荒々しい映画にこそ濡れ場が映える。『孤狼の血』の濡れ場でホッと一息…?
それこそ人間の欲望。
ああ静かな風景〜あえて単調な作り〜充分に間を取った台詞回し〜なんかおしゃれ〜
いや! 僕たちはそんなリアリティなんて求めちゃいない。
殴る! 蹴る! 飲む! ヤクガンギメ! そしてヤる!
そんな2時間のエンターテインメントを求めてるんだ!
『狐狼の血』
(C)2018「孤狼の血」製作委員会
物語の舞台は、昭和63年、暴力団対策法成立直前の広島。所轄署に配属となった日岡秀一は、暴力団との癒着を噂される刑事・大上章吾とともに、金融会社社員失踪事件の捜査を担当する。常軌を逸した大上の捜査に戸惑う日岡。失踪事件を発端に、対立する暴力団組同士の抗争が激化し…。
こうでなきゃ! まさに“キャラ合戦”
(C)2018「孤狼の血」製作委員会
最初のシーンから度肝抜かれる。
目を背けたくなる描写に顔面をパンチさせられ、一気に物語が進む。
「仁義なき〜」ファンからしたら、あのBGMが(いわゆる有名なBGMじゃなくて冒頭の説明の所でバックに流れるBGMね)頭の中で自然と流れるようなカメラワーク。
怒涛のストーリー展開もさることながら、男たちのキャラ合戦もすごい。
(C)2018「孤狼の血」製作委員会
役所さんは言わずもがな。音尾さんも石橋さんも江口さんも中村さんもピエールさんも…
少しのセリフでも確実に取りに行くようなキャラ合戦。それも仁義なきに通じるような感じ。隙あれば食ってやる的な…
(C)2018「孤狼の血」製作委員会
特に石橋蓮司さんは「殺され方作家」ついてるんかな?って思うくらいのやられっぷり。
この前『アウトレイジ』で歯医者ドリルされてて今回もまた…
絶対座付きの「殺され方作家」が常に石橋さんの横についていて、「こうしたらいいんじゃないですか?」とアドバイスしてるに違いないんだ。
じゃなかったら、あんなに殺され方の引き出しある訳ないんだ。
(C)2018「孤狼の血」製作委員会
そして何よりも松坂桃李さん。あんなに二枚目でこれだけの演技されたら、そらキャラだって濃くなるだろうし、緊張感えぐいと思う。
全てが重なって、全員が全員キャラ立ってるという素晴らしい出来栄え。
暴力の合間にあるホッと一息濡れ場
今回はそこまで脱ぎがあるわけではないが、基本暴力ベースというストーリーなので少しの濡れ場でホッと一息でき、さらにインパクトもあるシーン。
その難役を、1993年生まれの阿部純子さんが演じてくれた。
原作も読んだが、このような役はいなかった為、脚本の段階で「さすがに男臭すぎるやろ!」という事で差し込んだに違いない。(多分)(絶対)
何よりも『娼年』で濡れ場に定評のある松坂くんなら、難なくここの“ホッと一息スポット”をいい感じで作ってくれるはず。
そんな制作意図をしっかり汲んで、結果、ホッとどころか脱がないのにちゃんとエロいシーンに仕上げてくださった。
この阿部純子さん。ただの若い女優さんと思いきや、しっかりと海外の大学で演技を学んでいたというヴィン・ディーゼルスタイル。
そりゃ良い濡れ場になるわけだ…皆様その辺りも是非!
(文:南川聡史)
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