映画コラム

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2022年01月12日

『さがす』:こんなことになるならさがすんじゃなかった <cinemas short>

『さがす』:こんなことになるならさがすんじゃなかった <cinemas short>



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「cinemas short」は、話題の映画やドラマを短く簡潔に紹介する特設コーナー。

今回紹介する映画は『さがす』。

「お父ちゃんな、指名手配中の連続殺人犯見たんや。捕まえたら300万もらえるで」

いつもの冗談だと思い、相手にしない楓(伊藤 蒼)。しかし翌朝、智(佐藤二朗)は煙のように姿を消す。楓は孤独と不安を押し殺し、警察に相手にされなくても必死に父をさがすと、日雇い現場に父の名前があることを知る。だが、父を呼ぶ声に振り向いたのはまったく知らない若い男だった。

失意の中、無造作に貼られた「連続殺人犯」の指名手配チラシを見る楓。そこには日雇い現場で振り向いた若い男の顔写真があった。

清水尋也の溢れんばかりの狂気と色気に悶絶


どういう気持ちで鑑賞したか


事前に公開されていたティザー・キャラクタービジュアルをひと目見たときから、メインキャストである佐藤二朗、伊東蒼、清水尋也、それぞれの「さがす」の真意を考えていました。

実際鑑賞してみてどうだったか


巧妙かつ鮮明な伏線回収に「うわ〜なるほど」「は〜そういうことだったのか」と唸らせられました。お見事。

原田智(佐藤二)と山内照巳(清水尋也)の関係性が明らかになるにつれて、「私って、智の娘・楓(伊東蒼)でしたっけ?」なんて思ってしまうほどには感情移入、完全憑依。幾度となく迫りくる荒波にのたれ死にそうになりながらも、鑑賞後は心にポッカリ穴が空いてしまうような感覚に陥りました。

その中でも何が良かったか、推せるか


前述した通り秀逸なストーリーはもちろんのこと、キャスティングが最高。

佐藤二郎さんの迫真の演技は言うまでもなく圧巻、『空白』で「もう子役じゃなくて女優なんだ」と感銘を受けた伊東蒼さんの新境地、そしてなによりも『スパゲティコード・ラブ』で惹かれつつあった清水尋也さんの溢れんばかりの狂気と色気に無事ノックアウトされました。

どういう人にオススメか


園子温監督作品が好きな方はきっと、好きだと思います。あ、よっぽどマイルドではあるのでご安心ください。

また、私自身がそうでしたが、『空白』の伊東蒼さんや『スパゲティコード・ラブ』の清水尋也さんが心に残っている方は必見です。

(文:桐本絵梨花)

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公開に関する情報

『さがす』 

2022年1月21日(金)より公開

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(C)2022「さがす」製作委員会

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