映画コラム
「胸出せばいいでしょ」って女優、全部潰すつもりか?2017年1番の大女優の濡れ場
「胸出せばいいでしょ」って女優、全部潰すつもりか?2017年1番の大女優の濡れ場
(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
実力派として名高い女優蒼井優。
その蒼井優がどうしようもなくだらしない、クレーマーのメンヘラ女役。大阪弁を巧みに操り、危険信号を放ちまくってる女をこれでもかと演じる。
どこかクリエイターチックで、濡れ場と結びつきにくい女優だなと思っていたのですが、ところがどっこい。
この映画で何度も何人とも結構長い時間の濡れ場を演じる。
(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
それがすごいのだ。
ある時は10代の女の子のようなセックス。ある時は40代のおばさんのようなセックス。
その相手によって態度も感じ方も違う。
その濡れ場の多彩さが本当にすごい。濡れ場をエロいものというより、臨場感リアリティーで観せてくれる。
「監督のグッジョブ」
もちろん映画の内容としてかなり面白いんですが、散々ほかの人が言ってるので、ここでは割愛します。
僕が言いたいのは「監督グッジョブ!」。これのみ。
どういう事かと言いますと、
「トップレスが出ない」
これなんです。
いや乳首見たいやろ?
皆様そう思ってるんじゃないですか?
この映画は濡れ場はふんだんにある。色とりどりの濡れ場。
しかしいちばん重要な「トップレス」。これが出ない。
ここに僕は、最大の賛辞を送りたいんです。
(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
僕は蒼井優さんの…こんなこと言ってしまって申し訳ないんですが、そこまで大きくない胸、そして蒼井優さんの女優としての女優の中でのイメージ。さらには年齢などなど総合的に見て、「そこまでトップレスを見たいというものではない」という事。
これは語弊がある言い方ですが、出されたらなんか冷める。逆に。それが女優・蒼井優。
松坂桃李さんとの絡みで、本当際どいシーンあるんです。もうほとんどマジックの域。カメラワーク天才かよ、って動きです。
トップレスを見せずにあれだけの時間、あれだけエロい絡みをしておいて、全く飽きさせない。
それがいかにすごい事か。超越した演技力のなせる技なんです。
はっきり言って、この濡れ場ができるならもうなんでもありです。
スーパー女優です。
「胸出せばいいでしょ」って思ってる、ほかの女優、全部潰すつもりなのか?
そう思わせる気迫の濡れ場。
映画のキャラクターには誰1人として全く共感しないクズばっかりなのに、濡れ場を軸に全く予期しないストーリーに驚きのラスト。
思わず泣いてしまいました。
(C)2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会
蒼井優さん、阿部サダヲさん、本当にすごい方々です。
2017年、濡れ場アカデミー賞受賞もんです。
皆様是非。
(文:南川聡史)
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