【橋本淳のおこがまシネマ】豊作シーズン!7月〜8月公開の邦画3選

■橋本淳の「おこがまシネマ」

どうも、橋本淳です。14回目となりました、今回もよろしくお願いいたします。

最近は豊作シーズンで、紹介したい作品が目白押しですね。

『フロリダ・プロジェクト』『ブリグズビーベア』『ジュラシックワールド』などなど、多いです。

邦画もそれに負けじと大渋滞を起こしています。

『カメラを止めるな!』『少女邂逅』『君が君で君だ』など。月2本では追いつけないほどです。。。

だもんで、今回は邦画を3本するっとご紹介、良作多しなので、紹介出来なかった作品も是非皆様、映画館で。

では、早速こちらの3本をご紹介。敬称略で参ります。

『菊とギロチン』




(C)2018「菊とギロチン」合同製作舎 


瀬々敬久監督、最新作です。公開と同時に駆け込みました。何を隠そう私のデビューは瀬々監督の『ユダ』という作品なので見逃すわけには参りません。(光石研さんを金属バットで殴る青年という名もなき役です。完成を観たら、自分でも僕の顔は認識できませんでした。懐かし。)

『ヘブンズ・ストーリー』に続いて放つ入魂作!

とコピーがありましたが、まさにでした。

1980年代、助監督時代に中濱鐡の短歌《菊一輪ギロチンの上に微笑みし 黒き香りを遥かに偲ぶ》を知り、「ギロチン社」の映画を夢想していたようで、構想30年という意欲作。今作らねばという監督の熱い意志は、観客の心にストレートに突き刺さります。

時代は大正。関東大震災後の日本。軍部が権力を強め、人々は自由を徐々に失われ貧困に苦しみ、出口の見えない閉塞感にあえいでいた。東京に“女相撲一座”「玉岩工業」がやってきた。この女力士たちはワケありの娘たちであった。元遊女、家出娘、夫の暴力から逃げてきた者と様々。新人力士・花菊は、強くなりたい自分で生きてみたい、と願い、周囲に奇異の目で見られながらも、日々稽古に励んでいた。

興行の日、観客の中に妙な若者たちがいた。彼らは、格差のない平等な社会、を標榜するアナキスト・グループ「ギロチン社」の面々であった。ある復讐を画策すべくこの土地に流れ着いた。そんな彼らも、彼女たち女力士の迫力ある立会い、闘いぶりに魅せられて、行動を共にするようになる。

差別のない世界で自由に生きたい、そんな純粋な願いが彼らを結びつけていく。が、そんな彼らの前に、厳しい現実が立ちはだかる。

3時間の長尺です。時間だけみると、うっ、と怯みそうですがご安心下さい、あっという間です。お尻が痛いとか感じることなく入り込めるほどのエネルギーがスクリーンから溢れます。目の前に大正の熱さ、汗の匂い、湿気、五感から感じれるような傑作です。

こういう映画こそ、大人数で大きいスクリーンで観るべきです。まだの方はお急ぎください。

https://kiku-guillo.com

『パンク侍、斬られて候』




(C)エイベックス通信放送


町田康の異色時代小説の映画化。脚本には宮藤官九郎、監督は石井岳龍という、タイトル通り食あたり確実なパンクな組み合わせ。

原作は未読なのですが、随分前に舞台で拝見したことがありますので内容の過激さ(?)は知っている上での鑑賞。

いやーパンクですね。文章力がなくて申し訳ないのですが、そうでした。1シーン目から宮藤官九郎節炸裂ですし、それを上手く乗りこなす見事な近藤公園。これはいいスタートでした。

あらすじは、、、なんと書いたらいいのかも不明なのですが。えーとまぁ。

超人的剣客と自称する浪人・掛十之進があるものを切ってしまい、そこから始まる予測不能なハッタリ合戦。なぜか猿も喋り出し、すべての人の想像を超える驚天動地の戦いが始まる、、。

と自分でも何を書いているやらなのですが。この作品は特に、言葉ではなく実際に観るという経験をしなければ伝わらないでしょう。



(C)エイベックス通信放送


出演者には、名優たちが並びます。

特に橋本的に印象深かった方々は、浅野忠信、豊川悦司、染谷将太。もともとぶっ飛んだ人たちでしょうが、今作でさらにまた遠くに飛んでいます。東出昌大も役にハマっています。

何より映画界をぶち壊してやろうというエネルギーでパンパンになっている作品、未見の方は、あの迸る変態な作風にやられて欲しい。

http://www.punksamurai.jp

『劇場版コード・ブルー ドクターヘリ緊急救命』


場面写真はこちらの記事から→山下智久主演『劇場版コード・ブルー』最新映像が公開!新田真剣佑らの場面写真も!

知ってる方も多いと思います。人気テレビドラマの映画化ですね。ドラマがスタートしたのは2008年7月ということで、なんと10年続いている人気作。ちなみにその後スペシャルドラマは2009年、シーズン2は2010年、シーズン3は2017年と続いてきています。(僕は一番始めのシリーズは見ていました。すいません、その後は終えていずまだ未見です。)

そして満を持して、今回の劇場版へとつながります。

今回はなんと、東京湾に浮かぶパーキングエリア・海ほたるでの巨大フェリー衝突事故という大事故が発生します。そこに駆けつけるのは、10年共にしたチームワーク抜群の彼ら。しかし、彼らをさらなる事故が襲う。。。

今月27日より全国公開ですので、内容に触れずらいところもありますが、何より役者さんの演技合戦ですね。大きく3つの事柄がおき、その患者役や周囲の人々とレギュラー陣の競演といいましょうか、熱演が見所なのではないでしょうか。

ドラマシリーズから同じ役を演じ続けている安定の役者陣がさらに、それぞれを深化させまた新たな面であったり、役人物としての成長を感じました。緊迫するシーンの連続、お客側の緊迫度も高め。それぞれ機微に目が離せません。

(ドラマからの意向ということもあったのか、、ちょいとカット割りが細か過ぎたのが気になりました。個人的にはこのままこの人のアップを観たいという部分が何度かありました、これは完全に個人的趣向ですね、、すいません。嗚呼、烏滸がましや)

この作品のファンの方には特に、たまらない映画になっているのではないでしょうか。この10年の輝かしい軌跡が、ギュッと詰まった作品でした。

http://www.codeblue-movie.com/index.html

と、駆け足気味ではありますが、今回もおこがましくも紹介させていただきました。

(文:橋本淳)

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