映画コラム

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2018年02月03日

『ハッピーフライト』“愛すべき”2つのツッコミどころ!

『ハッピーフライト』“愛すべき”2つのツッコミどころ!



©2008 フジテレビジョン/アルタミラピクチャーズ/東宝/電通



2018年2月3日にフジテレビ系で放送される土曜プレミアムは映画『ハッピーフライト』。

『ウォーターボーイズ』『スウィングガールズ』の矢口史靖監督が、飛行機を安全に飛ばす空のプロフェッショナルたちの姿をドキドキと笑いと感動的に描く作品です。

今回はこの作品の魅力と、どうしても語りたい2つのツッコミどころをお話させて頂きます。

この映画は全力で楽しい


この映画は「ホノルル行きのチャーター便を飛ばすに当って、それに携わっている上空と地上の職員たちの姿と、そこに乗り合わせている乗客たちの物語」を描きます・。

現実世界においてもほぼ観光目的で利用する人の多いハワイ・ホノルル行き。

出発前からウキウキする乗客が多く、機内は和やかなムード。その中で客室乗務員たちが慌ただしく動く姿や、全員の乗客を乗せて無事に飛行機を送り出そうとする地上職員。また、その飛行機のパイロット達など多角的に物語が展開します。

小さなトラブルもたくさん起きつつも無事に飛行機は離陸、ホノルルへ向けて出発していく、

と思いきや…!?

予告編などでは想定できないまさかの事態が発生し、実際に起きたら割とピンチなトラブルに飛行機は巻き込まれていきます。

果たして、飛行機は無事にホノルルの辿り着けるのでしょうか…!?

この作品はとにかく全力で楽しいです!多角的に同時進行で進むエピソードがどれも楽しく、割と緊急事態の事も起きてハラハラ・ドキドキも!

色んなことがありながらも最後はスッキリする終わり方なのもとても良いです。

また、一機の飛行機を飛ばすのにこれだけの人が携わっているのかという社会科見学的な側面も。

大人が見ても楽しめますが、お子さんのいらっしゃる方は楽しく勉強する素材として活用しても良いと思いますよ。




©2008 フジテレビジョン/アルタミラピクチャーズ/東宝/電通




でも言わせて!どうしてもツッコミたい!


私は映画の仕事をしていますが、実は子供の頃は航空業界で働きたいと思ってました。厳密には大学生くらいまでそう思ってました。

それで飛行機関係に関して仕事で必要のない知識(=ヲタク知識)も色々と知ってしまっています。例えば空港の写真を見てどこの空港かわかったり、羽田空港と成田空港の発着ダイヤがだいたい頭に入っていたりなど。何の役にも立たない知識です。

それ故に全力で楽しいこの映画にどうしても2つのツッコミをしたいのです。

映画は全力で楽しいですし、このツッコミも愛すべきツッコミです。ポジティブに読んで頂ければと思いますm(_ _)m

ツッコミ1:ハワイ・ホノルル便なのに昼間




©2008 フジテレビジョン/アルタミラピクチャーズ/東宝/電通






本作はハワイ行きの飛行機が舞台なのですが、昼間に日本を飛び立つ設定となっています。

これはチャーター便と言えどもありえません。

現在日本各地からホノルルへ向かう便は全て日本を夜に出発。ハワイには朝(日付変更線の関係で出発日の朝に戻る)に到着します。

仮に午前10時に日本を出発すると、ハワイに到着するのは(飛行時間7時間と仮定して)ハワイ時間の22時。

物理的にいけるようにも思えますが、折り返し便が24時発に設定すると(帰りの飛行時間8時間と仮定して)日本への到着は時差を加味して深夜の3時になってしまうのです。

現実に昼間発のチャーター便が設定されていないので、これはどうしてもツッコミになってしまいますね。


※とは言っても、むかーしむかし、日本エアシステムが朝9時55分に成田発ホノルル行きを飛ばしていたことはありました。この時は折り返し便はホノルルで夜を明かして朝日本へ折り返すダイヤでした。





夜便を舞台にしてしまうとどうしても機内が暗かったり、本作の物語上微妙になってしまうのでそのために昼間設定にしたのでしょう。

そういう理由もあると思いますので、あくまでも“愛すべき”ツッコミどころになります。


ツッコミ2:羽田空港と関西空港のターミナルが混在




©2008 フジテレビジョン/アルタミラピクチャーズ/東宝/電通




これもかなりどうでもいいツッコミです。

本作は羽田空港発のチャーター便の設定ですが、出発ゲート付近は関西国際空港の出発ゲートエリアが使用されています。

これは見てそれぞれのターミナルがわかる人からするとどうしても気になってしまいますね。

しかも羽田空港はANAが国内線で使用する第二ターミナルが使用されています。これは出国手続きなど保安上の理由からちょっとおかしい感じです。(アメリカは出発の際国内線と国際線を区別しないので、まあ無しではないか…)

公開当時の2008年ですと、今の羽田空港国際線ターミナルはオープンしていませんでしたので、実際のところは国内線第二ターミナル横にひっそりとあった小さな暫定国際線ターミナルが使用されるはずです。

とは言っても、こちらも撮影許可の関係で羽田空港国内線第二ターミナルと関西国際空港の二つが使用できたため混在してしまったのでしょう。

飛行機の出発ロビーのシーンは、実際の出発ロビーを使用せずセットを組む映画やドラマも多いので、大きな問題でもありません。

そもそもここまで書いておいてアレですが、映画の本質は空港のリアルを描くことでは無いので、このツッコミどうでもいいわけです。

なので、あくまでも“愛すべきツッコミ”です。

ご容赦ください。



繰り返し言う、でも全力で楽しい


さてツッコミどころも書きましたが、この映画はとにかく全力で楽しいです。

個人的に一番楽しいシーンは“ズラ”。

個人的に一番感銘を受けたシーンは“ビジネスクラスでの寺島しのぶさんのクレーム対応”ですね。



©2008 フジテレビジョン/アルタミラピクチャーズ/東宝/電通





この2つは是非お見逃しなくです!

『ハッピーフライト』誰が誰と見ても全力で楽しいです!

是非ご覧ください!

(文:柳下修平)

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