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最新作『かぞくいろ』公開!『RAILWAYS』シリーズを振り返る
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©2018「かぞくいろ」製作委員会
11月30日から映画『かぞくいろ―RAILWAYS 私たちの出発―』が全国で劇場公開されます。
全国の鉄道と家族の絆を題材にした『RAILWAYS』シリーズ第3弾のこの作品、今回は鹿児島~熊本を結ぶ肥薩おれんじ鉄道を背景に、祖父(國村隼)と亡き息子の2番目の妻(有村架純)、息子の最初の妻の子(歸山竜成)といった血の繋がりのない3人が一つ屋根の下で暮らし、本物以上の家族の絆を形成していくさまを感動的に描いていきます。
ではせっかく新作が公開されるので、それまでのシリーズ2作、『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(10)『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』(11)をご紹介していきましょう!
鉄道と家族の絆を
郷土色豊かに描く鉄道映画
まずシリーズ第1作目となった『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』は、もうタイトルのまんまの映画……などと言っては身も蓋もないのですが、実際その通りの内容です。
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(C)2010「RAILWAYS」製作委員会
東京のエリート・サラリーマンだった49歳の主人公・筒井肇(中井貴一)が、故郷・島根県に住む母が倒れたことや、同期の死などによってもう一度人生を見つめ直すようになり、ついに帰郷して子どものころの夢でもあった日本最古級の電車・一畑電車〈デハニ50形〉の運転士になるというお話です。
また、肇のほかに、肘の故障でプロ野球入りの夢を絶たれ、運転士になった青年・宮田(三浦貴大)のエピソードも挿入され、主軸となる肇のドラマとの対比にもなっていきます。
監督は島根県出身で、地元を舞台にした数々の作品でも知られる錦織良成。
ここでも、まもなく半世紀生きようとする男の再度の夢や、それに伴う妻(高島礼子)や娘(本仮屋ユイナ)との確執なども隠すことなく描きつつ、それらも優しく包み込む郷土の懐の大きさなどをさりげなくも豊かに描出していきます。
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続いて第2作『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』の舞台は、富山県の雄大な北アルプスを背に走る富山地方鉄道。
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(C)2011「RAILWAYS2」製作委員会
まもなく定年を迎える運転士の滝島徹(三浦友和)と、彼から看護師の再就職を反対されて家を飛び出してしまう妻の佐和子(余貴美子)の夫婦の愛と絆を描いていきます。
ここではなかなか本当の気持ちが伝えられず、すれ違いっぱなしの夫婦ならではのじれったさなどが慈愛豊かに綴られていきます。
監督はこれが映画デビューとなった蔵方政俊ですが、熟年夫婦の想いを瑞々しくとらえた演出は初々しくも達者なものを感じます。
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こだわりの鉄道描写と
普遍的な家族のテーマ
『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』『RAILWAYS 愛を伝えられない大人たちへ』、そして最新作『かぞくいろ―RAILWAYS―わたしたちの出発』も合わせて、鉄道描写にこだわりぬいたものがありますが、これはシリーズの製作総指揮を務めている阿部秀司プロデューサーが大の鉄道マニアであることも大きく関係しています。
つまり、家族という普遍的なテーマと、鉄道という老若男女のマニアも多いモチーフを融合させながら、そこにディスカバー・ジャパン的情緒まで入れ込みながら、それらの魅力を映画的に醸し出していこうという試み。
さらには中井貴一、三浦友和というベテラン名優ならではのいぶし銀の魅力を、改めて映画ファンに指し示していく粋な姿勢(今回の新作で、この中に國村隼も加わるわけです)
女優陣の好演も忘れてもらってはいけない要素で、第1作の高島礼子も第2作の余貴美子も、外に出て働くことを望む現代の女性像であり、また第1作の本仮屋ユイナ、第2作の小池栄子といった娘たちの存在も、夫婦の絆に大きく影響を及ぼしていきます。
(その伝で申せば、最新第3弾はそれまでサブ的存在だった娘=今を生きる女性そのものに大きくスポットをあてたものともいえるでしょう)
小さい子はなぜかみんな電車が好きで、一度は電車の運転士になってみたいと夢見ます。
そんな童心を呼び起こしながら、家族の絆あってこその人生模様を改めて体感させてくれる『RAILWAYS』シリーズ、この機会にぜひ配信などで、そして映画館で触れてみてください。
(文:増當竜也)
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