サラリーマンからプロ棋士へ!『泣き虫しょったんの奇跡』は人生の縮図を描く!



 (C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社



こんにちは、八雲ふみねです。
今回ご紹介するのは、9月7日から公開の『泣き虫しょったんの奇跡』。
サラリーマンからプロ棋士へ、人生大逆転の感動作です。

八雲ふみねの What a Fantastics! ~映画にまつわるアレコレ~ vol.172




小学生の頃から将棋一筋で生きてきた“しょったん”こと瀬川晶司は、プロ棋士の登竜門である奨励会に入会する。しかし「26歳の誕生日までに四段に昇格しなければ退会」という規則への重圧から勝てなくなり、年齢制限により退会を余儀なくされる。

途方もない絶望と挫折を味わう晶司だったが、親友・鈴木悠野や家族の支えによって、再び駒を手にとることに。

そして一度は諦めた夢をかなえるために、再び立ち上がる…。




 (C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社



元奨励会員の豊田利晃監督が描く、驚愕の“実話”。


瀬川晶司五段による自伝的小説を原作に、一度はプロ棋士になる夢を断たれた“しょったん”が周囲の人々に支えられながら、再び夢を実現するためにアマからプロへひたむき挑戦していく前人未到の“奇跡”を描いた映画『泣き虫しょったんの奇跡』。

瀬川晶司氏は、日本将棋界史上初めてプロ編入試験によってサラリーマンからプロ棋士となった人物。彼の存在をご存知の方にも知らなかった人にとっても驚愕の“実話”が元となっています。

メガホンを取った豊田利晃監督は、9歳から17歳まで日本将棋連盟のプロ棋士養成機関である“奨励会”に所属し、将棋のプロを目指していた経歴の持ち主。それだけに将棋の対局シーンには並々ならぬこだわりがあったようで、入念な将棋指導のうえ撮影に挑んだとのこと。

瀬川五段が将棋の監修を担当し、撮影現場にも何度も足を運び、将棋の駒の並べ方やしまい方を含め、プロと同じ作法を俳優陣にレクチャーし、撮影は進められました。事実、将棋の駒を指す俳優たちの指先が非常に美しく、その研ぎ澄まされた佇まいからは迫力さえ伝わってきます。

また奨励会の裏側や人間模様を丹念に描くことで、プロに挑戦する若者たちの焦りや葛藤など、彼らの心の内側を映し出しているのも大きな見どころです。

藤井聡太六段や羽生善治永世名人の話題が頻繁に取りざたされ、いまや空前の将棋ブーム。

将棋ファンはもちろん、将棋を知らない人にとっても楽しめること間違いなし。

瀬川五段の半生と奨励会で研鑽を積む棋士たちの熱いドラマは、今日も“頑張る”多くの人の心に響くことでしょう。



 (C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社



豪華キャスト陣が将棋を通じて“人生”を映し出す!


夢への再挑戦をドラマティックに描いた本作を支えるのは、豪華なキャスト陣。

大きな挫折と苦悩のもと再起を図る“しょったん”を演じるのは、豊田監督とは『青い春』以来16年ぶりのタッグとなった松田龍平。

しょったんの親友・鈴木悠野役に、松田龍平とは公私ともに親交がありながら映画では初共演となる、RADWIMPSの 野田洋次郎。

奨励会で晶司と共に切磋琢磨する棋士役では永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文らが個性を発揮。

さらに晶司を支える家族や影響を与える人物として、小林薫、松たか子、イッセー尾形、美保純、國村隼らがしっかりと脇を固めます。

ほかにも妻夫木聡や藤原竜也がピンポイントで出演し良い味を出していることにも、思わずニヤリ。

また瀬川五段がプロ編入試験六番勝負で実際に対局した神吉宏光七段や久保利明王将をはじめとするプロ棋士が多数出演しているのは将棋ファンにとっても嬉しいところです。

『聖の青春』や『3月のライオン』など将棋をテーマにした映画が次々と公開されていますが、将棋映画の魅力はなんといっても対局シーン。2人の人間が将棋盤を前に向き合って繰り広げる静かで孤独な戦いは、時に人生の縮図のように感じられることも。

ちなみに将棋映画に出演した俳優たちは皆、将棋の面白さにハマってしまい、撮影後も将棋を続ける人も多いとか。出演俳優たちをも魅了する将棋の世界。是非、本作を通じて触れてみて。



 (C)2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 (C)瀬川晶司/講談社



松田龍平の観察眼に、原作者もビックリ!?


HMV&BOOKS SHIBUYAで開催された公開記念トークショーには、主演の松田龍平、原作者の瀬川晶司五段、豊田利晃監督が登場。

八雲ふみねが司会を務めました。




「(演じる役の)本人が撮影現場にいるという特殊な環境で、とても刺激的だった」と話す、松田さん。

役作りのため、撮影の合間も常に瀬川さんを観察していたそうで「瀬川さんは最初、現場で居心地が悪そうで…。なんでもない低い段差で転びそうになったり、茂みに足を取られたり。それがすごく可愛らしかった(笑)」と瀬川さんの印象を語ると、「まさか、そんなところまで見られていたとは…」と閉口する瀬川さん。

トークショーは終始ほんわかとしたムード。

登壇者の皆さんのお人柄が伝わってくるトークショーとなりました。




<作品情報>


泣き虫しょったんの奇跡
2018年9月7日からTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー
監督・脚本:豊田利晃
原作:瀬川晶司 「泣き虫しょったんの奇跡」(講談社文庫刊)
音楽:照井利幸
出演:松田龍平、野田洋次郎、永山絢斗、染谷将太、渋川清彦、駒木根隆介、新井浩文、早乙女太一、妻夫木聡、上白石萌音、石橋静河、板尾創路、藤原竜也、大西信満、奥野瑛太、遠藤雄弥、山本亨、桂三度、三浦誠己、渡辺哲、松たか子、美保純、イッセー尾形、小林薫、國村隼 ほか
©2018「泣き虫しょったんの奇跡」製作委員会 ©瀬川晶司/講談社
公式サイト http://shottan-movie.jp/

八雲ふみね fumine yakumo


八雲ふみね

大阪市出身。映画コメンテーター・エッセイスト。
映画に特化した番組を中心に、レギュラーパーソナリティ経験多数。
機転の利いたテンポあるトークが好評で、映画関連イベントを中心に司会者としてもおなじみ。
八雲ふみね公式サイト yakumox.com

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