【現地レポ―ト】「スター・ウォーズ セレブレーション」に世界中のファンが熱狂!
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アメリカのイリノイ州シカゴで4月11日(木)~15日(月)に開催された、『スター・ウォーズ』公式ファンイベント「スター・ウォーズ セレブレーション シカゴ 2019」にて、「スター・ウォーズ エピソード9」初の予告編と、そのサブタイトルが「THE RISE OF SKYWALKER(ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー)」であることが発表されました。
多くの驚きに満ちた予告編でしたが、その発表の瞬間はどのようなものだったのか、そして世界各国から多くのファンが集ったこのイベントについて、現地の模様をレポートします!
「スター・ウォーズ セレブレーション」とは
「スター・ウォーズ セレブレーション」は、『スター・ウォーズ』ファンの祝祭(Celebration)として行われる公式イベント。簡単に言えば、『スター・ウォーズ』オンリーのコンベンションです。
映画などの新作についての最新情報の解禁や、キャストやスタッフによるトークショー、ライセンシー企業をはじめとした様々なブース展示、イベント限定グッズの販売、またファン団体がその活動を紹介するブースや、コレクターたちによるパネルディスカッションなどが行われ、世界中のファンが集うイベントとなっています。
1999年に、当時16年ぶりの新作映画であった『エピソード1/ファントム・メナス』の公開を祝って開催されて以降、アメリカだけではなくヨーロッパ各地でも開催され、2008年には日本でも開催されました。
今年は「セレブレーション」20周年の節目の年であり、さらにスカイウォーカー・サーガの最終章である「エピソード9」に関するイベントも行われるということで、大きな注目を集めました。
世界から集結したファンの迫力に圧倒!「セレブレーション」会場レポート
会場では、Xウィングやタイ・ファイター、またミレニアム・ファルコン船内などの大型セットが展示されており、多くのファンが写真撮影を楽しんでいました。驚くことに、これらはファンが制作したもの!
また、日本でいうところの痛車のように、『スター・ウォーズ』の装飾をほどこした車もずらりと展示。
会期中、常に入場の行列が出来ていたのは、カリフォルニアのディズニーランドとフロリダのウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートに今年オープンする『スター・ウォーズ』のテーマエリア「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」のブース。
ここでは、一足先に「ギャラクシーズ・エッジ」の世界が体験出来ます。
「ギャラクシーズ・エッジ」に行ったかのようなフォトスポットの中には、アトラクション「スター・ウォーズ:ライズ・オブ・ザ・レジスタンス」のライドに乗って写真を撮影出来るものも!
テーマエリア内で販売されるグッズの数々も展示。
「ギャラクシーズ・エッジ」では自分だけのドロイドや、ライトセーバーを作ることも可能で、実際のグッズのデモンストレーションを見られました。ラジコンで動き回るドロイドを見られたほか、ライトセーバーを持たせてもらうとずっしりと重みがあり、既存のトイとの違いを感じられました。
オフィシャルストア「セレブレーション・ショーストア」では、イベント限定グッズを販売。連日、長蛇の列が出来ていました。
会場内は『スター・ウォーズ』のアパレルを着ているのはもちろん、多くのコスプレをしたファンも多数!
その数は半端ではなく、例えば世界各国に支部を持つファン団体「レベルリージョン」(反乱軍やジェダイなど、ヒーロー側のキャラクターのコスチューム団体)の集合写真は圧巻!まるで、映画の世界のような光景が、目の前に広がります…
「セレブレーションステージ」では、別棟にある広大なアリーナ会場でトークイベントを実施。「エピソード9」などの新作の情報解禁イベントはここで行われました。また、主要なトークパネルは別会場でも映像が生配信され、注目度の高い催しでも多くのファンが楽しめるようになっていました。
「エピソード9」予告編発表の瞬間は、ライブのような盛り上がり!
「エピソード9」のトークパネルは、事前の抽選で当選すると観覧出来る仕組みとなっており、私は残念ながら落選してしまったので、メイン会場の中央にある「The Star Wars Show LIVE! Stage」での中継を見ることに。
巨大モニターを備えたステージ前は、10時の開場と同時に集まった多くのファンであっという間に埋め尽くされました。イベントが始まる11時までの間、ステージのMCが観客を煽り、開催前から場内は歓声が飛び交い大興奮!
「エピソード9」についてはこの時点でサブタイトルも含め、ほとんど情報が公開されておらず、ベールに包まれ続けていた状態。これだけの狂騒状態になるのも無理はありません。その飢餓感の作り出し方は上手いと思います。
割れんばかりの拍手と歓声の中、ついに始まったイベントでは、監督のJ.J.エイブラムス、プロデューサーでルーカスフィルム社長のキャスリーン・ケネディに加えて、C-3PO役のアンソニー・ダニエルズ、ランド・カルリジアン役のビリー・ディー・ウィリアムズ、続いてレイ役のデイジー・リドリー、フィン役のジョン・ボイエガ、ポー・ダメロン役のオスカー・アイザック、チューバッカ役のヨーナス・スオタモ、ローズ役のケリー・マリー・トラン、そして新キャラクターを演じるナオミ・アッキーといった、「エピソード9」のキャストが登壇!
新作について語られ始めると、スクリーンにはこれまで明かされてこなかった場面写真の数々が登場。その度に、会場は大きく盛り上がります!
とりわけ、本作にランド・カルリジアン役でカムバックを果たすビリー・ディー・ウィリアムズが登場し、「エピソード9」でのランドの姿が初公開されると大喝采!その衣装は、『ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー』での若き日の姿を彷彿とさせるものに。
新キャストのナオミ・アッキーは、自身の役名がジェナであることを明かしましたが「ランドの娘なのか?」という質問には「ランドは魅力的な男性だから、銀河中に子どもがいるかもね」とかわします。
こうした情報を聞き出したい司会者と、言える範疇で発言するスタッフやキャストとの攻防戦も「セレブレーション」の情報解禁イベントの面白さ!
また、ローズを演じたケリー・マリー・トランに話が振られると、会場のファンからは一際大きな拍手が。
ケリー・マリー・トランは、『最後のジェダイ』公開後にSNSユーザーから人種差別の要素も含まれた中傷コメントが相次ぎ、Instagramを削除することになるというトラブルに巻き込まれていました。
多くのファンからの、彼女を迎えるあたたかい拍手にケリー・マリー・トランも感極まるように見え、彼女には多くの味方がついていることを実感。
合わせて、新ドロイドのD−O(ディーオー)もステージ上に登場!一輪のホイールの上にスタンドライトのような頭部が付いたデザイン。ステージを走り回る様子はどうやって動いているのか仕組みが気になるもので、BB-8をはじめて見た時の感覚がよみがえりました。
そして、ついに予告編が上映されることになると観客のボルテージは最高潮に!
砂漠に佇むレイ。ライトセーバーを起動すると歓声が上がり、突進してくるカイロ・レンが乗る宇宙船の前でひらりとジャンプすると、さらに大きな歓声が会場に響きます!
その後も次々とカットが現れる度に会場は盛り上がり、ミレニアム・ファルコンをランドが操縦するシーンでは場内はひときわ沸きました!
そして、まさかの『エピソード6/ジェダイの帰還』までの悪役であるパルパティーンの笑い声が聞こえると、会場は驚きと喜びが入り混じったような大きなリアクションが起こり、続いてタイトルロゴ「THE RISE OF SKYWALKER(ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー)」がスクリーンに現れ、割れんばかりの大歓声に!
これだけでは終わらず、ステージ上にパルパティーン役のイアン・マクダーミドが一人で現れると、驚きと興奮でテンションはマックスレベルに!イアン・マクダーミドが「Roll it again!」とあのイイ声で宣言し、予告編をもう1度上映!
予告編を再度上映する指示とともに、パルパティーン役をもう1度演じるとも取れる発言が実ににくいところです…(会場の日本人の間でも、Twitterの日本のトレンドで「パルパティーン」が1位になったことは話題になっていました)。
同じように新作を待ちわびるファンが集まり、その瞬間を待つという一体感。拍手と歓声が360度から聴こえてくる、興奮の渦の真っ只中にいる感覚。
この「ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー」のステージの観客の反応はまるで音楽ライブのようで、『スター・ウォーズ』の本場の雰囲気を味わえました。
このような熱狂を作り出しているのは、発表を行う側のルーカスフィルムがファンの気持ちを熟知しているから。自身もファンであるからこそ、ファンのツボを押し、発表の場そのものをエンタテイメントとして成立させていることを実感しました。
会場前に掛かっている、『スター・ウォーズ』サーガを描いた絵巻物のような壮大なイラストのバナー。「ザ・ライズ・オブ・スカイウォーカー」のステージの翌日である会期3日目、それまで黒いベールで覆われていた部分が解禁され、『エピソード1』〜『9』までのすべてが収められた1枚となりました!
『スター・ウォーズ』はすべての人のために
会場を見渡せば、ひとえに『スター・ウォーズ』ファンといっても、グッズのコレクション、ゲーム、スピンオフ作品、コスプレ、ファンアート、サインコレクションなどなど、その指向は多岐に渡ることがわかります。
ひとつの映画シリーズで、ここまで多様な楽しみ方を持っているのは『スター・ウォーズ』だけではないでしょうか。たとえアカデミー賞を総ナメしたような名画でも、ここまで楽しみ方の広がりのある映画はないでしょうし、ディズニーアニメの世界も多数の作品を積み重ねて、作り上げられたものです。
そして「スター・ウォーズ セレブレーション」の会場に集う人々は、割合としてはやはり40代くらいの白人男性が多い印象であるものの、肌や目の色、性別、年齢も多種多様。
そんな彼らをひとつにしているのは、「『スター・ウォーズ』が好き」だということ。多種多様な人たちが、自分の「好き」を、思い思いに自分なりの手段で表現する場所。
この銀河系の創造主であるジョージ・ルーカスの手を離れ、『スター・ウォーズ』はファンがそれぞれに楽しむという文化が出来上がっているのです。
会期中のシカゴの街中では、石を投げれば『スター・ウォーズ』ファンに当たるほど多くのファンを見かけ、会場で出会った他国のファンと偶然レストランで再会し、「This is Celebration!」と交流を楽しむことも。
会場で売られていたイベントオフィシャルグッズに書かれていたのは、「STAR WARS IS FOR EVERYONE」の文字。まさにその通りです。
最終日には、次回の「セレブレーション」が2020年にアメリカのアナハイムで開催されることが発表されました。アナハイムにあるディズニーランドの「スター・ウォーズ:ギャラクシーズ・エッジ」は2019年5月に開業するので、「セレブレーション」とともに楽しむことができ、何らかの連動イベントも行われるのではないでしょうか。
シカゴでの「スター・ウォーズ セレブレーション」で待っていたのは、自身の『スター・ウォーズ』観を変えるような祝典の日々でした。来年のアナハイムの地での祝典も、すばらしいものになることでしょう。
(文:藤井隆史)
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