特撮向上委員会

SPECIAL

2020年10月18日

『魔進戦隊キラメイジャー』の出演ゲストが画期的すぎた!その理由とは?

『魔進戦隊キラメイジャー』の出演ゲストが画期的すぎた!その理由とは?

■オジンオズボーン・篠宮暁の“特撮”向上委員会

今から13年前のスーパー戦隊でシリーズ第31作目の『獣拳戦隊ゲキレンジャー』。

とにかく見応えのある中国拳法を取り入れたアクションに、追加メンバーのゲキバイオレット、ゲキチョッパーを加えず、そしてパワーアップ形態のスーパーゲキレンジャーにもならずに、これでもかとカンフーアクションを見せてくれた最終話は個人的に全スーパー戦隊の最終話の中でも上位に入る屈指の傑作回だったりします。

また名乗りポーズの難易度は『五星戦隊ダイレンジャー』以上で、マスターするのに数日を要しました。

「ゲキレンジャー」の話題になると僕は必ずこれを口にしてしまうのですが、ゲキバイオレットの名乗りの足の動きがとにかく好き。

いまだに、そこだけ見たくなって「ゲキレンジャー」を再生してしまうほどです。

さて、何故このタイミングで「ゲキレンジャー」のことを書いたのかと申しますと、先週の「キラメイジャー」をご覧になられた方なら既にお分かりだと思うんですが、ゲキレンジャーをサポートするスポーツ用品メーカー・スクラッチ社の室長であり、ゲキレンジャーの姉弟子でもある真咲美希を演じる伊藤かずえさんと、その娘、真咲なつめ役の桑江咲菜さんが、なんと時を経てキラメイジャーに同じ役で登場されたのです。

「ゲキレンジャー」、「キラメイジャー」両作とも塚田英明プロデューサーということで為せたコラボなのは分かるんですが、この形のゲスト出演はかなり画期的だったんです。

基本的に各スーパー戦隊の世界は独立しているので、過去作のキャラクターとの競演は有り得ないことでした。

しかしVシネで始まった『オーレンジャーvsカクレンジャー』から、現行のスーパー戦隊と前スーパー戦隊が競演するパッケージが恒例化となり(厳密にはさらに昔に『ゴレンジャーvsジャッカー電撃隊』が作られてはいるんですが)

今年の頭に公開された「リュウソウジャーvsルパパト」まで、脈々と夢の競演という形は受け継がれてきました。

「ゲキレンジャー」もその流れで前作の『轟轟戦隊ボウケンジャー』と次作の『炎神戦隊ゴーオンジャー』との共演を果たしています。

またシリーズ第35作の『海賊戦隊ゴーカイジャー』では、各スーパー戦隊の世界は別々という固定概念を壊し、過去のキャストが週替わりで出演するというスーパー戦隊史、前代未聞のお祭り状態となり、大いにファンを喜ばせました。

これをきっかけに過去出演者がゲスト出演するハードルは一気に低くなり、『獣電戦隊キョウリュウジャーVSゴーバスターズ 恐竜大決戦! さらば永遠の友よ』では、同じく恐竜モチーフのジュウレンジャーとアバレンジャーが登場したり、スーパー戦隊40周年の『手裏剣戦隊ニンニンジャー』では、同じく忍者モチーフのカクレンジャー、ニンジャレッドとハリケンジャー、ハリケンレッドが登場。

また、「ニンニンジャー」の別の回ではスーパー戦隊ではなく、メタルヒーローシリーズ第7作、世界忍者戦ジライヤからジライヤこと山地闘破が登場するなど、過去作品のキャラクターが登場することは珍しいことではなくなりました。


では、今回のキラメイジャーは何が画期的だったかというと、まずキラメイジャーはアニバーサリー作品ではないということ。

そして登場した美希となつめは変身しない、いわゆるサブキャラクターということ。

このありそうでなかった一捻りというのが実はキラメイジャー独自の手法であり、キラメイジャーの魅力でもあったりします。

今までのゲストはその回に限って、主役を食ってしまう活躍を見せてくれました。

しかし、今回はきっちりとキラメイジャーが主役になってるんです。このバランスこそが画期的であり、発明だと僕は思うんです。


サブキャラクターの歴史を遡ればメタルヒーローシリーズ第9作で「レスキューポリス」シリーズ第1作目のウインスペクターに登場する正木本部長が、その後のシリーズのソルブレインやエクシードラフトにゲスト出演することもあったんですが、この正木本部長はV3やアオレンジャーを熱演されたミスターヒーロー、宮内洋さんが演じられていたため、どうしても主役を食ってしまう活躍をされてしまうんです。

瀬奈が陸上選手ということでスクラッチ社とのコラボを違和感無く見られた今回があったからといって、例えば医者の小夜つながりで「アバレンジャー」の仲代壬琴を!などとと想像してしまいがちですが、壬琴は死んでしまっていますしサブキャラクターでもないですし、そもそも塚田プロデューサーがまだチーフじゃない時の作品なのでこの考えは邪道なのかもしれません。

なので、このようなゲスト出演がまたあるかも…などとは期待しないように心掛けなければ。

ですが、とにもかくにも僕らをキラキラさせてくれたことに違いはありません。そしてこの先また違った形でキラキラさせてくれることを信じてやまないのです。

(文:篠宮暁)

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