテムをリニューアルしていますので。

フナセン:ただ、DXシリーズの玩具でも、「ドライブドライバー」のバーサライタとかいろんな技術を取り入れています。最新の技術ではないですが、玩具に取り入れるという面では、目新しいものになります。新しい技術も時間が経って量産性が生まれるとコストが下がり、玩具にも取り入れやすくなってくるんですね。



(C)石森プロ・東映


「オーズ」のオーメダルも、中に入っているチップはあの時期にようやく玩具にも取り入れることができるコストになって、実現したものなんです。

篠宮:その、技術に対する情報はどこから?

井上:技術面を追いかける専門のチームがいるんです。たとえば、「オーズドライバー」のように、非接触で音を鳴らすことができます、といった提案をしてくれるので、企画チームはその情報が頭に入っていて、ベルトにマッチする技術を取り入れていくという感じです。

篠宮:僕は『仮面ライダーBLACK』世代なので、テレビパワーの衝撃がすごかったです! テレビが光ったら、こっちも光る、という。

井上:それを開発した人は、技術担当の部署のスペシャルアドバイザーとして今も健在していますよ(笑)。




篠宮:武器についてはどうですか?

井上:今回は「創り出す」がテーマなので、武器のモチーフは工具系をイメージしています。工具系で子供たちが好きなものということで、ビルドのメイン武器は「ドリルクラッシャー」という、ドリル型の武器になりました。

また、モーターで武器が回るというのは、仮面ライダーの武器玩具としては初めての展開だと思います。メタルヒーローの玩具展開にはあったんですが、それをふまえてもかなり久々になりますね。

篠宮:ありましたね〜!  『特救指令ソルブレイン』に。

井上:実際に遊んでみてどうかとか、危なくないか、という子供のモニター調査もやるんですけど、「ドリルクラッシャーの」モーターが回ったとき子供たちの注目度はすごかったですね。

モチーフがまずあって、そこに付随して武器として成り立つ遊びってなんだろう、というのを考えていくのが、武器玩具の作り方になります。

篠宮:出来上がったときは、制作チームでも遊ぶんですか?

井上:作りながら何度も触っている感じですね。最近は剣、銃兼用の2モードチェンジというものが多いんですが、そこも東映の大森プロデューサーから「単純な切り替えではなく、ガチャガチャ組み替える遊び方がおもしろいのでは」というアイディアがあったので、ドリルを一回抜いて逆に挿すことでモードチェンジする、という動きを入れました。




篠宮:玩具によって、ギミックが面白かったりとか、組み替えが難しかったりとか、いろいろあると思うんですけど、ギミックを重視するのか、遊びを重視するのか。

井上:どっちもですね。そこは絶妙な…。

フナセン:そうですね。あとはお届けしやすい金額とか、そういう部分も含めて検討します。
もう少し値段を上げれば面白いことを追加できるけれど、広く手に取って遊んでいただける価格にもしたいので。そのなかで、しっかり楽しめる、シンプルで遊びやすい、というトータルバランスを考えていますね。

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