インタビュー

2019年01月10日

『柴公園』おっさんがゆる〜く愛犬を語る渋川清彦×大西信満×ドロンズ石本の親バカ座談会

『柴公園』おっさんがゆる〜く愛犬を語る渋川清彦×大西信満×ドロンズ石本の親バカ座談会

2019年1月10日(木)スタートのドラマ『柴公園』そして、6月14日(金)に公開される同作の劇場版の撮影現場に直撃!




都市開発が進む街の昔からある公園を舞台に、柴犬を飼っているという共通点だけで顔見知りになった3人の男性が、ベンチに座って世間話をするだけ。しかし、その内容が妙にアカデミックでクセになるという、不思議な空気をまとった今作。

あたるパパを演じる主演の渋川清彦さん、じっちゃんパパ役の大西信満さん、さちこパパ役のドロンズ石本さんによる撮影の様子と、撮影終了直後の3人による鼎談をお届けします。

『柴公園』撮影現場レポート


11月某日。とある公園にて、あいにくの雨のなかでの撮影となったこの日はドラマ5話の撮影中。

ある出来事をきっかけに、公園で英語教材を聴きながら勉強しているあたるパパの元へやってくるじっちゃんパパ。淡々と会話をして去って行くという、何気ないシーンだけれど、このドラマの公園シーンのほとんどはおそらくこのような展開で、その何気ないシーンから3人のキャラクターや関係性が浮かび上がってくるはず。

本当に公園にいそうなおっさん感をかもしだす2人の芝居に、柴犬のあたるとじっちゃんが華をそえて、なんとなくかわいらしい絵面に感じられるから動物のパワーは偉大といえそう。




また、2人が会話をしている間、ベンチの近くを歩き回ったり、寝そべったりと自由に動いていたあたるとじっちゃんだったけれど、本番撮影中、渋川さんの膝に突然あたるが乗るハプニング(?)も。「乗っかっちゃった(笑)」と、監督からも思わず笑いが漏れる。

カメラ位置の調整などの合間に渋川さんは、あたるとじっちゃんを撫でたり、落ち着きのなくなったあたるとさちこにドロンズ石本さんと一緒におやつをあげていたりと、まるで本当の飼い主のような姿も見せていた。

『柴公園』親バカ座談会





──この作品は3人のおっさんの会話劇ということですが、この企画がきたときの率直な思いは?

渋川清彦(以下、渋川):まずみんなが思うのは、セリフが多いという部分でしょう。こういう展開の作品って、ベタにいえばワンカット長回しで会話をぽんぽんやるっていうイメージを持っていたけれど、決定稿をもらったのがクランクインの2週間くらい前だったので、そこまでの準備をする時間もなかったんですよね。観ていて飽きないように結構カットを割っているんですが、本当は3人並んで固定カメラでワンカット…というのもやってみたいと思いつつ、どうなんでしょうね。あれ、なんか違うな…?

ドロンズ石本(以下、石本):あはは! この感じは、まさにあたるパパだ。

──渋川さんは、連続ドラマ初主演ということについていかがですか?

渋川:初主演っていう意識もなかったですね。主演っていうのも…あんまりいいかなって…セリフの分量多いじゃないですか(笑)。

大西信満(以下、大西):渋川さんがおっしゃったように、セリフ量がすごいんですよ。普通はもう少しト書きとかがあるんですけど、セリフだけで1P埋まっているような感じで、それを1日15ページくらい撮るので…。でも、脚本は本当に面白いので、読んで面白いものを生身でどう表現できるかなということを考えていますね。喋っているだけで、あまり動きもないので。

渋川:そう。それって技術が必要なんですよね。

石本:僕はもう単純に面白いなと思って脚本を読んでいたので、大変だなって思ったのは、撮影が始まってから(笑)。読んでるときは一気に読み終えてしまうくらい面白かった。そのイメージをちゃんと表現できるように頑張っていますが、3人でやると脚本を超えた面白さになることもあって、出来上がりが楽しみですね。渋川さん、大西さんとご一緒するのも楽しみでしたし、わんちゃんが入ることで、さらに面白いものになっていますね。僕なんてずるいので、セリフを忘れたときは「ね、さっちゃん」って、基本はさっちゃん頼みなんですけど(笑)。

2人:ははは(笑)。

渋川:でも、それって普通の会話で考えたら自然なことなんですよね。

石本:そう、それが自然にできちゃってる。今日は特に渋川さんが面白すぎたので、顔を見られなくて、ずっとさちこに逃げてたんですよ(笑)。それも含めて楽しいですよね。あと、キツイなと思っても、動物がいるとそれが半減するんです。

渋川:そうですよね。何か気持ちが楽になりますよね。




──わんちゃんと初対面のときの印象は?

大西:この子でよかったなって思いました。かわいいから!

渋川:確かにかわいいですよね。

石本:一番インスタ映えしてるのがじっちゃん。シュッとしてて、目がくりっとしてて。

渋川:最初はさちことあたるの見分けがつかないくらいでしたけど、今はわかりますね。柴犬ってみんな同じような感じだと思ってましたけど、みんな顔も性格も違うし、わかるもんなんだなって。

石本:僕は最初は遠慮してて、カメラが回ってないときは役名じゃないもともとの名前で呼んだ方がいいのかなって、1週間くらい接し方を迷ってました。でも、割り切ってさちこと呼ぶようになってからは楽になりましたね。

──動物がいることで予期しない出来事も起こると思うのですが、柴犬事件簿があれば教えてください。

石本:じっちゃんが言うことを聞かないですよね〜。

大西:じっちゃんはじっちゃんっていう名前なんですけど、まだ9か月の幼犬で、撮影も初めてなんです。本番!って声がかかって、現場に緊張感が漂うんですけど、犬は人間以上に敏感なので、その空気で動かなくなっちゃって、ということはありますね。

石本:あたるくんとさちこは意外ということをきく。撮影中だけでなく、休憩時間もずっと犬たちと一緒にいるので、それで慣れてきたところもありますよね。

渋川:そうだね〜。でも、さちこが一番いうことをきくというか、いい子だよね。

石本:いやー、やっぱり、うちのさちこが一番かわいい。なんだかんだいいながら、うちの子が一番かわいいと思ってたんですよ、僕は(笑)。

2人:ははは(笑)。

石本:それに何かあってもそれが日常の延長線上のような感覚で、ハプニングという感じでもなくなってきましたよね。じっちゃんは用水路の金網が怖くてそこを歩かないから、撮影中でも自然とじっちゃんパパが抱っこして歩くとか。




大西:じっちゃんは急に歩かなくなっちゃうことが多いので、そうなると抱っこして移動することになって、本番前に思ってた感じと変わってくることはよくありますね。でも、今はじっちゃんとの関係性ができてきたので、それに動揺することもなく、そういうものとして演じていますね。

渋川:僕はこうやろう、と決めて入らないので、あたるに合わせている感じですね。間ができたら「どうしたあたる?」ってアドリブで声をかけてからセリフに戻るとか。

石本:僕はもう何もないです。うちのさちこは本当にいい子なんですよ(笑)。吠えないし、ここでテーブルに乗って欲しいなってときに乗ってくれるとか、そういうことが結構ありますね。

──お三方の現場でのコミュニケーションはいかがですか?

石本:僕はいい空気だと思ってるんですけどね、2人はどう思ってるか。

2人:ははは(笑)。

石本:この場を借りて聞いてみたいですね(笑)。

大西:初めてご一緒させていただきましたけど、初めての感じがしないというか。

渋川:ここ(大西さん)とは事務所も一緒で普段から知っている仲で、石本さんは初めてだけど、明るくて本当にさちこパパみたいな方。

石本:ははは(笑)。




渋川:それぞれ、役に近い部分はあるのかなという気がしますね。

石本:脚本を読ませていただいたときに、2人のことをあて書きなのかな?と思ったくらい、そう見えちゃうときがあります。

大西:僕の役、あて書きだったらちょっと…(笑)。

渋川:でも、そういうところあるよ(笑)

石本:ありますよね!? 渋川さんは、本番中でも面白くて笑っちゃうくらい…今日もそれでNGを出したんですけど、そのあたるパパの独特な感じが普段の渋川さんのように見えてきますし、じっちゃんパパも真面目というか素直というか。僕にとっては、じっちゃんパパのキャラクターが先にあって大西さんが後からついてくるので、そういう感じの方だと思ってしまってますね。

大西:渋川さんは本当にあて書きって感じがしますね。僕は役に寄せていってますけど。石本さんはとても自然に役に入られますよね。

渋川:そうですね。

石本:でも、僕、ここだけの話、自分があたるパパだったらとか、じっちゃんパパだったらとか考えてみたんですよ。でも、やっぱりさちこパパが一番しっくりきました(笑)。やってみたいのはあたるパパかなって思いましたけど。

渋川:だから、それぞれもう自分の役がしっくりきてるんじゃない?

──撮影が1/3くらいまで進んだということですが、それぞれのパートナー犬との今の相性のパーセンテージと、うちの子が一番かわいい!というアピールをお願いします。




石本:聞きたいな〜。他の人のアピール(笑)。

渋川:僕は60%くらいな気がしますね。残りの40%はなんだろうなぁ。なんとなく60%という感じですね。うちの子がかわいいと思うのは、顔。あたるの困った感じの顔とか、シュッとしてるじっちゃんとかさちこに比べて顔に肉がついてる感じが僕は好きですね。

大西:いっちゃん(一郎)は?

渋川:いっちゃんはかわいい〜(笑顔)。一郎っていう小さい犬がいるんですよ。まだ52日くらいのときに現場にきたんですけど、すごくかわいい。

大西:撮影が終わって別れるときに、名残惜しい関係になれていたらいいかなって思いますね。撮影中にいうことを聞いてくれるのも大事だけど、思い通りにいかないのも猫みたいでかわいいなって思うので。数字でいうなら…59%で。かわいいなって思うところは、僕も顔ですね(笑)。あと、犬なのに従順じゃないところ。気分屋というか、子犬らしい部分もあるので、そこがかわいいですね。

石本:僕はもう、100%に近くなってますよ! まぁ今は80%くらいですかね。終わったら…って思ったら、もう本当にさみしくなっちゃいますもん。

渋川:確かに、さちこは石本さんのいうこと聞いてる感じありますもんね。

石本:僕、結構怒りますし。

渋川:ちゃんと慣れてるんですよ。

石本:今年亡くなった犬も、僕が全部しつけたので。たまにさちこがじっちゃんとケンカするときも、僕がさちこの口を押さえて。そういうのをやりながら、今は80%ですね。

渋川:やっぱり慣れてるんですね。

石本:好きなんです。もともとずっと飼っていたので。

大西:犬に対しての自信があるように見えます。犬との関係性に自信があるから、怒れるというか。僕なんかはまだ、じっちゃんに遠慮して怒れないというのもあるので。

石本:80%っていう理由は、さちこがたまにあたるパパのところに遊びに行くんですよ。そのとき、ちょっとさみしい。あたるがこっちにきてるから、イーブンなんですけど(笑)。

渋川:そうそう。逆になることがある。

石本:あたるパパに甘えるとおやつをくれるってわかってるから。そこがあと20%、という感じですね。さちこは世渡り上手なんですよね。みんなに甘えるんで。かわいいところは、いうことをきいてくれるところ。あと、あたるパパ、じっちゃんパパにもよく寄っていくんですけど、2人によしよしってかわいがってもらってるところがかわいいですね。




──完全に飼い主目線ですね(笑)。ドラマは基本的に1話完結のお話になっていますが、お気に入りのエピソードや今作の魅力だと思うところを教えてください。

渋川:ナレーションの部分が意外といいことを言ってるんですよ。なんかすごく達観した感じの哲学っぽいことを言っていて。

石本:そこまで注目してみる作品ではないと思うんだけど(笑)、どんなドラマなの?って聞かれたら、僕は「犬に服を着させるかどうかで30分」とか、「宝くじ売り場で買うか買わないかで30分」って言ってます(笑)。でも、都会らしいというか、社交辞令でもないですけど、プライベートなところに触れないギリギリか一歩踏み込んだくらいの絶妙な会話が繰り広げられているので、観ていて心地いいと思います。「宝くじ、当たりますかね?」って聞かれて、「当たらないでしょう」って返せる仲というか、言いそうで意外と言わないことを言っているので。そういうくだらないところが魅力なのかな。

大西:99%がなんでもない日常の中にありふれているドラマにもならないような話なんだけど、そのなかに1%だけ落っこちてる真実みたいなものを描いてる作品だと思うんです。僕たち俳優部もそれを探しながら演じているし、会話をしながらそこに何かを感じることもあるので。だから、観ている人がその1%を見つけてくれたらいいなって思いますね。

* * *

ドラマ『柴公園』は2019年1月10日(木)よりテレビ神奈川ほかにて放送。劇場版は同年6月14日(金)、全国のイオンシネマ・シネマート新宿ほかで公開となります。また、1月10日(木)に、キャストと柴犬が登壇予定のドラマ第1話完成披露上映会が決定しています。
※完成披露上映会の詳細はこちらから

(C)2019「柴公園」製作委員会

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