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2020-03-28

洋画実写

『ジョン・F・ドノヴァンの死と生』のレビュー:天才子役ジェイコブ・トレンブレイの名演にも注目!

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監督は、19歳に『マイ・マザー』で映画監督デビューを飾り、世界を驚かせたグザヴィエ・ドラン。

新作を出すたびに世界が驚き、さらには国際映画祭を席巻する。『マミー』ではカンヌ国際映画祭審査員賞、『たかが世界の終わり』ではカンヌ国際映画祭でグランプリを受賞。

さらには、『胸騒ぎの恋人』『わたしはロランス』『トム・アット・ザ・ファーム』などがある。

わたしと同年代の映画作家グザヴィエ・ドラン。登場した頃から追いかけている1人。予告編が届くたびに公開日を毎作品楽しみにしています。

脚本、監督だけではなく、衣装、美術、アングル、そのほとんどにグザヴィエが入り。ディレクションしていく。すべてが合わさっての映画制作である、という思いがずっと変わることなく、本作もその色味のバランス、ビジュアル面や、台詞に違和感が全くなく、センスの塊のような作品でした。

今作は、さらに音楽の使い方が秀逸にハマっています。重要なシーンで世界的にメジャーな曲がかかる。アデル、グリーンデイ、さらにはスタンドバイミーのカヴァーなど。このような使い方は避けられがちですが、今作はそのシーンと歌詞が見事にハマるように構成されています。

そしてその人物の趣向も分かる効果も担っているようにも感じる。台詞と音楽、この2つが登場人物の叫びのように呼応しています。

嗚呼、見事。

そして、キャストは、ジョン役に、ドラマ「ゲーム・オブ・スローンズ」で一気にスター俳優に駆け上がったキット・ハリントン。少年ルパート役に、映画『ルーム』や『ワンダー 君は太陽』で世界的天才子役と大注目されている、ジェイコブ・トレンブレイ。母親サム役に、オスカー受賞経験、ノミネート多数のナタリー・ポートマン。ジョンのエージェント役に、最近では「リチャード・ジュエル」でアカデミー賞にノミネートされた世界的な名優、キャシー・ベイツ。

隙のないキャスティング。ジョン・F・ドノヴァン役のキット・ハリントンなんて、自身と役がぴったりマッチしています。(ゲーム・オブ・スローンズでの役名も"ジョン"・スノウですし、)テレビシリーズに学校を卒業したばかりの若手俳優が出演し、そのドラマのヒットとともにスター俳優の仲間入りしたその姿が、そのまま今作のジョンにぴったりです。

というか、キットに合わせて、グザヴィエが書き替えたというほうが正しいかと思います。キットも、インタビューで台本の改稿が進むたびに自分に近づいてきたと語っています。

そして、何より、天才子役!ジェイコブ・トレンブレイが今回も名演。泣かされました。ナタリーとの親子のシーンで見事に泣かされました。(曲とシチュエーションがずるい)

テンション高く天真爛漫になったり、暗いトーン、さらには激昂したり、涙を流したり、ほんとに人生何回経験したんだと問いたくなるくらいの演技の幅に感服します。大人顔負けです。

グザヴィエ・ドランのいままでのフィルモグラフィと比較すると、過去作より間口が広めに感じました。

これまで彼が試していたり、狙っていたことが、さらに鋭利に、時には丸く表現されていて、天才がさらに進化しています。

彼の世界に対するメッセージが映画を通して伝わる世の中になることを祈ります。見た方はきっと、この作品を理解し、それぞれが家に持ち帰るものがあると思います。私もその一人でした。

ぜひ。この作品で、心を震わせてください。

(文:橋本淳)

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