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シリーズとはほぼほぼ無関係なSFアクション『ポリス・ストーリー/REBORN』

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マーベル&D.C.ヒーロー映画に
挑戦したジャッキー・チェン


冒頭に記したように、本作はほぼほぼ『ポリス・ストーリー』とは無関係なSFアクション映画です。

(まあ、実は本作以外にも“ポリス・ストーリー”の邦題がついているけど本家と無関係といった作品は数本ありますけど……。ちなみに本家としてのシリーズは4本で、スピンオフが1本あります)

要はスティーヴン・セガール主演映画の邦題に“沈黙の”、チャック・ノリス主演映画に“地獄の”といったワードがよく使われているのと同じようなラフな感覚で接したほうが精神的に得策ではあるでしょう。

また主題歌《英雄故事》が広東語ではなく北京語で歌われているところから、本作が“香港”よりも“中国”映画としての色を強めたいことが明白ですが、一方では“台湾”の若手スター、ショウ・ルオとオーヤン・ナナをキャスティングしているあたりの“目配せ”も感じられます(ちなみにオーヤン・ナナの伯母は日本でも歌手として知られた欧陽菲菲!)。

映画の構造でいくと、冒頭はS.W.A.T.対バイオロイドの壮絶なバトルを描きこみ、中盤はシドニーのオペラハウスにてジャッキー・チェンならではの壮絶アクションを展開、そしてクライマックスは『スター・ウォーズ』か『ターミネーター』か? といった、かなり荒唐無稽なSFマインドへ発展していきます。

おそらく世の大半のジャッキー・ファンが見たいのは冒頭と中盤のノリであり、クライマックスは「?」「?」「?」となることでしょう。

もっとも、今回はマーベルやD.C.などのSFヒーロー・アクション・シリーズのノリをジャッキー映画に組み入れてみようという試みだったようにも思えてなりません。

また、そのことであまりSFマインドに作品が引きずり込まれず、あくまでもアクション主体であることを作る側の戒めとして忘れないために、主題歌を《英雄故事》にしたのだと捉えることも可能でしょう。

実際、本作で輝いているのは、主人公の部下スー役のエリカ・シアホウと、女殺し屋役のテス・ハウブリックで、両者が繰り広げる壮絶かつ華麗なヒロイン・アクションの数々には、そのSFチックなコスチュームも功を奏して非常に魅力的です。
(クライマックスに至っては、ほとんどエリカ・シアホウのためにシーンが用意されているとしか思えないほど!)

またショウ・ルオとオーヤン・ナナのさわやかな初々しさも特筆しておくべきでしょう。

そういえばショウ・ルオが劇中ジャッキー・チェンやブルース・リーの下手な物真似をして「ジャッキー・チェンのつもりか?」とチンピラたちに呆れられるくだりがありますが、本作はハリウッドSFも含めた映画パロディともオマージュとも取れる要素がてんこもりで、そういった部分を楽しめるかどうかでも評価は変わるかもしれません。

そして1980年代から90年代にかけてアクション映画のジャンルに革命をもたらし、香港のみならず世界中にその名を轟かせたジャッキー・チェン。

1954年4月7日生まれで現在66歳になったばかりの彼ですが(本作が公開されたときは63歳くらい)、今回は白髪交じりの老けた風貌で“父性”を醸し出しているあたり、アクションだけでなくその存在感を通してアクション・スターとしてのみならず、いぶし銀の魅力を発するアクターとしても評価したいところ。

エンドタイトルはジャッキー映画おなじみNGシーンの羅列となりますが、それらを見るとやはり「ジャッキー・チェンの映画を見た!」といった安堵感に包まれます。

何度も繰り返しますが、『ポリス・ストーリー』のことはあまり意識せず、ジャッキー・チェンがマーベルのりのSFアクションに挑戦した意欲作として接してみてください!

(文:増當竜也)

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