『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が12月公開決定!!
©2018こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
2016年11月12日に劇場公開されたアニメーション映画『この世界の片隅に』に新しい場面を付け足した別バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が2018年12月に公開されることが決定。特報映像とティザービジュアルが解禁となった。
2016年11月12日(土)の劇場公開以来、1日も途絶えることなく映画館での上映を続けているアニメーション映画『この世界の片隅に』。この作品に新規場面を付け足した別バージョン『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が、2018年12月に公開される。
これまでに200万人を超える観客に支持され、70を超える賞を受賞した『この世界の片隅に』に、新たに約30分の新規シーンが付け足され、「さらにいくつもの人生」が描かれたもうひとつの映画となっている。
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』とは、片渕須直監督によるタイトル案を、原作者こうの史代さんが快諾した新タイトルとなる。
片渕監督は、原作にはまだまだ魅力的なエピソードがあり、それを描き足すことによって主人公のすずさんだけではない、「さらにいくつもの人生」を描き出したいと考えて、この『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』が制作されることとなった。監督は本バージョンが制作できるのも、現行版『この世界の片隅に』を支えてくれた人々のおかげであると、感謝し続けている。
新規シーンの絵コンテは通常のアニメ作品と同じように、企画当初から存在はしていたものの、本バージョンでは、それらを見直しながら復活させ、更に新たなカットも加えている。これまでの現行版とは、一部主題も変わってくるため、別の題名をつけた「もう一本の映画」として制作することとなった。
本作では、主人公すずと、すずが嫁ぎ先の町で初めて出逢う同世代の女性リンとの交流を描いた、昭和19年秋と昭和20年冬から春にかけてのエピソード、さらに妹すみを案じて過ごす中で迎える20年9月の枕崎台風のシーンなどが追加されている。
新しい登場人物や、これまでの登場人物の別の側面なども描かれ、彼女たちの心の奥底で揺れ動く複雑な想いが描き出されることで、すずさんがより大人な印象となっている。
また、公開決定ニュースに合わせて、特報映像とティザービジュアルも同時に解禁となった。
片渕監督自らが制作した特報映像では、コトリンゴが歌う「悲しくてやりきれない」の歌に乗せ、指につけた紅によってリンさんの横顔が描かれていきます。さらに「リンさんをさがして。そう、うちの声が言うのが聞こえた…」というすずさんの声が新たに収録されており、より深い物語を予感させる作りとなっている。
片渕須直監督コメント
戦争しおってもセミは鳴く。ちょうちょも飛ぶ。そして、人には人生がある。
それが戦争中であっても。明るくぼーっとした人のように見えるすずさんが自分以外の「世界の片隅」と巡り合うとき、すずさんの中にはどんな変化が生まれるのでしょうか。
すずさんの中にあったほんとうのものを見つけてください。
『この世界の片隅に』&『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』とは
第二次世界大戦中の広島・呉を舞台に、激化していく世の中で大切なものを失いながらも、日々を大切に前を向いていく女性・すずを描いた珠玉のアニメーション作品『この世界の片隅に』を呼んだ。
同年度のキネマ旬報ベストテンでは『となりのトトロ』以来アニメでは2回目となる日本映画第一位、またアニメ監督としては初となる監督賞を受賞、さらに、同年度の日本アカデミー賞にて最優秀アニメーション作品賞受賞の他、数々の賞を受賞。また翌年にはアヌシー国際アニメーション映画祭で長編部門審査員賞を受賞するなど、世界34カ国でも劇場公開され、海外でも高い評価を獲得している。日本国内ではDVDや配信が発売された現在もなお、600日以上1日も途絶えることなく劇場での上映を続けており、今年の夏も全国各地で再上映が実施され、東京・大阪・神戸・広島・呉では、のんと片渕須直監督による舞台挨拶が予定されている。
『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』では、前作に引き続き主人公・すずをのんが演じる。今やアーティスト、ミュージシャンとしての活躍も目覚ましいのんは、2016年の公開以来、片渕監督と二人三脚で『この世界の片隅に』を世界中に届け続けて来た。また音楽を担当するのは、こちらも前回に引き続き、シンガー・ソング・ライターのコトリンゴ。今作でも主題歌を含む全ての劇中曲を担当し、新曲も制作予定となっている。
戦中戦後の広島・呉の綿密なリサーチと時代考証を行い、こうの史代漫画の世界を色鮮やかに描き出した前作から、新たなシーンを加えた『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』。まもなく完成する本作で、より大人な印象となるすずさんにまた会いに来てほしい。
ストーリー概要
ここではひとりぼっち、と思ってた。
広島県呉に嫁いだすずは、夫・周作とその家族に囲まれて、新たな生活を始める。昭和19(1944)年、日本が戦争のただ中にあった頃だ。戦況が悪化し、生活は困難を極めるが、すずは工夫を重ね日々の暮らしを紡いでいく。ある日、迷い込んだ遊郭でリンと出会う。境遇は異なるが呉で初めて出会った同世代の女性に心通わせていくすず。しかしその中で、夫・周作とリンとのつながりを感じてしまう。昭和20(1945)年3月、軍港のあった呉は大規模な空襲に見舞われる。その日から空襲はたび重なり、すずも大切なものを失ってしまう。そして昭和20年の夏がやってくる――。
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